ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
7pt
七十歳を過ぎた稀代の思想家が、自らのこととして死と向き合った。欧米の「生命尊重主義」では、とてもじゃないが穏やかに死ねない。ヒントは古からの日本人の死生観にあるにちがいない。自然信仰を探り、日本仏教の「死と生」の関係を見る。西洋とは全く違う「死にかた」を知った時、私たちは少しばかり安心して旅立てる。
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
人生の後半戦に突入した自分の今後を考える参考になれば、と思い手に取る。著者が冒頭で述べている通り、「これ」という結論が容易に出せる問いではないが、末尾で述べている通り、解を模索する試行錯誤の過程を辿ることで、いろいろと考えさせられた。 西洋的な近代合理主義では、二律背反となってしまう「死に方の自己決...続きを読む定」について、古代日本あるいは日本仏教の中に解の手がかりを求めようとすることは、やはり日本人である自分には響いた。 特に心に残った箇所は以下の通り。 ●「人格」とは、人を社会的存在として形成する接着剤であり、結節点である。人は相互に、それぞれの「人」の「格」を測定し、評価し、それによって、様々な共感のレベルを作り出し、多様な層をもった社会を生み出す。(中略)社会的存在としての他者に対する共感があってはじめて他者を「人格」として尊重できるのである。(P.51-52) ●われわれは常に「いずれ死ぬ」と思っている。しかし、よくよく考えてみれば、われわれは常に「いつでも死ぬ」可能性に取り囲まれている。だからこの一瞬の生は、常にその奥底に死をもっているというべきであろう。「生」は「死」によって支えられてある、といってよい。(P.79) ●「死」とは、最後の「生」であり、「生」の頂点であり、その到達点ともいえる。「よい生」にこだわる者が、「よい死に方」へと生の最後の精神の緊張を向けるのは当然のことであった。「生の尊重」というなら「死に方」も尊重されなければならない。(P.196)
佐伯啓思(1949年~)は、東大経済学部卒、東大大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、滋賀大学経済学部教授、京大大学院人間・環境学研究科教授等を経て、京大名誉教授。京大こころの未来研究センター特任教授。専攻は社会経済学、社会思想史。一般向けを含めて多数の著書あり。 本書は、月刊誌『新潮45』に連載...続きを読むされた「反・幸福論」(2018年6~9月)(同誌はその後廃刊)に、書下ろしを加えて出版されたもの。同連載は、2010年12月から、その時々の時流を勘案したテーマを論じ、いずれも後に書籍化されているが、死生観的な論考がまとまっているのは『反・幸福論』(2012年)、『死と生』(2018年)で、本書はその続編になる。(私は『死と生』は読んだ) 本書は、「安楽死」を導入に、日本的死生観、特に仏教に関わる死生観がメインに書かれているが、著者の他の著書同様、古今東西の先人の思想や著書が引用されており、本書をきっかけに思考を広めるのに大変役に立つ。 「死」、「死にかた」について様々な示唆を与えてくれる一冊である。 (2021年6月了)
西欧と日本の「死生観」を対比した論考が興味深い。 仏教にかなり立ち入った後半は少々重たいので、ここでしんどくなったら、最後の章まで飛ばして読んでもよいと思う。 「結論」や「正解」は書かれていないが、著者の巡らす思いには共感できるところが多い。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
死にかた論(新潮選書)
新刊情報をお知らせします。
佐伯啓思
フォロー機能について
「新潮選書」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
死と生(新潮新書)
反・幸福論
試し読み
戦後70年 漂流する日本 国防を忘れた「異形の民主主義」
ISに翻弄される世界 (Wedgeセレクション No.52)
あなたは何を信じて生きるのか 確信の喪失
安倍三選のアキレス腱
安倍政治が遺したもの
近代の虚妄―現代文明論序説
「佐伯啓思」のこれもおすすめ一覧へ
▲死にかた論(新潮選書) ページトップヘ