いちばんここに似合う人

いちばんここに似合う人

水が一滴もない土地で、老人たちに洗面器一つで水泳を教える娘。英国のウィリアム王子をめぐる妄想で、頭がはちきれそうな中年女。会ったこともない友人の妹に、本気で恋焦がれる老人――。強烈な個性と奇妙な優しさに満ちた16の短篇を、物語の声にぴったりと寄り添う岸本佐知子訳で。フランク・オコナー国際短篇賞受賞。

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いちばんここに似合う人 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    半泣きのような、半笑いのような。一編を読むごとに、きっとヘンな顔になっている。
    ゾクゾク、ゾワゾワして、しんとする。僕の中の埃が溜まったへこみを押し開けて、入り組んで届きにくいカーブに指をぴたっと添わせてグイグイ突いてくる。
    なんともイタ気持ちいい読後感。しばらく動けない。

    ギュッと腕を身体に巻き

    0
    2023年10月28日

    Posted by ブクログ

    他人の生きざまを知るということが、これほど自分を、そして自分と関わってくれるすべての人を救ってくれるとは。孤独に、けれど「何か」を追い求めるそれぞれの主人公が、目の前を通り過ぎていく。私には彼らが何をしたいのか、何が目的なのか分かっている。自分のことは分からないくせに。
    それでも、そのヒントを垣間見

    0
    2015年11月25日

    Posted by ブクログ

    ​プロット、表現、文の瑞々しさが素敵。
    そして、ここでその言葉をこう並べるんだ、こう入れてくるんだ、みたいな楽しさ。
    内容は、孤独で、愛が欲しくて、大半の人からはちょっと引かれてしまうであろう人たちのお話。
    だけど結局みんなこんなもんでしょ。みんな痛々しい大人だ。誰だって誰かに引く権利なんてないのだ

    0
    2014年10月19日

    Posted by ブクログ

    読んでるうちにどんどん感情が湧き出ててきて心が引き裂かれる思いがした。でも読み終わった後に「でもあまりに寂しい。確かにこれが人間だが、私はこれだけの人間を見たくない。」もうお腹いっぱいしばらく結構。と感じたのは何故か?
    何故ならこれは私たちが目にしたくない部分だからだと感じた。ここに私自身見ないふり

    0
    2014年08月22日

    Posted by ブクログ

    理不尽でとりとめのない、およそ自分の現実からは離れたストーリーなのにああそうそうと思うところがたくさんあった。読んだ自分のその時の感情も反映されて、印象深い一冊になった。

    0
    2014年01月18日

    Posted by ブクログ

    短編集。
    日常の何気ないほつれとか、その逆の抗えない大きな波をそれぞれの苦悩として切り取られている。
    とくに気に入ったのが何篇かあったんだけど今手元に本がないのでタイトルが思い出せない。文庫みたいな小さいのになったら購入します。

    0
    2013年10月26日

    Posted by ブクログ

    孤独は孤独なりに繋がろうと、不器用に生きる人たち。この本が人気ってことは不器用に生きていて慰めを必要としている人が多いってことだ。この事実が、私をまた慰めてくれる。私はこの辺のバランスをうまくとれる方だと思うし慣れてしまったからさほどこの本を必要としていない。でも、この本を読むべき人はもっと多くいる

    0
    2023年03月19日

    Posted by ブクログ

    孤独で優しく不穏な短編集。何と表現したらよいか迷う短編ばかりですが不器用で純粋な登場人物たちにはどこか共感してしまいます。時折挿入される愛のシーンも寂しい気持ちになります。

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    2023年01月04日

    Posted by ブクログ

    80歳を過ぎた老人に海もプールもない土地で泳ぎを教えた経験を語る女性の話とか、あり得ないようでいていや、あるのかもしれんな…と思わせるようなユーモアと魅力があって、息抜きに読むにはちょうどいい。比較するにはポップ過ぎるけど『ワインズバーグ・オハイオ』を思い出した。

    0
    2022年04月15日

    Posted by ブクログ

    読書会の課題図書。
    ジャームッシュの初期の映画を見ているような。
    エイドリアン・トミネの「サマーブロンド」とか、映画で言うと「ゴーストワールド」を彷彿とさせる。
    一時期の村上春樹さんもちょっとこういう感じだった。
    レーモンド・カーヴァーを初めて村上さんの訳で読んだときと似た感覚。
    だが、それから21

    0
    2021年02月28日

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