光あれ

光あれ

719円 (税込)

3pt

原発、シャッター通り、描けない未来……この町で男は生きつづける。
3・11のはるか前に描かれたもう一つの“現実”。

相原徹は、生まれ故郷の敦賀――原発に税収と雇用を頼る街から出ることなく子供時代を過ごし、仕事を得、家庭を持った。
未来を描けないこの街での窒息しそうな日々を、水商売の女や妻子の間で揺れ惑いながら生きる徹が、最後に見極めた人生とは。
地方都市で生きることの現実をあぶりだす、著者の新境地。

解説・東えりか

※この電子書籍は2011年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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光あれ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2017年05月08日

    原発の街、敦賀が舞台の物語

    主人公徹は自分がゆっくりと死んでいく事を敦賀の街のせいにしているが、自分のだらしなさとか流されやすさとか、キレやすかったりする過去の自分がした選択のせいで今の自分がある事を一番に認めるべきかと思う。
    敦賀や原発の所為にするのではなく自分が努力する事と、何かを決める事が大...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年08月14日

    敦賀の原発問題を背景にその地で生きる徹の中高時代〜30代までの生き様を描く。閉鎖的な土地で流れに任された知人/友人の死、女性との関係の中でもがき、諦めて行く人生が寂しい。女性遍歴は、旧友事故死後の妻との関係でその妻が自殺、それが原因での離婚はきつい。徹は、最後に何を悟り、何を糧に生きるのかな?

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    Posted by ブクログ 2014年09月03日

    読後、棄民と云う言葉の意味を考えた。

    国から捨てられた人。

    故郷を捨てざる得ない人々。

    帰る場所を失った人。


    故郷に心を踏みにじられた人。

    気が付いたら生贄になっていたと感じる人。


    何もかも失ってもそこで生きていかなければならない人々だって棄民かも。

    何かと引き換えに...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年06月27日

    原発に支えられた町で生まれ育ち、そこから離れられない主人公。原発があることへの不安や不景気の中、寂れゆく地方都市に暮らす人達の鬱屈さがよく書かれていた。どこにでもいそうな男の物語だけれど全く退屈せず一気に読めた。今後の馳星周作品にも期待。

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    Posted by ブクログ 2014年06月10日

    原発以外何も無い田舎街で生まれ育った男の人生。珍しく殺人暴行ヤクザ悪徳警官無しの物語。著者にしては刺激が少ない内容なのにグイグイ引き込まれるのは、自分はおそらく主人公の生き方に感情移入してるからではないだろうか

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    Posted by ブクログ 2024年05月03日


    舞台は福井県敦賀市。

    原電で働く一人の男の物語。
    中年の現在から、少年期、青年期、そして中年へ。

    若かりし頃、何者かになると信じていたわけでもなく、何者かになることが当たり前だと思っていた。しかし、何者にもなれなかったと思ってしまった中年の回想。

    地方都市で生まれ、生きるものの心持ち。

    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月16日

    なんとも退廃した地方都市での暗いストーリーが延々と展開して、読んでて息苦しくなった。
    でも、実際にはこの主人公みたいな人間はどこにでもいると思う。

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    Posted by ブクログ 2019年10月14日

    原発のある敦賀が舞台
    希望もなく、ただ死にゆくだけの町で生まれて生きる男の物語

    なんだけど…
    ま~なんというか…
    自分に甘く、女にだらしない男・徹みたいな人って
    地方都市だけでなくて都会にもわりといると思う。

    実は地元愛なんて全くなくて
    ただそこから離れることが怖くて言い訳にしているような人
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年10月06日

    何も出来ない何者にもなれないことを、閉塞感いっぱいの地方、自分がその中に居るからと言い訳としているような主人公。だったら敦賀の人や原発のある町の人達はみんなそうなのか?たとえ大阪だろうが東京だろうが、どこに行っても流されて根底は変わらない気がする。
    そのくせ女性だけには悲しい想いをさせ泣かせ、どこに...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年11月18日

    原発以外なにもないような町で、鬱蒼とした思いを抱えながら暮らす男の話。哀しく辛い別れを何度も味わいながら、それでも生きてゆく。さざ波のような文章についついのめり込む。

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