ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
2pt
大正時代に極貧の生活を赤裸々に描いた長篇小説『根津權現裏』が賞賛されながら、無頼ゆえに非業の死を遂げた藤澤清造。その生き方に相通じるものを感じ、歿後弟子を名乗って全集刊行を心に誓いつつ、一緒に暮らす女に暴力を振るう男の、捨て身とひらき直りの日々。平成の世に突如現れた純粋無垢の私小説。
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
よくわかるなー。 作家研究とコレクション精神というのは紙一重で、集められるものは集めなければ気が済まないし、生活の優先順位を狂わせる。 それが自分の人生の矜持になれば、なおさらのこと。 それが安易なヒロイズムであることも薄々感づいている。 師をもつとは、しかしこういうことか。 さらにい...続きを読むえば、編集活動→女といさかい→女と仲直り、というパターンがある。 このパターンは想像するだに、他の作品でも同じなのでは……? そしてまた、女と暮らすことの難しさ。 過去と未来の思い出と展望はいかにもきらきらと素晴らしいのに、現実に長く寄り添う女と対峙すると、どうしてあんなにむかむかとマグマみたいなものが込み上げてくるのかね。数時間前の愛おしさがそのままじとっと湿った感情に変質する。まったく不思議。 いろいろな場面で駆け引きや損得勘定をしてしまうところとか(かなり客観的に描写されている)。 いったん怒りを収めたあとの、「便座上げとけって言ってんだろがっ!」とか。 どんなときも「ぼく」って言ってしまうところとか。 「がんばって」買った蟹の剥き身や鯖寿司にケチをつけられて激昂・激怒してしまうところとか。 喧嘩している最中にかつての「グルーミング」を思い出して後悔してしまうところとか。 「おまえ」といえず、「そっち」という変な呼び方をしてしまうところとか。 この主人公は相違なくダメ男だが、一歩踏み外せば同種の人間。だからこんなに惹かれるのか。 またカタカナの使い方が面白い。これは文体全体にもかかわることだが。
藤澤晴造氏への愛よりも恋人との同棲生活のぐちゃぐちゃくず具合が面白い。本当に外道すぎるが、人間が出てる。
再読。芥川賞を受賞した『苦役列車』よりこの『どうで死ぬ身の一踊り』のほうが文学性は高いように思う。美しく端正な日本語を操り純文学の香りを持ちながらも、内容はお下劣極まりない。東大卒のサラブレット作家には醸し出せない、余所行きの一張羅を誰よりも綺麗に着こなす下民といったところか。(すべて誉め言葉) ...続きを読む主人公寛多は、所謂無敵の人で、無職のくせに借金を重ね大酒飲みで恋人に暴力を振るう最低な人物だ。不快な設定なのに面白おかしく読めるのは寛多が徹底して屑で、そのくせ文章に品があり且つ藤澤清造への熱意は物凄く純粋だからであろう。 好き嫌いが相当別れる作家だが中毒性ある作家だ。
一度読んでみたかった西賢作品。ってかこれ、私小説だったんですね。ここで対象となっている作家のことは、愚昧な自分は存じ上げなかったけど、彼に書ける情熱の高さはひしひし伝わってきた。私生活の何を置いても、ってくらいのめり込める対象、存在自体が素敵ですね。私生活そのものは、ちょっと褒められたものじゃないけ...続きを読むど、文章そのものには惹かれるものがありました。機会があれば他作品も是非。
一連の作品は、みな同じ話なんだが、何故かひきこまれ、読んでしまわないといけないような作品だ。「嫌になるんだけれど、読まずにいられない・・的な」
相変わらずのDVや内弁慶っぷりや粘着質な性格には閉口だけど、こと藤澤清造に関することの行動力や執念たるや見習ううべきところ多し。反面教師にしても良し、過去の失敗や後悔から、どうせなら開き直って!と勇気を得てもよし。
中卒・酒飲み・貧乏でDVばかりの文学愛好家、西村賢太の私小説。 もうこの人の小説の凄さは『暗渠の宿』を読んですっかりあてられてしまって、もう少しこの人の人生を覗きたくなって手にとった。 彼の藤澤淸造への信仰が伺える「墓前生活」とこれでもかと西村賢太節が味わえる「どうで死ぬ身の一踊り」。 『暗渠の宿...続きを読む』でも書いたが、こんな人物を紙面を通じて知り、彼の立場に立つというのは、本当に面白い体験だと思う。 虚栄心、偏執狂、即物主義、傲慢・・・男の持つ欠点をとことんデフォルメしたような著者の私小説を読むことは、不思議とスカっとするし、でもやっぱり身につまされる。
酒、女への執着と暴力そして藤澤という作家への思い。大体感情を爆発させて失敗するオチ。 結末が読めても頁をめくってしまう暗黒の魅力がある。
初めての作家さん。 ずいぶん話題になった方ですね。 賛否両論あるとは思いますが、私は好きですね。 私小説と言う事で、他の作品もこんな感じなのかな? 気になるところです。 実際に関わるには嫌なんだけど、遠目で見てる分には嫌いじゃない。
タイトルは「何んのそのどうで死ぬ身の一踊り」との一句から。 私小説らしいが、DVあり、オナニーあり、買春ありで、情けない男を描いた秀作。本当に下らないことで女と喧嘩になるシーンなど職人芸を見ているようだ。藤澤清造は読んだこともないし、どうでも良いが、それ抜きに十分楽しめた。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
どうで死ぬ身の一踊り
新刊情報をお知らせします。
西村賢太
フォロー機能について
「講談社文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
苦役列車(新潮文庫)
一私小説書きの日乗
一私小説書きの日乗 新起の章
試し読み
一私小説書きの日乗 不屈の章
一私小説書きの日乗 野性の章
一私小説書きの日乗 遥道の章 (角川ebook)
雨滴は続く
狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集
「西村賢太」のこれもおすすめ一覧へ
▲どうで死ぬ身の一踊り ページトップヘ