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脳が地面に転がるたびに熱狂的な演説で民衆を煽る独裁者フィル。国民が6人しかいない小国をめぐる奇想天外かつ爆笑必至の物語。ブッカー賞作家が生みだした大量虐殺にまつわるおとぎ話。
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Posted by ブクログ
示唆に富んだ話だった 独裁者と言われる人がモデルかなと思うと同時に、もっと身近な問題としても捉えられる気がした 1人の横暴な人に逆らえない状況や、正しい人を正しいと言えずに自分を正当化してしまう所など自戒の念を込めてありがちだと思った
理想的本箱の紹介を受けて。おとぎ話。表現されている登場者は、人と同じ。人に例えると残虐といえる行為をするため、理屈をつけて正当化。おとぎ話のようなので客観的に見ることができる。自分のまわりの人に似た光景も見られるし、自分もそうなんだとの自戒にもなる。
めちゃくちゃおもしろかった。 ・疑心暗鬼から虐殺までの過程 ・悪の陳腐さについて ・悪事は属人として押し着せられ構造的には何も反省されない ・そして繰り返す(多分) という示唆深ポイントばかりだった。 何かにむすびつけずにフラットに読むのもアリ。 鈴木久美さんの装丁も素敵。
なんだかとてもタイムリーでとても考えさせられる、それでいてとてもとてもユーモラスなお話だった。 特定の誰かをモデルにしたわけでなく、独裁者の最大公約数として描かれる「フィル」。 だから、あの人にも見えるし、あの人にも見える。 いつの時代も、いや、誰の中にも存在する「フィル」の影。 巧妙な演説で...続きを読む人々を魅了し、ついには年老いて耄碌した王の座にとってかわる。 国と国との境目。 税金の徴収。 武力衝突。 親友隊の組成。 侵略者の処刑。 危険分子は芽が出たらすぐ。見せしめに。 それぞれの国の住人たち、親衛隊や市民軍やマスコミや隣国の人々の動き方も実にリアルでゾッとする。 民衆はいつだって影響されやすく、変わりやすい。 そのことを私たちは忘れてはならない。 そして岸本佐和子さんの訳がめちゃくちゃいい。 こういう奇妙なお話は翻訳すると分かりにくくなりがちなんだけれど、もともと日本語で書かれていたような自然な語り口。 奇妙で不思議なおとぎ話の世界がありありと目の前に浮かんでくるような描写。 国民が一度に一人しか入れない国土の小ささとか、抽象的な図形や無機物でできた身体をもつ人々とか、脳がラックから外れるとか。そんな突拍子もないねじれたユーモアが、違和感を覚えさせない日本語で描かれている。
最高に面白かった!去年読んだ中でベストオブベスト。 読んでいてクスッと笑ってしまう小説は久しぶりでした。
壊れたおとぎ話のような世界観がおもしろかったです。登場人物のセリフの言い回しや描写の仕方にユーモアがあって、クスッとしてしまうところもあります。 しかし、俯瞰的に見ると自分も含め、人間というのは、本作に出てくるキャラクターたちのように、滑稽な生き物だと気付かされます。 自分と違うものを蔑んで憎ん...続きを読むだり、本作のような俯瞰した目線で捉えられたなら、こんなにしょうもないことはありません。 そして、独裁者のフィルの運命はいかに。 なるべくしてなった、この結末は多くの歴史が証明しています。
面白かった! 寓話にしてはごちゃごちゃした印象は受けるけれども、ナチスを思い浮かべて読んだ。あとがきだか解説でのトランプの話も確かに当てはまる。誰か特定の人物ではなく寄せ集めたイメージで書かれているみたいだが、ナチスにもトランプにも当てはまるということは、進歩しないのか、それが本質なのか、単に繰り...続きを読む返しているのかどうなのだろう。 自分自身がフィルになることはないと言い切れる人もいるかもしれないが、私は割と誰にでもあり得ることではないかと思う。そして私自身はどうだろうと考える。フィルの立場はなかったとしても、外ホーナーの住人の立場で彼らと同じ判断をしない自信はないし、もしかしたら気付かずに加担している可能性も否定できないのが恐ろしいとこだな。
短くて恐ろしくて、滑稽で物悲しい。 国のあり方はファンタジー、登場人物の外見は不思議。でも、内側を突き詰めれば私達と同じに思えるのが空恐ろしく。 面白いけれど笑って済ませられない、人間とモンスターの物語でした。
フィルの暴力的な独裁が本当に辛かった… けどタイトルに『短くて〜』と入っていたのでなんとか読めた! ほんとロシアのウクライナ侵攻とだぶって見えたね… デウス・エクス・マキナ的な事が起こらないかな〜。
2022年、ある政治家が、別の政治家の弁舌の巧みさをヒトラーのようだと発言し、研究者や政治家、マスコミを中心に論争が巻き起こっている。 また、あるテレビ番組で、ヒトラーとなぞらえることはヘイトスピーチだと語った研究者に対し、批判が殺到した。研究者の所属する大学は彼を解雇しろという抗議の声が上がった。...続きを読む どれも、SNSという小さな国の中で。 読むにつれて、上記の事象を考えずにはいられなかった。 「この本は、世界を過度に単純化し、〈他者〉とみなしたものを根絶やしにしたがる人間のエゴにまつわる物語なのです。」 (p.153,訳者あとがきから著者の言葉) フィルはヒトラーであり、我々自身でもある。 フィルの時代と、今日の日本、何が違うのか。
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短くて恐ろしいフィルの時代
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