古野まほろのレビュー一覧

  • 新任警視(下)(新潮文庫)
    下巻は事件が動いた。
    警察小説だが、刑事物とは違って諜報、心理戦等のスパイ小説である。

    スパイなのだが、登場人物達は普通の人達でとても素敵だ。
    通勤中に読んでいたらグッときて、「ヤバい、泣く」と思って本を閉じたことがあった。
    面白かった。
  • ロジカ・ドラマチカ
    合う人を選ぶミステリ。私は大好物。ケメルマンのオマージュ。

    「新任警視」の司馬達が再登場。冬の章を、成れの果ての蛇足ととるか、大団円ととるかも読み手次第。私は再び彼に会えて嬉しかった。幸せそうで何より。
  • 禁じられたジュリエット
    舞台の舞台の舞台とどこまでも入れ子は想定可能だし、舞台と現実の境界もあいまい。ミステリ論あり、オマージュあり。新本格の体裁をとった、アンチミステリではないでしょうか。
  • オニキスII―公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子―(新潮文庫nex)
    このケレン味を、たまに味わいたくなる不思議。終章などは、スケバン刑事的なアレだし。富豪刑事をまほろんが書くとこうなるよねと、ミステリというよりスラプスティックな本シリーズを結構気に入っている。
  • 警察手帳
    警察官の業務について詳細に書かれていて、面白くページをめくる手が止まらなかった。もし「警察官について知りたい」という問い合わせがあれば1番に薦めたい一冊。
  • 老警
    「独特な味わい」が在る物語であると思った…
    前代未聞という感の異常な事件を巡って、県警幹部が事の真相を解き明かそうとするような物語で、少し夢中になってしまう。
    本作の冒頭部、少し長い序章が在り、作中の出来事のカギを握ることになる劇中人物達の描写が在る。
    この序章に、「執筆活動」と称して昼夜逆転な様子...続きを読む
  • 身元不明 特殊殺人対策官 箱崎ひかり
    本当に読みにくい。読みにくいけど、私にはこの古野まほろ節が刺さります。めちゃくちゃ好みが分かれます。集中力を一瞬でも欠くと本当に理解できなくなります。
    決め打ち、みたいな時のセリフが好きです。セリフの言葉選びがなかなかクサいけど、小説らしくていいなと。
    まほろさんは安定に終盤での怒涛の展開の詰め込み...続きを読む
  • 事件でなければ動けません 困った警察官のトリセツ
    事件でなければ動けません 困った警察官のトリセツ。古野 まほろ先生の著書。警察官にはいつも市民の味方、弱い者のの見方でいてほしい。困ったことを相談しても被害が出るまでは対応してくれないなら警察官は何のために存在するのかな、警察官なんていらないし必要ない、警察官はいるだけで一般市民に役に立っていな...続きを読む
  • 職務質問(新潮新書)
    刑事ドラマや小説の中に出てくる「職務質問」。
    実際の職質について詳しく書かれており、勉強になった。

    私自身、職務質問ではないが「聞き込み」に来た刑事さんの質問に答えたことがある。近くで起きた強盗事件についての目撃情報を集めていたようだ。
    その事件、私の同級生は「職務質問」を受けたそう。
    なぜ、職質...続きを読む
  • 警察官の出世と人事
    警察官の制度について詳細に書かれており、とても勉強になった。そして、名探偵コナンが好きな私としては、「目暮警部はこうやって警部になったのか」「佐藤刑事は結構出世が早かった」などコナンの作品での刑事の立ち位置についても知ることが出来てとても面白かった。
  • 警察官僚――0.2%未満のキャリアの生態
    警察官としての生活、官僚としての生活、ともに垣間見ることができて面白い。警察官僚として生きた読み物は佐々淳行さんのものが有名と思うが、平成時代の官僚が綴ったものににはなかなか巡り会えなかったので、非常に興味深く読むことができた。

    改めて、「なぜ私はこういった警察ものに魅かれるのか」を考えてみたが、...続きを読む
  • 新任巡査(下)(新潮文庫)
    上巻のキャラ紹介、交番警官のお仕事紹介から本筋の連続女子高生行方不明事件への謎に迫るサスペンス。罠を張るアキラ、巻き込まれ負傷するライト。ふたりの未来は!?。
  • 職務質問(新潮新書)
    「知っているようで何も知らない」というような事柄、「特殊なようでいて、一般的な様々な事柄に通じる」という内容は、この種の新書の特長ということになると思う。そんな特長が感じられる良書であったと思う。
    本書とは無関係ながら、少し前に永く刑事として活躍された方が綴った本を興味深く読んだ。その中に、警察官と...続きを読む
  • 女警
    題名の「女警」とは「女性警察官」を略した語である。自身で使用中のパソコンでは「じょけい」と打ち込んでも変換漢字として「女警」は出て来なかったが…
    本作は、事件が発生して警察官達が登場する物語ではあるが、何か「一味違う」という感じに仕上がっている。『女警』という題が示すように、女性警察官の物語ではある...続きを読む
  • 征服少女~AXIS girls~
    『終末少女』続編
    ファンタジーロジック本格ミステリー

    閉ざされた天国から遂に地球への再征服作戦が開始された
    選ばれし使徒8天使は少女の姿となり、方舟「バシリカ」を駆り一路地球を目指す

    一枚岩とは言えない予感と、悪しきものたちの襲来に翻弄されながら
    片道分の燃料しか積載していない、天使たちの運命を...続きを読む
  • 警察官の出世と人事
    警察官の99%以上を占める地元採用のノンキャリア警察官を対象に、出世と人事について、階級・職制・専務の切り口で解説。警察内部での人事・組織構造が極めて分かりやすい語り口で書かれている良書。

    特に面白かったのは、以下の点。
    ・無試験昇任のキャリアと違って警視までは基本的には試験を通らなければ昇進でき...続きを読む
  • 新任巡査(下)(新潮文庫)
    結末にビックリです。

    途中までは、完全に、新任巡査のお仕事のお話なんですよ。ですが、残り250ページくらいから話は変わり始めます。いや、変わり始めた時点では、話が変わったという事はわからないんですよねぇ。ただ、警察官の職務の危険性を示しただけなのかなぁと思っていたんですが、全然違いました。

    そう...続きを読む
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー
    1つ1つ個性が出ていて面白い。好きだったのは青崎有吾と周木律。東川篤哉はA先生の某作品を思い起こさせるトリック。青崎有吾はシンプルながらも意表をついてくる。周木律はトリックの出来栄えと新本格らしさでは一番ではないだろうか。これは短編に使うには惜しいくらいのアイデアだと思う。黒もすぐ読みたい。
  • ぐるりよざ殺人事件 セーラー服と黙示録
    聞いたことのない方法で作り出されるクローズドサークルに、これまた前代未聞の特殊設定ミステリ。ガンダムネタや金田一の映画ネタなどはよく分からず。作者の得意とする推理編は圧巻。第八戒のもとでよくここまで練り上げたものだと思う。長いが面白かった。
  • 外田警部、TGVに乗る
    久しぶりにこの作家の作品もっと追ってみたい!!と、思いましたわー。日本の官僚制度の細かい情報が楽しかったです。