中山市朗のレビュー一覧
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中山市朗先生の文体が相変わらず好きだ。
怖さの中の優しさみたいな文体だと思う。
実話怪談、怪談実話でも文体って大切やと常々感じる。
押し付けがましく文体は苦手だし、どんなものでも。
怖かったし面白く感じたものを。
『一家四人』『深夜の訪問者』『ビデオテープ』『奇妙な手紙』『宴会の声』『真っ暗にすると...続きを読むPosted by ブクログ -
解説より「本書は一切の究明、解釈を求めず、ただ起こった現象を記しただけ」
「本当にあった!」「実録!」みたいな起承転結がはっきりとしていて、怖がらせようとする話よりも、この本に収録されているものは、怪異が“”人間世界の隣にある別の世界との交流”って感じがして、怖さよりも不思議さ、神秘的な気持ちを残す...続きを読むPosted by ブクログ -
今作は理不尽な恐怖が多い。なぜ彼はトイレで死なねばならなかったのか。なぜあの子は3歳を前に死んだのか。神の怒りに触れて一家が死んでしまうというのも、なんともやり切れない。Posted by ブクログ
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登山家は言う。
「山の天気は変わりやすい」
「山を舐めてはいけない」
登山は子供の頃、遠足で行ったくらいなので、実感として分からない。
ただし、山神の怒りと解釈すれば合点がいく。山で命を落とした人も多くいることを思えば、安易に考えてはいけないのである。 -
だいぶ以前に既読でしたが、最近YouTubeでこの中に載っている迎賓館のお話の体験者の方の裏話を観て、懐かしくなって読み返しました。やっぱり新耳袋の雰囲気は怖くて最高に面白いです。このシリーズがきっかけで怪談にハマりました。今や実話怪談ブームで色んな怖い怪談がありますが、やっぱり原点はこれですね。
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他の作品が面白かったので本作も手に取った。こんなに怖い実話系怪談があるだろうか。各話はとても短く文章も上手いので次々と読みたくなる。とにかく怖くて面白い。田んぼに現れる母親の霊は怖くもあるがとても切ない。お祓いという衆人環視のなか現れるなんてありうるのだろうかと思ってしまうが、説得力のある話ではあっ...続きを読むPosted by ブクログ
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「七代祟る」が何より恐ろしい。
これを読んで、末代まで祟るという文言の本当の意味を知りました。
子孫が絶えるまで祟る、ではなく、絶やす時さえ死者の側が決めているのだ、という強さ。恨みを晴らすまでは、どこまでも続いてゆくという執着。
構成上、一番インパクトあるものを最後の配置するのは常道なのですが...続きを読むPosted by ブクログ -
そもそも、百物語とは、なんぞや。古えの教えには、「物語百せし折には怪至る」とある。
TV版『地獄先生ぬ~べ~』第44話「子どもは見ちゃダメ!!禁断の怪談・百物語! 」にもあるように、一夜のうちに百物語を語ることは、魔界への門を開くことを意味する。
著者である木原浩勝氏は、その辺りをよくわきまえている...続きを読むPosted by ブクログ -
現代怪談集の傑作。
話の背景や因縁が見えてこないところ、つまりなにも特別なことをしていないのに「出会ってしまった」、そこになんとも後味の悪さが尾を引くし、恐怖を掻き立てられる。Posted by ブクログ -
この手の話は短い文章で怖さを伝えるのがさすがって思ってしまう。それにすぐ忘れるように出来ている。そこもまた凄いなぁと感心する。消耗品の文章だけれど、時々本気で怖いものが混じっていて、これはヤバイと思うのがある。この中では「十五日にいきます」がヤバイと思った。話はありがちなのにぞわぞわさせすぎて怖いで...続きを読むPosted by ブクログ
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ホラー小説短編集。地味に怖い話の詰め合わせ。
短編ホラー小説なので非常に読みやすい。
文章もわかりやすい表現を用いているので、堅い小説よりもイメージがわくのではないでしょうか。
何より一話が短い。さらっと読めるのでちょっとした時間に最適。
短くてもしっかり怖い。小説嫌いても読めます...続きを読むPosted by ブクログ