夜の谷を行く

夜の谷を行く

730円 (税込)

3pt

女たちが夢見た「革命」とは?
連合赤軍事件をめぐるもう一つの真実に光をあてた傑作長篇。

山岳ベースで行われた連合赤軍の「総括」と称する凄惨なリンチにより、十二人の仲間が次々に死んだ。
アジトから逃げ出し、警察に逮捕されたメンバーの西田啓子は五年間の服役を終え、人目を忍んで慎ましく暮らしていた。
しかし、ある日突然、元同志の熊谷から連絡が入り、決別したはずの過去に直面させられる。

解説・大谷恭子


※この電子書籍は2017年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

...続きを読む

夜の谷を行く のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    面白く読み応えがあった。最初のチラッと読んだらやめられなくなり一気に読んでしまったほど。
    連合赤軍、ニュースでしか知らなかったし、リンチや特定の中心人物しか知らなかった。だから末端の西田敬子に焦点をあて描いているのは大変興味深かった。
    主人公の西田啓子には1ミリも共感出来ない。共感出来るのは同志だけ

    0
    2023年02月03日

    Posted by ブクログ

    思い出した。桐野夏生は読み出すと止まらない。

    連合赤軍事件、興味はあるけど敢えて映画や小説に触れようとはしなかった。メンタルがやられそうだから。
    これはそれほど凄惨なシーンがないので読めた。
    が、興味が深まり事件についてもっと知りたくなってしまった。

    0
    2022年12月11日

    Posted by ブクログ

    1971年頃は、大学のバリケードの撤去が始まり、学生たちの全共闘運動も一段落といった風潮だった。
    その後、際立った活動をした一つが連合赤軍だった。
    山岳ベースで武闘闘争のために訓練を行っていたグループの集団リンチ事件が明るみとなり、凄惨な状況は社会を騒がした。
    その後、官憲から逃走したグループは、あ

    0
    2022年07月08日

    Posted by ブクログ

    連合赤軍事件。その志向したものと結果の、凄惨なまでの乖離。その乖離ゆえに、大衆のゴシップ的好奇心に”消費”され、その志向したものは捨象され、単純化される。その内部にあった葛藤も、多くの元”兵士”たちのその後の人生も、何もかもが。言語化できない何かがそこにある。その、”言語化できないもの” を物語にす

    0
    2021年07月23日

    Posted by ブクログ


    読書会のため改めて文庫本を読み直してみたら…
    初読時には創作だと思っていたシチュエーションが丹念な取材、実際の証言に基づいていた事を知り驚愕。満点でも星が足りない‼︎傑作。#八蔵の会

    0
    2021年07月06日

    Posted by ブクログ

    連合赤軍の浅間山荘事件の「総括」により仲間が次々に死んだ。
    山岳ベースから逃げ、途中のバス停で警察に逮捕されたメンバーの西田啓子は五年間の刑期を終え、ひっそりと世間に紛れ生活していた。
    ある日突然、元同志の熊谷から連絡が入り、そこからかつて一緒に逃げた人間、政治結婚していた元夫、さらにフリーライター

    0
    2020年06月26日

    Posted by ブクログ

    筆者得意の実在の事件の人物を掘り下げた物語。
    人物描写がとても上手い。

    自分が生まれる前の事件で名前ぐらいしか知らなかった「浅間山荘事件」と「山岳ベース事件」を思わずWebで調べてしまいました。

    0
    2024年02月28日

    Posted by ブクログ

    連合赤軍事件・・・山岳ベースや裁判ではない、一人の赤軍は女性を「設定」し、細かい細部まで再現ドラマのようにフィクションとして紡ぎ出している。
    ラストの衝撃は見事・・サスペンスとしてよくできている。

    この5年余り、殆ど国内小説を読まなくなった。余りに私小説過ぎたり、メルヘン臭が強かったりすることもあ

    0
    2022年06月18日

    Posted by ブクログ

    テーマは暗くて陰湿だが、小説ベースで書かれているのでサクサク読めてしまう。怖いもの見たさ知りたさで、子供の頃テレビで観た浅間山荘事件の映像と重なりあい好奇心が止まらない。ああいった学生運動した人って今でも極身近にいるんだろうなぁと考えると何とも複雑な気分。

    0
    2022年06月12日

    Posted by ブクログ

    本書のストーリーのベースとなっている事件は、ウィキでは「山岳ベース事件」として扱われている。それを引用する。
    【引用】
    山岳ベース事件とは、1971年から1972年にかけて連合赤軍が群馬の山中に設置したアジト(山岳ベース)で起こした同志に対するリンチ殺人事件。当時の社会に強い衝撃を与え、同じく連合赤

    0
    2022年01月10日

夜の谷を行く の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

桐野夏生 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す