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節句のひながた、骰子、絵葉書、ミニチュアの動物……。手ばこにしまわれ、ひきだし家具に収められた愛おしきものたちの記憶。幼年の心に刻まれた密やかな歓びが、途切れることなく連なる言葉のリズムを得て美しく再生されてゆく。横書きの独創的文体(スタイル)で世を驚かせた芥川賞作家が、7年の歳月をかけて織り上げた無比の小説集。
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Posted by ブクログ
とても独特な書き方に最初は戸惑い、なかなか読み進められなかった。 中盤から慣れ、物事を遠回しに綺麗な言葉で説明される魅力にどっぷりハマり、少しずつ丁寧に読み進めた。 何か劇的なことが起こるわけではない話だが、だからこそこの文体がとてもよく感じられたのかなとも思う。 著者の他の本も気になる。
最初、見慣れない文体に面食らった。 既存の一語で表せる事物を、わざとその単語を使わないでなぞなぞみたいにつらつらと説明されることに最初はいらいらしていたけれど、著者のファンである友人から「そう書かれることで我々はその事物を既知のものとして流すのではなく、もう一度初対面として出会い直すことができるのだ...続きを読む」との指摘を受け、なるほど、意味のないなぞなぞではなかったのか、と捉え直してからはその手法も興味深く読めた。 幼年期の、家や家具や遊具や家族などにまつわる断片的な思い出に、さまざまな角度から光を当て、淡く照らしていくような物語だった。 終始登場人物の誰ひとりの名も性別も明かされず、具体的な台詞も書かれないので、全ては影絵のようにぼんやりとしている。読んでいて何度も眠くなってしまった。でもこんなに抽象的かつ癖のある遠回しな文体なのに意味がとれてしまうということにむしろ驚かされる。 和語が多用されていて、言葉がやわらかいので、音読すると実に気持ちが良い。断片ひとつひとつの結びかたが特にすばらしく美しいので、読み惚れるばかりだった。 小説というと、人と人とか、人と社会との関係性をメインテーマに据えたものが多いと思っていたが、こんな、自分対モノ(たとえば、すごろく、ノート、など)という単位の間に生じたごく些細なドラマであっても、語るべきことはこんなにあったのだなと驚かされた。
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