九年前の祈り

九年前の祈り

726円 (税込)

3pt

三十五になるさなえは、幼い息子の希敏をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。希敏の父、カナダ人のフレデリックは希敏が一歳になる頃、美しい顔立ちだけを息子に残し、母子の前から姿を消してしまったのだ。何かのスイッチが入ると大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえが懐かしく思い出したのは、九年前の「みっちゃん姉」の言葉だった──。痛みと優しさに満ちた〈母と子〉の物語。 表題作他四作を収録。芥川賞受賞作。

...続きを読む

九年前の祈り のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    文体は美しく、情景が湧き上がる。
    短編4つの話の重なり方がとても良い。
    読後に子供の頃の記憶を辿ったような感覚になる。

    0
    2021年08月13日

    Posted by ブクログ

    九州の片田舎、離島、カナダ、結婚、離婚というさまざまなキーワードが絡み合いながら、今と9年前の記憶が交錯する。何度読んでもその都度楽しめる。でもちょっと複雑で、読めば読むほど面白くなる作品だと感じた。再読することになりそうだ。

    0
    2019年08月17日

    Posted by ブクログ

    NHK日曜美術館で朴訥としゃべる小野正嗣さんの芥川賞受賞作「9年前の祈り」とその続編。妻が面白かったと読み終えた後に手に取った小説。大分県の南部、過疎の集落に息づく人々と異人まれびととの交流を描く。そこに小野さんの兄おそらく軽度の知的障害がある方を「タイコー」として織り込んでいく。人が住まなくなって

    0
    2021年11月25日

    Posted by ブクログ

    読書開始日:2021年8月29日
    読書終了日:2021年9月1日
    所感
    内容や構成は、視点が頻繁に変わるためかなり難解ではあったが、
    怒哀表現が完璧だと感じた。
    自分が感じたことのある心情が、包み隠さず詳細に描かれていた。
    本書は題別で話が進行していくと思っていたが、全てがつながっていくという自分好

    0
    2021年09月01日

    Posted by ブクログ

    小野正嗣さんは、『水に埋もれる墓』『にぎやかな湾に背負われた船』と読んで、興味のある作家となった。どの作品も郷里である大分県のリアス式海岸にある小さな集落に根ざした物語だ。一方で小野さん自身はフランスに長く住んでいてインテリのイメージがある。そのギャップに興味がわく。いまの時代はグローバル化とローカ

    0
    2018年07月28日

    Posted by ブクログ

    第152回芥川賞受賞作。
    著者が生まれ育った大分県の過疎地や周囲の人々を底流に、着想されたものと推察する。
    過疎地に生まれた主人公(さなえ)が、東京に出て異性との不幸な付き合いを重ねた先に、カナダ人と巡り合い、特異な感受性をもつ子供(希敏:けびん)を授かるが、突然失踪されて破局、シングルマザーとなり

    1
    2021年04月01日

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞作『九年前の祈り』を含む4編を収録した1冊。
    収録作品はどれも大分を舞台にしており、登場人物がほんの僅かずつ繋がっていたりします。田舎の、閉鎖的な息苦しさが特徴的です。
    どこがどう、とは具体的に言えないのですが、何となく言葉選びが印象的でした。

    きっと、人によっては読んでいてすごく息苦し

    0
    2022年06月18日

    Posted by ブクログ

    基本的に、芥川賞受賞というだけで読むことはもうしないんで、本作も、どこか別のところで取り上げられているのを見かけたのかも。で、結構久しぶりに同賞受賞作を読んだ気がするけど、やっぱり合わないす。内容はいかにも取りそう、って感じがするけど、正直、どこが面白いのか理解できず。どれだけ文学的であろうが、物語

    0
    2021年10月12日

    Posted by ブクログ

    大分県、佐伯市を中心にして主人公の心の内の葛藤を表した作品集。それぞれの短編は関係しているようだが、名前が違ったりしていて独立した短編と考えると霊的な次元の違いがあるのか?筆者の兄が直前に亡くなったと言うことなので、それが影響した作品なんだろう。

    0
    2020年06月05日

    Posted by ブクログ

    日曜美術館でお馴染みの小野正嗣さん。
    小説のほうは、今回が初めて。

    表題作以下、「ウミガメの夜」「お見舞い」「悪の華」と、短編が四本。
    どれも大分県の海辺の田舎町、佐伯市が舞台となっている。
    最初は偶然舞台が同じなのかと思っていたが、緩やかにつながった四作ということらしい。

    表題作は、カナダ人男

    0
    2019年12月14日

九年前の祈り の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

講談社文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

小野正嗣 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す