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かつてヨーロッパを死の恐怖にさらしたペストやコレラの大流行など、歴史の裏に潜んでいた「疫病」に焦点をあて、独自の史観で現代までの歴史を見直す名著。紀元一二〇〇年以降の疫病と世界史。「中国における疫病」を付す。
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Posted by ブクログ
下巻は時代の下降とともに人口変化などのデータが増えてきて、より説得力が増す。と同時に、歴史上の出来事における疫病の与えた影響の大きさが感じられる。1500年代の新大陸に起きた出来事は圧巻の筆致。あっけなく侵略されてしまったのは、そういうことも要因だったのかと。 今の時代に生きるありがたみを強く覚えた...続きを読む。
何かしらの偶然でこの本を知り、読めた。本の価値とは決してボリュームではないことを確信できる。 今までは「銃鉄病原菌」が最高と思ってきたが、マクニールの素晴らしさで目から鱗。 中高で学んだ「歴史を塗り替える」とは戦争で打ち勝つこと、民族は前に進んで行ったという論理。 だが、この本を読むと 救いのない...続きを読む大量の死は神の存在すらも排除。過去の事実のみならず、未来を予知しようとするとき、感染症の役割を除外しできない。如何なる社会的手法のレベルに関係なく、感染ウィルスの侵入に対し 人類は全く 脆弱な存在であるという事実は眼前たる事実。地球上に、たんぱく質物体が登場した後 人類に先駆けて活動を始めたウィルス。感染症は人類と共存し続けることは当然の理。かつてホーキングが「絶対に人類は未知との遭遇をしてはならない」と述べたことはむべなるかな。 マラリア、ペスト、天然痘、結核、コレラ、梅毒。古来より疫病は、社会共同体の発生とともに常にあり、紀元前よりいくつものターニングポイントを記して来た。遊牧帝国の繁栄とペスト、中南米、新大陸を破滅させてきた侵略者の感染症。近代史の頁はハンセン症と共に開幕。 コロナと酷似するスペイン風邪の記述が興味深い。 モヘンジョダロ遺跡の分析から始まるインド。筆者のカースト制度の分析がことのほか面白く~ 「異なった免疫をもつ民族を支配下に入れた際に相互に安全な距離を保つために、接触をタブーとしたことに起因する」には唸らされた。 今後も 人類が「寄生する形の生物の侵入に対し 極めて脆弱な存在である」点は変わらないと確信できた。
人間もペストやコレラに負けじと……隔離政策や予防接種、研究などに力を入れてきたその始まりが鮮明に描かれている。 原住民さんが可哀相。
感染症が土着化すると、人口減少への圧力が減少、人口増へ 民間の習俗は、疫病を防止することも助長することもあった。モンゴルの、モルモットは先祖かもしれないから狩らないようにする慣習はペスト菌との接触を遠ざけた(が、その慣習がなかった漢民族がかかった) タミル人の、水は毎日組み、室内で長期間そのままにし...続きを読むないという慣習は、居住区域からボウフラの生息域を遠ざけ、マラリアやデング熱対策となった 一方、イエメンの回教寺院の沐浴場では、病原体をもった生物が共有され、清めるどころか感染を拡大させた マラリアに罹った動きが鈍くなるとさらに蚊に刺されやすくなり、動きを鈍くするマラリア原虫が生存に有利になる。蚊帳を使うことでそのような淘汰圧が消え、症状が軽くなる。 医者の仕事は心理上の問題だった。高い金を自信満々の専門家に払った、何かやった、ベストを尽くした、と思えることが救い。どうしたら良いのかという判断責任からも逃れられる。 人痘種痘は、アジアの民間療法として11世紀くらいから行われていた。 戦争では長らく戦闘死よりも病死が多かったが、日露戦争での日本の病死は戦闘死の4分の1だった。考えうる疫病の予防接種を全員にしていたから。以後列強はこれに倣った。 マラリアの原因となるマラリア原虫は、ヒトとカを行ったりする中で生存する。そのため、そのサイクルを絶てば絶滅する。 蚊を減らす:殺虫剤、天敵導入、不妊種導入 蚊と人との接触を減らす:虫除けスプレー、蚊帳、水たまりの除去(住環境・習慣の変化)、牛などの別の吸血先の確保【!!!】 ミクロ寄生(微生物の感染)/マクロ寄生(支配者による収奪)のバランス
上巻より読み応えあり。 インカやアステカが滅亡してしまったのはヨーロッパ人の軍事力が高かったからと思っていたけど、ほとんどが未経験の疫病によるところと知って、そのスケールの大きさになんとも言えない気持ちになる。 現在も北センチネル島をはじめ未開の部族といわれる人々との交流が制限されていることに納得が...続きを読むいった。ちょっと会っただけで一族全滅の可能性があるなんて恐ろしいし、なんとなくいろんな病気になったり予防接種をしてきたお陰で健康でいられることにしみじみとありがたみを感じる。 あまり語られてこなかったけど、疫病は歴史を大きく変えるのだなと実感。コロナもその流れの一部なんだなぁ。
第四章は、中世ヨーロッパで黒死病と恐れられたペストがユーラシアの草原に棲む齧歯類から広がっていくことを示す。第五章は、大航海時代にアメリカの新大陸に渡ったヨーロッパ人が、免疫系の整っていなかった現地のインディオに与えた影響を論じている。ジャレド・ダイアモンドが「銃・病原菌・鉄」で著述しているように、...続きを読む旧世界と新世界の遭遇で疫病の果たす役割の大きさが非常に良く分かった。 第六章は近代的な医療技術の発展で人類が次第に疫病を制御できるようになった経緯にふれる。ただ、人類が「寄生する形の生物の侵入に対して人類が極めて脆弱な存在である」点は変わらない。
ダイヤモンドの銃病原菌鉄を大分前に読んで感動したが、疫病を中心に書いている本書のスペイン人が中南米に勝った一連の疫学的作用はこっちの方が俄然分かりやすいし、説得力がある。想像力が豊かだし、本当にそうだったんだろうなと言う凄まじい説得力がある。その上、結びに書いてあるこれからのインフルエンザを中心とし...続きを読むた未知の疫病による未来の災厄は本当に恐ろしいし、逃れざる現実なんだなと新型コロナを前に恐怖と共に説得力を持つ。地球温暖化も含めて色々な事が今後も起きていくのだろうし、そう言う時の備えに対し、国や世界全体として備えが必要だと強く思った。
疫病・感染症との関わりという視点でみたマクニール先生の世界史講義。下巻は、モンゴル帝国の勃興から、近現代(1950年代)ころまでを扱っている。 上巻よりも時代が下ってきているせいか、具体的なエピソードが多くなり、マクニール先生の筆も迫力を増している。世界史の大きな転換点には、いつも疫病との闘いがあ...続きを読むったということが、この本を読むとよくわかる。インカ帝国・アステカ帝国の征服、アメリカ大陸に渡ったピルグリム・ファーザーズたちが「新世界」で領土を広げていくときにも、その背景には疫病が介在していた。 特に、これは歴史の皮肉であり、同時に大変興味深いと感じるのは、そうした疫病に対する耐性(免疫の有無)が時として、在来の宗教も抱き込んで統治の方法(征服の方法)に、狡猾に利用されたということである。もしも、白人征服者たちが、アメリカ大陸に辿り着いた時、逆にアメリカ大陸在来の疫病にやられていたとしたら、現在の人種問題はどうなっていただろうかと考えてしまう。「歴史にifは無い」と言われ、もしも、、などと考えるのは野暮であることは承知ではあるが、根深い人種差別の歴史を考えるとき、そして社会を分断するほどの暴動を目の当たりにするとき、ふとそんなことを夢想したくなる。 ところで、この本は、山川の「世界史」を学んでいるだけではわからなかった歴史の裏側を見せてくれるのも大変に面白い。たとえば、西ヨーロッパの知識人たちの共通語であったラテン語が衰退し古語となってしまった原因は、この古代語を自由に操れるまでに習得した聖職者や教師たちがペストに罹って大勢死亡したことで加速したとか、「イギリス発汗熱」という疫病が蔓延する中で、ルターとツヴィングリが「これ以上ここで話していると俺たち感染してしまう!」と言って、突然逃げ出したために、ルター派とカルヴァン派が分裂したままになってしまったとか、コレラ菌の入ったビーカーの溶液を飲み干した医者の話とか、このほかにも目から鱗な話が散りばめられていて興味が尽きない。 だが、この本に惹かれるのはこのような面白さだけではない。マクニール教授の社会に対する温かい眼差しと、来たるべき社会に対する卓抜した眼差しに息を呑むためである。 マクニール教授はいう。「これは甚だ不愉快な可能性として考えられることは、敵国の民衆を行動不能に陥らせることを目指して生物学の研究が進められた挙げ句、高致死性の感染症の病原菌を敵地にばらまくようなことが行われ、それが世界の一部、いや恐らくは全土にわたる疫学的惨禍を引き起こすかもしれないということである。」と。昨今のコロナウィルスの発端がいかなるものかは明らかではないが、仮に俗に言われるように、武漢の生物学研究所から漏れた(あるいは撒かれた)ものであるとするならば、マクニールは未来における感染症の世界的蔓延を「予言」していたことになる。 続けて彼は「現在のところ、また近い未来にあっても、人類は地球という惑星がいまだかつて経験したことのない巨大な生態的大変動のさなかにある。だから、遠くない過去におけると同様、ごく近い未来に予想されるものは、決して安定などではなく、ミクロ寄生とマクロ寄生の間の現存するバランスに生じる、一連の激しい変化と突発的な動揺にほかならない。(中略)未来には何があるのかを考えようとするときには常に、感染症の果たす役割を無視することは決してできない。創意と知識と組織がいかに進歩しようとも、寄生する形の生物の侵入に対して人類がきわめて脆弱な存在であるという事実は、覆い隠せるものではない。」といい、未来への警鐘を鳴らしている。 上巻のレビューの冒頭に述べたとおり、本書は何気なく手にした本であったが、期せずして、私たちの歩んできた歴史と未来に対する深い視座を与えられ、これからも時を経て読み返したい一冊となった。
「ペスト」を読んだので、感染症の認知度とか、予防・免疫について、どこまで分かってた時代なのか知りたくて読みました。難しかったですが、面白かったです。戦争と感染症が、お互いに人口の割合を自然操作しているものってところが凄いなと思いました。人の意思とは、世界の意思から逸脱できないなんだなと。神様信じてな...続きを読むいけど、世界の意思は感じました。
感染症の観点からみた世界史 関連リンクの「感染症の歴史」について先駆的に叙述したもの 同著者による『世界史』と同じく ひとつの確固たる視点から人類の歴史を概観している優れた歴史書だが 未開の分野で先立つものの少なさからか 説明がばらけすぎていて読みにくいところがあり中途半端 疫病の場合は人間の歴史と...続きを読む異なり 対象がとても理性的で個々人のわずかなうごき差が混沌しないため 歴史数寄にとって興味を削ぐのかもしれない
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