時間と自己

時間と自己

726円 (税込)

3pt

時間という現象と、私が私自身であるということは、 厳密に一致する。自己や時間を「もの」ではなく「こと」として捉えることによって、西洋的独我論を一気に超えた著者は、時間と個我の同時的誕生をあざやかに跡づけ、さらに、ふつうは健全な均衡のもとに蔽われている時間の根源的諸様態を、狂気の中に見てとる。前夜祭的時間、あとの祭的時間、そして永遠の今に生きる祝祭的時間――「生の源泉としての大いなる死」がここに現前する。

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時間と自己 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年01月23日

    使われている精神医学の用語や内容は、本書が書かれた1982年当時のものであることを前提として読む必要がある。それでもなお、思弁的のみならず、臨床的にも示唆に富む本だと感じた。臨床場面で患者さんと接しているときに、自分自身の時間感覚も同調しているように感じることは多く、一日の臨床のなかで、時間の流れは...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年01月09日

    分裂症やうつ病などの症状を、時間と自身の在り方から捉えてみることができるという考え方をこの本で初めて知った。

    本書の中で、"もの"と"こと"は区別され、本質的な"こと"について考えようと思うことで、"もの"となってしま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年02月12日

    時間を見るときは、時間そのものではなく、いつまでに何分たったまでの、時間のあり方を見ている。
    すべてのものは何らかのこと的なあり方をしている。
    存在者の存在と、あるということそれ自体には根本的な違いがある。
    自己の自己性とは、自己自身による自己認知なのである。
    主語的自己と、述語的な私。

    鬱→メラ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年11月13日

    最高の出来。まさに天才的。時間論をここまで縦断的に、かつ切れ味よく語れたものとは思わなかった。あまり知られていない名著の一つ。

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    Posted by ブクログ 2012年09月24日

    自己とは時間であり、時間とは自己である。私がいまいるということ。
    未来への希求と恐れによる統合失調症、既成過去の役割期待に縛られた鬱病、そして癲癇と躁病の祝祭的な現在。
    こんなふうに乱暴にまとめてしまうことからさて勉強の始まりである。

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    Posted by ブクログ 2012年04月02日

    「もの」としての時間と、「こと」としての時間。

    われわれは「もの」として意識することでしか、すなわち「もの」化することでしか、「こと」を意識できないのであって、それは時間についても同じである。
    カレンダーや時計などの計量される時間が、まさにその代表。

    しかし、「もの」としてしか意識できないとして...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年02月22日

    鬱病者と分裂病者の時間感覚について論じたもの。とてもわかりやすく読みやすい。「鬱病者にとって、自己を規定しているのは役割演技」であるという旨の記述はとても納得できる。

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    Posted by ブクログ 2010年02月15日

    こんなにワクワクする本、今まで読んだ事がありませんでした。
    この「時間と自己」から読書にハマりました。
    また近いうちに読みます。

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    Posted by ブクログ 2012年02月16日

     時間という現象と、私が私自身であるということは、厳密に一致する。自己や時間を「もの」ではなく「こと」として捉え、西洋的独我論を一気に超えた著者は、時間と個我の同時的誕生を跡付け、更に精神病理学的思索を通じて、普通は健全な均衡のもとに蔽われている時間の根源的諸様態を、狂気の中に見て取る。前夜祭的時間...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年05月03日

    「永遠のドストエフスキー」(中公新書)を読んで、精神疾患に時間感覚が関係することが分かった。積読本を整理中にパラ見をしたら、関連部分があるので読むことにした。
    「今」との関係が、精神疾患の現れ方を決める。時間と精神疾患について「こと」と「もの」を着眼点に展開される。
    「私」ということは、私にとって取...続きを読む

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