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男は黙ってよく働いている
だいじにしなければなあと思う
歿後30年。
「男」をめぐる初の随筆選。
羅臼の鮭漁、森林伐採、ごみ収集、救急医療、下水処理、少年院、橋脚工事――
日常の暮らしを支える現場で働く男性たちに注ぐ、やわらかく細やかな眼差し。
現場に分け入り、プロフェッショナルたちと語らい、自身の目で見て体感したことのみを凜とした文章で描き出す、行動する作家・幸田文の随筆の粋。
(収録作品)
男(濡れた男/確認する/切除/火の人/傾斜に伐る/都会の静脈/まずかった/ちりんちりんの車/救急のかけはし/並んで坐る/橋)
ちどりがけ
当世床屋譚
植える
出合いもの
いい男
男のひと
素朴な山の男
男のせんたく
男へ
Posted by ブクログ 2020年07月12日
昭和34年のほぼ1年間、婦人公論に連載されたルポルタージュを中心に、“男"に関する文章をまとめて文庫化したもの。
まだまだ日本が貧しかった時代で、人力でやらなければならないことが多かったとき、下水処理やごみ収集、あるいは北の海での漁業、森林伐採、橋脚工事のような、華々しく表に現れること...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月02日
北の国はあらゆることに強さを要求している。覚悟のないものには辛い土地。知床半島、羅臼町。胸もズボンもずぶ濡れ、海の男。すなどりびと。獲る業は荒くとも獲る心は優しい。鮭は4年で産卵に戻る。遡上する鮭の夫妻。その努力と産卵後の結末があまりにいじらしくて正視できないほど。すっかりみじめになり、最後の努力...続きを読む
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