リア家の人々(新潮文庫)

リア家の人々(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

帝大出の文部官僚である砺波文三は、妻との間に3人の娘をもうけた。敗戦後、文三は公職追放の憂き目に逢うが、復職の歓びもつかの間、妻はがんで逝く。やがて姉たちは次々に嫁ぎ、無口な老父と二人暮らしとなった年の離れた末娘の静は、高度成長の喧噪をよそに自分の幸せを探し始めていた。平凡な家族の歳月を、「リア王」の孤独と日本の近代史に重ね、「昭和」の姿を映す傑作長編。

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リア家の人々(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    文部省の官僚だった砺波文三は、終戦後に公職追放の憂き目に遭います。妻のくが子と環、織江、静の三人の娘を抱えて職をうしなった彼は酒に溺れた日々をすごします。やがて新たな職を得て、一家にふたたび平穏が訪れたかと思ったものの、くが子が病に倒れ、この世を去ります。病床にある妻を気遣いながらも、同僚の未亡人で

    0
    2021年11月17日

    Posted by ブクログ

     橋本治は19世紀も、20世紀も、江戸も、あれこれみんな総括して見せて、たぶん、最近の新書では「平成」も総括していたと思うが、おしまいには借金も総括して逝ってしまった。さびしい。
     1969年で終わるこの小説は、「昭和」というよりも、「戦後」を総括して見せているとぼくは思った。
     しつこく低いアング

    0
    2019年03月11日

    Posted by ブクログ

     スピーディな語りと、めまぐるしく変わる語り手。ある男を中心とした家族の戦中戦後昭和史を怒涛の勢いで読まされた気持ちです。すごい!
     そういえば私この人の源氏物語すごく好きだった。

     章のはじめに「リア王」からの引用があるのですが、シェイクスピアの方を知っていればもっと思うことがあったかなあ?とは

    0
    2013年02月22日

    Posted by ブクログ

    橋本治は実ははじめて読んだのだけれど、すっごく読みやすくて、おもしろかった。
    敗戦後から60年代まで、三人の娘と父親、ごく一般的な家族が、昭和の歴史とともに描かれていて、読みごたえがあった。「公職追放」とかはじめて知った。そういう知らなかった歴史や、あと、大学紛争とかなんとなく知ってる歴史についても

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    2013年01月19日

    Posted by ブクログ

    戦後の昭和史を通して家族一人一人のモノの感じ方、思惑を丁寧に描いた作品。
    昭和は激動の時代だったと思うけど、
    その空気をどう感じるかは人それぞれで、
    個々人が色々な事を考えながら生活している家族の在り方は今も昔も同じだと思った。

    0
    2013年01月17日

    Posted by ブクログ

    どこの家庭もそうとは言えないと思うけど
    女を子供に持つ父親の葛藤を
    見事に表していると思う
    少なくとも私の父親も同じように考えたであろな、
    というところが多々あった

    0
    2020年11月06日

    Posted by ブクログ

    題名を見て想像されるようにシェークスピアの「リア王」になぞらえて書かれた小説です。舞台は戦後の日本、主人公は妻を40代で亡くした帝大出の文部省の官僚の砺波文三という設定です。
    彼には3人の娘がいますが、リア王に登場する娘たちと同じような配役になっており、末娘の静との二人の生活が中心となりお話は進みま

    0
    2013年06月02日

    Posted by ブクログ

    平凡な高級官僚であった砺波文三は、戦後の公職追放を経て無為無感動となりはてたが、生きていくための安らぎを家族にだけ求めようとしても、それは初老の男の独りよがりである。娘と言えども一人ひとりの人間として文三の思惑に従うわけもない。昭和の時の流れ、社会の変化にあわせて戦前のノスタルジーは消えゆくのみ。だ

    0
    2018年10月14日

    Posted by ブクログ

    途中までは文三の駄目っぷりを何故か我が身に引き付けて読んだが、甥っ子が出てきてなにかやらかすかと思ったら説明要員みたいな扱いでやや拍子抜け。あと文三ってネーミングの適当さがすごい。

    0
    2013年01月24日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・半年もたたぬ間に、総理大臣はもう二度代わっている。新しくなろうとしても、国の中枢はそうそう変われない。「これなら大丈夫だろう」と思われる人物を連れて来ても、国の中枢にふさわしいと思われる人物なら、なんらかの形で汚れている。「新しくなる」ということは、そう簡単なことではないのだ。

    ・人にはそれぞれ

    0
    2020年05月15日

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