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大化の改新から四年。朝廷の権勢が増すにつれ、都と山の民の紛糾は激化。都では鬼が現れ、山からは神が姿を消していた。物部の末裔である広足は、葛城に住まう験者・役小角に仕え、民同士が争わず共存できる道を探る。神や妖たちとの呪術戦、仲間を信じ奔走する者たちの姿に胸躍る傑作冒険ファンタジー!
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Posted by ブクログ
中国古代ものが得意な仁木さんが、「大化の改新」時代の飛鳥王朝に挑戦したのですね。 ただ穏やかに暮らす事だけを願う山の民と、国家統一を企てる里の民の争いは、いつの時代でも戦争だけじゃなくビジネスな小さな人間関係の中でも起こっている業のような気がします。 普通の人間だけでなく術を操る役小角、神様や鬼、妖...続きを読むまで登場させ、対立する考え方のどちらかのみを正としない結末は、千里伝に似た構造という印象を受けました。 かなり珍しい舞台の作品だと思うので、是非シリーズ化して欲しいです。
新しい強い国を目指す<里>と古代からの神とともに生きる<山>の対立をあおる神喰い・人喰いを陰で操る者と、役小角との対決。
大化の改新前後の古代日本を舞台にしたファンタジー。 古き山の神や妖たち、役行者として広く知られている役小角と物部の遺児のヒロイン。 勢力を拡大しようとする中大兄の朝廷と山の民たちとの対立に鎌足の陰謀と、いやいや、これはもうなんとも魅力的な登場人物たちと舞台装置だ。 中でも幼いながらも勝ち気な大海人と...続きを読むさらに幼いのにとても賢い後の持統天皇ささらがとても可愛いかった。 役小角はファンタジー界では安倍晴明に並ぶスーパースターだと思うのだけど、これまであんまりメジャーな物語はなかった気がするので、ここで一つおもしろい物語が語られたのはいいなと思う。 一応ヒロイン広足が主人公というか語り部的役なのだけど、結構視点が変わっていくのとヒロインの活躍はあんまりないので少し惹き込まれにくかった。 ちなみにヒロインの作る料理が神々の力となる件はちょっと僕僕先生と繋がりがあるのかと思ってしまった。 それとこれは作者の作風かもしれないけど、いろいろな戦いの決着が割とあっさりしているのでもう一つ盛り上がらなかったのはちょっと残念。 なにはともあれ、この舞台装置で続編を書いて欲しい。
山と里、山に棲む者たちと里に住む者たち。排除しあうのか認め合うのか。大道を通し強い国を造るのが大事な人々と気ごころを通じ合うことができるのだろうか。 役小角とコンガラ、セイタカ がお気に入りです。
乙巳の変前を起点に異変の起こる飛鳥京と山々の怪異を、物部氏の娘・広足と役小角が解きほぐしていく飛鳥時代ファンタジー。 中大兄皇子や中臣鎌足、賀茂氏の長の大蔵という朝廷側の国造りの思惑。 その国に組み込まれることを拒む山の人々と神々。 互いの存在を脅かすことなく、暮らしていけるのか…。 鬼が跋扈し...続きを読む験力が飛び交う、という描写は歴史モノのエンターテイメント小説としてライトなイメージを受けます。 が、その深いところにあるテーマはもしかしたら、「多様性を認め合う」ということなのかもしれません。 アニメ化が似合いそうな小説です。
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