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萩原朔太郎、北原白秋、室生犀星らの作品から生まれた「朔くん」「白さん」「犀」など、詩人本人ではなく作品のイメージをキャラクター化し、近代詩と日本の近代を描き話題を呼んだ「月に吠えらんねえ」をPOPでライトにリブート! しかし隠せぬディープさ! 笑えて学べてちょっとコワい近代文学者青春群像!
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本編よりも自由に、文学について描かれていて読んでいて素直に楽しかったです。 細々と長く続いてほしいです。
#ほのぼの
Posted by ブクログ 2021年02月11日
近代文学と戦争、そして恋を濃厚なストーリーで描いた「月に吠えらんねえ」を著者自らがポップにリブートしたのが本作「月に吠えたンねえ」。 「吠えらんねえ」にあって「吠えたンねえ」にないものをあげると「戦争」「朔くんのこじれる恋愛」「親友・犀の不在と顔の喪失」。 長編ストーリー漫画から1話完結ものの学習ギ...続きを読むャグ漫画への変更と合わせて、「吠えらんねえ」で大きく扱われていたものが「吠えたンねえ」では”失われている”といえなくもない。しかし、それは同時に大きなテーマから自由になって「吠えらんねえ」では拾いきれなかった話題を扱えるということでもある。 文学者の収入や男色経験、病気や死因といった文学者と当時の社会についての話題や、俳句や短歌のそれぞれの文学的派閥の話といった直球文学史の話題まで「月に吠えらんねえ」と共通した「文学作品の擬人化」「詩のヴィジュアル化」の手法で表現している。この手法が学習マンガとしての伝わりやすさを生んでいる。 個人的には、特に口語自由詩の成立までを描いている第10話「口語自由詩といえば?(圧)」の回が、伝わりにくい話題を分かりやすく漫画化してくれているな、と感じた。詩のヴィジュアル化の面でも、この回に登場する口語自由詩の魁『塵塚』が「暗く汚いものを題材とすること自体新しかった」という解説こみで面白かった。 「月に吠えらんねえ」を読んだ人には、あの濃厚な物語の後にやってきた救済ともとれるし、未読の人には純粋にネタがコアな学習ギャグ漫画として楽しんでもらえると思う。 「月に吠えらんねえ」を途中で積んでしまった人や、2巻のチューヤくん回や4巻の高村夫妻のような朔くん以外の登場人物をピックアップした回が好きな人にもおすすめ。 できれば末永く続いてほしい漫画である。
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