芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影

芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影

710円 (税込)

3pt

3.6

ここ数年、惑いに流されている北町貫多。あるミュージシャンに招かれたライブに昂揚し、上気したまま会場を出た彼に、東京タワーの灯が凶暴な輝きを放つ。その場所は、師・藤澤清造の終焉地でもあった――。何の為に私小説を書くのか。静かなる鬼気を孕む、至誠あふれる作品集。「芝公園六角堂跡」とその続篇である「終われなかった夜の彼方で」「深更の巡礼」「十二月に泣く」の四篇を収録し、巻末に、新たに「別格の記――『芝公園六角堂跡』文庫化に際して」(18枚)を付す。

※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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芝公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残影 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    どうしようもないところまで追い詰められた、ギリギリの人に、射し込んだ純文学という一筋の光、蜘蛛の糸。
    そんな切実な救いが胸に沁みる。
    文学好きだけでなく、一度は絶望し堕落した経験がある全ての人に勧めたい。

    いつもの罵倒や暴力、女性差別などは鳴りを顰め、その意味でも幅広い読者に受け入れ得る作品。

    0
    2023年05月12日

    Posted by ブクログ

    本人は「別格の作」と評しているということだが、その意味は、誰に読ませるでもなく自分のために、自分が清造の歿後弟子として恥ずかしくない人間であるために書いたという点で「別格」ということらしい。
    冒頭、稲垣潤一のコンサートのくだりが異常に長く、なんだこれはと思っていたところからグッと暗い調子になり、反省

    0
    2024年02月14日

    Posted by ブクログ

    西村氏の本もかなり久々だし、私小説も同レベルで久しぶり。
    西村氏が藤澤清造氏についての思いをこめた作品で、ご本人の書きたいことを書いたもの。自分の心を守るために小説にしている部分は当然にあり、そのために修正を加えておられる。西村氏という作家に思いが深い読者ならばもっと楽しめたのかな

    0
    2023年05月03日

    Posted by ブクログ

    「芝公園六角堂跡」
    ミュージシャン J・I のライブに招待されて
    舞い上がってしまう北町貫多
    ところがそのライブ会場が
    藤澤清造の死去地に近かったもので
    虚栄に浮かれ、初心を見失った自分自身を
    まじめに見つめなおすきっかけにもなった
    その機会を与えてくれた J・I には心のなかで感謝せざるをえない

    0
    2022年03月01日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     追悼の思いで、最新作を読もうと思ったら文庫化されたのが最近で、単行本としてはずいぶん前に出ていた。新作としては他にあった。しかも、内容は自分の原点を見つめ返してモチベーションを上げて決意を新たに再起を図るというもので、お亡くなりになった直後に読むにはあまりに切なくてズシンとくる。

     ストーリー性

    0
    2022年02月18日

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