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平等な社会に思いを馳せ、共産主義に傾倒していた20世紀前半の知識人たち。ジッドもまた壮大な実験場となったソ連を嬉々として訪れたものの、旅行客向けに案内される綺麗な施設の裏には……作家は透徹した目で、服従と順応を強いる体制、人々の貧しさ、官僚の欺瞞を看破していく。
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Posted by ブクログ
内容についての良さは置いといて、訳者による前書きやあとがき、解説の丁寧さと熱意のすごさたるや…ジッドに込められた想い、前訳者に対する尊敬の念などを読んで、文庫と厚さにしては1200円ほどと高さを感じたが、これはそれ以上の価値がある。ソ連をより知るための教科書でもあるがそれ以上に現代人には必読書と感じ...続きを読むる。読んで本当によかった。
・これは面白い。歯に衣着せぬ鋭い意見。 ・ソ連の欺瞞をジッドは見抜いていた。 ・何度か読み直してみたい。
ソ連崩壊前、共産主義にはそれなりに興味があった。その後歴史が証明したとおり、社会主義、共産主義は、たぶん人類の脳というOSに合わなかったんだろう。 「あっ、合ってないなあ」、と気が付き出した時の人類がどういう非喜劇を演じたか、壮大な社会実験を行ったソ連の内情を垣間見ることが出来て、非常に面白かった。...続きを読む ドグマがなんであれ、批判を許容出来ない社会には活力も進歩も生まれないのね。
いい本でした。単なるソ連の批判ではなく哲学としても非常に奥深い本となっています。作者の批判が非常に理論づけされていて良かった。
ソ連については教科書以上の予備知識はあまりなかったので、当時フランスでソ連の信奉者が知識人の中にも多くいたのには驚いた。あとがきにもあるように、「歴史が証明した」後に私は生まれたから。 旅行記と聞いて想像した内容とは違って、ほぼソ連への批判文だった。最初こそはソ連への希望的観測を捨てきれていないよう...続きを読むだったけれど。 全体として真実を見つめ誠実であろうとするジッドの姿勢にはとても好感が持てた。ジッドがソ連を訪れたのは66歳だったという。作家としても成熟した年齢になっても、自分の想像と現実が違ったときには過ちを認められる柔軟さや誠実さを持ち続けていることに尊敬。 現代でも全体主義的な脅威はいまだ存在しており、その脅威はこれからより一層大きくなるように思われる。ソ連時代の本では歩けれど、現代にも通ずるメッセージを持っていると感じた。
面白かった。赤かった時代のソ連に旅行した時の作者の感想。こういう他国の政治には、くるんでくるんで、匂わせ程度にしとけばいいのに、多分それでも批判されるのに。別に攻撃、批判をしてるんでなくて、ちゃんといい所も挙げている。多分フランス人が一番、人間の尊厳、生きることの理由意味などに真摯に向かい合っている...続きを読む人種で、最後の一人になろうとも、違う物にはノーというべき姿勢を貫ける人種かと思っているが、当時のソ連には、個人を表現するすべが見当たらず、作者は絶望を感じてしまったようだ。この作者読んだことなかったけど良かった
1936年3~6月にジッドがソヴィエトを旅行し、 考えたこと、感じたことが書かれた本。 ジッドはソヴィエトに希望を見出していたが、 実際に訪れてみると、理想とかけ離れた現実が そこにはあった。 当時のフランス左派知識人からソ連は強く支持されて いたため、本書が出版されると、左翼から猛烈な批判を ...続きを読む浴びることになる。当時のヨーロッパでは、私たちが 考えるよりも、共産党に共鳴する人が多かったそう。 この時代の空気を感じることができた一冊でした。
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ジッド
國分俊宏
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