氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか

氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか

880円 (税込)

4pt

私たちが使う「氏名」の形は昔からの伝統だと思われがちだが、約150年前、明治新政府によって創出されたものだ。その背景には幕府と朝廷との人名をめぐる認識の齟齬があった。江戸時代、人名には身分を表示する役割があったが、王政復古を機に予期せぬ形で大混乱の末に破綻。さらに新政府による場当たり的対応の果てに「氏名」が生まれ、それは国民管理のための道具へと変貌していく。気鋭の歴史研究者が、「氏名」誕生の歴史から、近世・近代移行期の実像を活写する。

...続きを読む

氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    一度読むだけでは全て理解するのは難しいけれど、近世から近代にかけての氏名の成り立ちを知る上ではコンパクトにまとまった書籍だと思う。
    『氏名の誕生』を読む前に、『壱人両名』を読んでおくことをオススメする。

    0
    2023年01月05日

    Posted by ブクログ

    江戸時代の公家・武家・庶民の名前について理解するための好著。ある程度は知っていても細かいところはわかっていなかったのでこの本は大変参考になる。まだざっと読んだだけなので「名乗り」とか「姓名」等々現在の感覚とは違う用語をちゃんと理解した上でもう一度読む必要はありそうだ。
    ただし、古代については著者の理

    0
    2023年11月04日

    Posted by ブクログ

    とても勉強になった。

    本書に書かれた名前の前提を知らないと、明治維新は理解できないのではないか。

    詳細は同じ著者の「壱人両名」に書かれているようだが、同一人物が複数の身分、職業、名前を使い分けることが許容されるとはと、江戸時代の社会の柔軟さに驚いた。

    傍筋となるが、当時の既婚女性の姓は場面によ

    0
    2021年10月12日

    Posted by ブクログ

    久しぶりに「そういうことだったのか!」と目から鱗がポロポロ落ちる快感を得られた。江戸時代の人物の名前について、なんとなく「なぜコロコロと変わるんだろう」「やけに~兵衛や~衛門が多いな」と思ってた疑問がすべて解けた。
    本書は「名前」にまつわるこの難解で複雑な状況を丁寧に説明してくれる。そのため新書にし

    0
    2021年08月21日

    Posted by ブクログ

    江戸時代以降の人名の変遷をまとめたもの。
    名前でも氏名でもなく、人名と書いたのにも理由があって、名前、氏名は本書内で定義づけされた言葉なので、混ざって使うと混乱をきたすから。

    江戸時代と明治以降で人名の取扱いが変わる上、武士・庶民と朝廷でも扱いが違うおかげで、本書はとても読みにくい。節立ても論旨展

    0
    2021年07月03日

    Posted by ブクログ

    敬愛する作家の先生がツイッターで紹介していたので、買ってみた本。買ってから気づいたが、この本の著者は『壱人両名』と同じだった。

    自分の研究の成果を、出来る限り平易な言葉で解きほぐしてくれる、その姿勢にとても好感が持てる。

    名前を巡る考え方の変化そのものも、(少し難解ではあるが、)読み応え抜群。た

    0
    2021年06月13日

    Posted by ブクログ

    非常に興味深く読みました。江戸時代の名前の常識が現在と全く異なることや、明治初年の氏名をめぐるドタバタ劇、苗字公称の認可が国民国家の創設と関連していたことなど、知らなかったことがたくさんありました。
    瑣末な点ですが、大宝律令制定(701年)はさすがに平安時代ではない…

    0
    2021年05月20日

    Posted by ブクログ

    自分の名前を自由に名乗っていた江戸時代から親に与えられた名前を変えることなく過ごす現代への名前の歴史を学ぶことが出来た。他人を呼ぶ時に気軽に呼ぶ名前がこの形になるまでに幾度となくもみくちゃにされてきたのだとしると自分の名前も深い歴史の元に生まれてきたのだなぁと感心した。

    0
    2023年11月09日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <目次>
    プロローグ 人名の常識をめぐって
    第1章   「名前」の一般常識
    第2章   「名前」にあらざる「姓名」
    第3章   古代を夢見る常識
    第4章   揺らぐ常識
    第5章   王政復古のはじまり
    第6章   名を正した結末
    第7章   「氏名」と国民管理
    エピローグ 人名のゆくえ

    <内容>

    0
    2021年04月19日

氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

ちくま新書 の最新刊

無料で読める 学術・語学

学術・語学 ランキング

尾脇秀和 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す