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フレーゲとラッセルの論理学研究に始まり、クワイン、ウィトゲンシュタインらの活躍を経て、現在では哲学の全領域に浸透した分析哲学。言語や概念の分析を通じて世界を捉えるその手法は幅広い。哲学史上の優れた議論を素材に、その先を自ら考えるための一冊。「道具」としての分析哲学を伝える、珠玉の入門講義。
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Posted by ブクログ
2年越しくらいの再読。初めて読んだときに、何が何だかわからなかったところが、今回でちょっとは明らかになったように思う。 個人的な関心が影響しているのだろうが、4〜6章の部分が退屈だった。しかし、その退屈さを乗り越えると、7章のクリプキの様相論理学の話から視界がひらけてくる。それ以降も、とっつきやすい...続きを読む議論が続く(心の哲学や時間、自由など)。 またいろいろ読んだ後に、その理解度を確かめるために、戻ってきてもいいかもしれない。
以前にも読んだことがあるのだが、どうも内容は忘れてしまった。しかし、この今、爽快感が残っている。明日にも忘れてしまいそうだが。 巻末に文献を詳細に載せてあるので、その意味でも利用価値があるかもしれない。 参考までに、「意味」と「同一性」がキーワードらしい。
わかりやすい口調・説明だった。 分析哲学の入門としてはかなり優秀なんじゃないかなーと思う 科学哲学をかじった人だとさらに楽しいとおもう
山口大学の准教授である著者による「分析哲学の専門書。 講義の形式をとっており、順番に話が進んでいくためついていきやすい。しかし、そもそものテーマが哲学で抽象度が高いため非常に難解。目が滑る箇所が多かった。 理解できた内容は半分程度だったが、それでも面白い本だと思う。 分析哲学とは、言語の働きの解...続きを読む明を通じてさまざまな問題に答えるものである。 私たちは、何を論じるにも観察するにも、言語に依存している。分析哲学はこの言語を徹底的に掘り下げる。その意味であらゆる哲学やあらゆる思考と、科学や倫理や芸術と、連続的なものである。 分析哲学は開かれた学問であり、本書が取り扱うテーマだけでも、「言語の構造の分析」「言語の使用に関する分析」「形而上学的「心の哲学」「哲学的時間論」と非常に広範。 分析哲学はすなわち「考えること」そのものに関わる活動なのだ。 個人的には、新しい範囲の専門知識でありながら、それが色々な考え方や概念と根底で繋がっているという感想を受けた。 難解ではあるが、トライする価値はある本だと思う。
初めて、まとまって分析哲学について学ぶ。 それぞれの哲学者の言説に触れたことはあったが、それらがどのような背景に位置付けられるか、本書で理解が可能である。
単語、文章、テキスト全体は、何を指し示すことができるのか?論理とは何か?言語と論理の関係は?意味とはどのような場に発生するのか?。等々、じっくり読めばいろいろとおもしろく勉強できる本。でも読後半年の今、内容はほとんど忘れてしまった。また機会があれば再読したい。
時間論の分岐の問題が特に面白かった。 自明と思っていることも分析されていくと、日頃いかにあいまいなままなんとなく受け入れているんだなと感じた。 アキレスと亀のパラドックスとかに近いのかもとも思ってしまったけれど。
分析哲学も、一般の読書人向けの入門書が乏しい分野だという印象があります。大庭健の『はじめての分析哲学』(産業図書)や、冨田恭彦の小説形式の本はたしかに読みやすいのですが、とりあげられているテーマに偏りがあって、分析哲学全般の入門書とは言いがたいところがあります。とくに可能世界意味論の登場以降の動向も...続きを読む踏まえた入門書というと、本当にかぎられてくるように思いますが、本書はその貴重な一冊です。八木沢敬の『分析哲学入門』三部作(講談社選書メチエ)に比べるとかなり読みやすいのですが、それでもクリプキの「本質」理解の検討をおこなっている第7講の議論は相当に難しく感じました。 第6講では、言語ゲームの実践における人々の行動の無根拠な一致がわれわれの生活の底板を形成していることに着目して、それを「原初的自然」と呼び、この「自然」とクワインの認識論の自然化がめざす自然科学的な「自然」との関係について考察がおこなわれています。著者は、ウィトゲンシュタインの私的言語批判の議論を参照しつつ、言語が私的な心の領域から公共的な領域へと移行することで問題が解決したのではなく、公共的な領域でこそ規則のパラドクスが考慮されなければならないと指摘します。これによって、ベタな行動主義との違いが定められることになるのですが、さらに著者は、人びとの行動の無根拠な「一致」がまさに「一致」として記述されるのは、その記述自体がベタな行動主義と同様の「非原初的な自然」の次元に属していることに依拠していると指摘し、「原初的自然に訴える議論は、非原初的な記述のもとでしか、理解可能な説得力をもちません」と主張します。 一方第9講は、著者の専門である時間論で、とくに時間対称的な物理的な世界観の中に「時間の矢」を見いだそうとする議論が、ひそかに日常的な時間の非対称性を密輸入してしまっていることを指摘する議論などは、興味深く読みました。
言語や概念の分析を通じて世界を捉える「分析哲学」の講義形式の入門書。本書は、単なる哲学史の解説ではなく、「意味はどこにあるのか」「心と身体はどうやって作用し合うのか」「「今」は本当に存在するのか」といった哲学的問題をベースとしたまさに「哲学」の入門書となっている。 ただ、著者は「本書を読むにあたって...続きを読む、予備知識はとくに必要ありません」と言っているものの、自分の理解力が乏しいためか、本書の内容は半分も咀嚼できたとは言い難い。最後の方で取り上げられている「分岐問題」など、何が問題なのかさえよくわからなかった。
かいつまんで「分析哲学」を紹介すると、言葉を考えていく学問と言うことになります。言葉と言っても、単語を掘り下げていくというよりか、ひとつの文章を一つの単位として読んで、その中での単語の働きなどからでてくる意味から探っていく感じです。そうやることで、信じられないかもしれませんが、森羅万象にも近づいてい...続きを読むくことになるんです。言葉をベースにちまちまと哲学すると言ったほうが早いのかもしれないです。イメージ先行、発想先行で考えていくわけではなくて、言葉で論理的に、飛躍せずに考えていく哲学といえるでしょう。 そのあたりの説明などはまったくといいほどないのですが、それはそれ、分析哲学のありかたとして、哲学者・ウィトゲンシュタインの手法のように、一つの文章を読んで、その方向性や全体としての意味などを見ていくスタイルなので、読者は自分で本書を読みながら汲み取っていかなければいけない。いろいろなトピックを、著者に導かれながら考えていくのですが、そうすることで、あぶり出されるようにわかるのが、分析哲学と言うものの有りようだ、という構造になっています。
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