何でもない話

遠藤周作

心臓の凍るような恐怖と、絶妙のユーモアを織りまぜた、１０編の小説世界。なにげない平凡な日常生活のかげに、人知れぬ秘密を隠し持って生きねばならない人間という小さな存在……。あるテレビ・ディレクターの人生を描く表題作ほか、「姉の秘密」「爪のない男」「恐怖の窓」「猫」「気の弱い男」「知らぬが仏」などを収録。

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内小説
• 出版社: 講談社
• 掲載誌・レーベル: 講談社文庫
• ページ数: 228ページ
• 電子版発売日: 2020年08月28日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 1MB

[ブクログ · ★★★★★]

家にあった本です。
これを読んでから遠藤周作さんの作品が好きになりました！
この本は比較的薄くて読みやすいです。そして面白い！

[ブクログ · ★★★☆☆]

『沈黙』があまりに素晴らしかったので遠藤さんの他の作品を読んでみたくて中古本を買ってみたけどこっちはあんまり…。テーマが被るような話もあったり。
一番よかったのは、短編『爪のない男』。
話に無駄がなくて、小気味良いホラー。好き。

[ブクログ · ★★★☆☆]

何でもなくない！と、言いたくなるような話ばかり。

短篇集で読みやすいです。

解説で作者のあたたかい心を感じさせると書かれていたが、私にはあたたかさが感じられなかった。どの話もこわかった。

[ブクログ · ★★★☆☆]

何でもない話
「尺八の音」「姉の秘密」はお気に入りの2編だ
「尺八の音」：死刑囚の死刑執行は不意にやってくる　その日を待つのは残酷だと書いてある。法務大臣が判を押せば執行される。だがしかし、死刑執行の日が決まっているとしたらどうだろう。その日を1日、1日待つ
それは残酷を通り越し気が振れてしむかも知れない。死刑執行日は死刑囚自身に決めてもらっては如何なものか？90年後・・でも、200年後でも・・・・。生きる事、死ぬ意味をつくづく考えさせられました。

[ブクログ · ★★★☆☆]

題名のとおり。
何でもない話のオンパレード。
遠藤周作にしては、こんな軽くてくだらない話が珍しいのではないだろうか。
日常的な当たり前をユーモア溢れる流れでかかれている。
本当に何でもない話。
いや、だけど遠藤周作だからこそ何でもない話でも何かあるんじゃないかって思わされる話しもいくつかあった。
果たして、遠藤周作は軽い気持ちで書いたのか、裏の何かを読者に求めているのか。
そんなのを問われるような本だった。

[ブクログ · ★★★☆☆]

>127
　そういう美しいものを見ると彼はかえって自分の枯れ果てた心を哀しく思った。

>189
　あたしその時、どんな人だって背中に荷物をもってこの世を歩いてるんだよ、と答えたのを憶えている。

[ブクログ · ★★★☆☆]

「海と毒薬」とは一転して軽い感じの遠藤周作短編集。ホラーありユーモアありの日常生活をさりげなく彩る十篇。私的に「気の弱い男」と「知らぬが仏」がイチオシ。とくに「気の弱い男」の最後のシーンが感慨深い。彼ってこんな読みやすい作品もあるのねと驚かされる一品。