中島由華のレビュー一覧

  • グローバル・スーパーリッチ 超格差の時代
    スーパーリッチの人たちって、格差などの社会問題をどういう風にとらえているんだろうと思っていたが、やはり特殊なイデオロギーにしっかり染まっている集団でしかないということを改めて感じた。それはいい悪いではなく、ある共通の傾向をもった社会集団とでもいおうか。

    その中でもごく一握りの人だけが、バランスのと...続きを読む
  • グローバル・スーパーリッチ 超格差の時代
    [深淵なる富貧クレバス]「上位1%とその他99%の人々の間の格差」という考え方に注目が集まる一方,さらにその上位1%の中の「上位0.1%とその他の人々の格差」に着目した作品。著者が「プルトクラート」と呼ぶその超裕福層はいかにして生まれ,行動し,どのような影響力を社会に行使しているかを詳細に研究してい...続きを読む
  • グローバル・スーパーリッチ 超格差の時代
    ついに、ピケティ本「21世紀の資本」が日本でも発売されました。圧巻の700ページ、大迫力の5500円でございます。だ、誰が買うんや…と、平積みにされていた本を眺めていましたが、日本でも大ベストセラーらしいですね。NHKでもピケティの白熱教室が放映されるらしい。
    さて、本書はアメリカではピケティ本とほ...続きを読む
  • モーリタニアン 黒塗りの記録
    手記を書いた人が本当に無実なのか検証する術を私は持っていない。けれど、こんなに膨大な記録を全て嘘で塗り固められるとは考えにくいし、米国にやましいことがなければ、裁判を行えばいいはず。
    そもそも他国モーリタリアで半ば拉致同然に逮捕し、こっそりと移送し裁判も行わずひたすら拘置し拷問。この時点で人権を奪っ...続きを読む
  • 税金の世界史
    全ての政治家に読んで欲しい。戦争によって増税が行われ、現在のような高負担国家になってしまった実状がよくわかった。社会主義的民主主義により、高負担高福祉が良いかのような錯覚に陥っていたが、資産インフレを起こす事により、資産家と国家に搾取されるのは庶民であり、小さい政府の方が健全な発展を遂げるのではない...続きを読む
  • オリンピック秘史 120年の覇権と利権
    オリンピックは当初から矛盾を抱えていたことがよくわかった。貴族主義・差別主義的な傾向と世俗化、商業化、ダイバーシティーとの折り合いの話はとても示唆深い。
    祝賀資本主義、惨事便乗型資本主義共に純粋資本主義の発展を目指すことはないむしろ公民連携に関する美辞麗句を我々に提示する、という箇所も考えさせられた...続きを読む
  • グローバル・スーパーリッチ 超格差の時代
    主にアメリカベースではあるが、リサーチ内容が学術的でハイレベル。インタビュー対象もハイレベル。国境や国籍を超えた、スーパーリッチという少数民族がこの時代に生まれていることと、その生態の綿密な調査結果が記されている。この手の「格差」を取り上げる国産本とは明らかに違う目線であり、スケール感である。
  • 税金の世界史
    大抵の税金は戦費のため。

    われわれが姓名を名乗るようになったのも徴税のため。
    ヨーロッパでは13世紀まで平民は姓を持たなかった。
    人頭税の徴収の際ら人々を区別するのに便利だから。

    人類初の公式の税制。
    「エスレトゥ」=古代の10分の1税

    「ラッファー曲線」=最適な税率に設定することにより政府は...続きを読む
  • 税金の世界史
     いや〜勉強になりました。世界史というのは税金を理解しなければ本当のことはわかりませんね。たとえばアメリカの独立戦争ですが、今まで私は、イギリスがアメリカを搾取して厳しい税金を取り立てていたと思い込んでいました。でも実際は、イギリス政府は財政赤字に苦しみ、イギリス人はアメリカに渡った人よりも重税に苦...続きを読む
  • 税金の世界史
    全てを網羅する訳ではなく、英米仏の税制とそれによる影響をトピック的に取り上げ、古代から近代の改革例、現代のグローバル化、デジタルやIT、仮想通貨等に対する現代政府の税制の不備と、未来への提言。
    著者は金融ライター兼コメディアンだそう。面白いのはそれ故か。

  • オリンピック秘史 120年の覇権と利権
    開始まで1年を切りながらもマラソンの札幌開催など、まだまだ何が起きるか分からない東京オリンピックであるが、オリンピックはいつから”アスリートファースト”の精神を失い、巨大な利権に操られた祭典となってしまったのか。

    本書は近代オリンピックの父であるクーベルタンに始まり、2028年夏季が開催されるロサ...続きを読む
  • インターネットは自由を奪う 〈無料〉という落とし穴
    口は悪いが、著者の言い分もわかる。ネットで誰でもどこでもアクセスできることを喜んでいたWEB1.0から、応答を個別に対応可能になったWEB2.0でビジネスが大きく変わり、勝ったものが総取りの世界。個人が無料でサービスを受けるかわりに、無料で個人情報を提供することで、ネットガリバーの一人勝ちを助長して...続きを読む
  • お願いの女王 人はなぜ彼女の頼みを聞き入れたくなるのか
    快く受け入れるようなお願いがあることを知りながら、人は他人にお願いするのを躊躇してしまう。アクの強いパンクバンドのボーカルの自伝に見えるが意外と哲学的な話です。