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「朴美愛(パクミエ)」偽造パスポートを手に入れたミロは海峡を越え韓国に渡る。偽ブランド品を手がける現地の男と即座に愛人契約を結ぶが、彼は自分の身代わりとなって撃たれ下半身の自由を失ってしまう。深い愛情で結びついた二人は復讐を決意した。覚醒剤、レイプ、殺人。善悪を超えて世界を圧倒する壮絶な魂の遍歴。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
村野ミロシリーズ完結編。 下巻。 ドキドキが止まらない。狼狽している。 正直、ジンホの話が出てきた辺りから、これ大丈夫か? ちゃんと終わんのか? とそんなどうしようもない想像ばかりしながら読んでいたが、いかに過酷な過去を持つジンホとの出会いがミロに必要だったか、ほんと「読まされてしまった」という...続きを読む表現がぴったりなほどミロに同調し、苦しくて、歯痒くて、どうしようもなく切ない物語をどっぷり体感した。 逃走劇を描いた作品はこれまで何作も読んできたはずなのに、ここまで追い詰められた作品は初めてかもしれない。 それは夏生がとことんまで作品と向き合い、戦った痛みが筆に表れているからかもしれないなどと思った。 そしてミロが狂ったような怒りの中で、本当は生きたいと願う自分を支えてくれる答えと信頼を探すために、破天荒に自分自身を含め周囲を傷つけていく様が逃走の中心に置かれていたからだろう。 打ち抜かれた言葉がたくさんある。 小気味良いほど打ちのめされた。 私はミロの足元にも及ばないほど弱い。 これからを生き抜くために、私ももっと強くならなければ。 どこまでも続く、暗く深いダークな世界のなかで、確かにそう思わせてくれる希望と再生の物語だった。 もう会えないなんて嘘だろー! というか、トモさん、お前って奴は! 何だその恰好悪さ。だがそれがいい。 いい男、見つかるといいな。いい恋しろよ!
読み終わった! 偽造パスポートで韓国にわたってからのミロの暮らし。 ジンホとこんなにも信頼関係築くとは思ってなかったなぁ。 ミロがすごく女!って感じした。 韓国に行ってからもまぁミロは辛い状況に何度も陥って、何だかんだで日本へ戻ることになって パクミエの名は使えずに、結局村野ミロに戻ることにな...続きを読むったり。 40歳で死ぬと言ってたのに出産したり。 人生何が起きるかわかんないよなぁ。 強烈な怒りと理不尽と、これでもかってくらい負の感情が渦巻いていたけど、ミロには幸せになってほしいなーと願ってしまう。
主人公を取り巻く人間関係が刻々と変化していき、最初から最後まで目が離せず、一気に読んだ。敵が味方に、その逆も、こうも早く変われるものかなと思ったが、生死がかかった環境のプレッシャーがその変化を起こさせるのか。
下巻に入ったとたん、サクサク読めた。が、シリーズ物と知らずに読んだせいか、前後の話がわからずちょっとスッキリしない感じ いつかシリーズの他の話も読んでみたい。 いつかね ....
なんだか、話が広がりすぎてしまった感が・・・。ミロの話は、作者の代表的なシリーズだったのか。全然知らなかったw こうなったら、シリーズの最初から読むしかないなぁ~ww
自分が作り上げた世界を崩壊させてしまいたいという著者の激しい欲望を感じた。人気シリーズの主人公のキャラクターをここまで壊してしまう度胸は凄い。 ちょっと偶発的な出来事が多すぎる気がしたけど、それにあまり違和感を覚えないのは著者の力量だね。
命をかける程怒ったきっかけになった手紙と事実なのに、終幕では手紙ホント興味ないわー という変わりように読み込み足りないせいかイマイチついていけず。 ここの登場人物達には、はなからそんな事アテにして読んじゃいけないんですが。 なんかもう、この先も厄介事しか待ってない雰囲気の終わり。 自分の親子関係をま...続きを読むた子どもに投影してしまうんだろうなーなど。 汚い描写も容赦がない迫力。 ついつい終わりまで読み耽ってしまう。 桐野夏生著作があってるんだろうな
韓国に渡ったミロは、現地の男と愛人契約を結び・・・ こんなミロちゃん大好き。 これで終わりじゃもったいないなぁ。
まさしく『ダーク』。 ここまで登場人物たちが豹変し、闇の部分が暴かれていく作品・・・ ありなのだろうか? 少なからず好感を抱いていた人達の醜い豹変ぶりに呆然とする間もないままに、 物語は強烈な匂いを撒き散らしながら、暗いほうへ駆け抜けていく。 魅力的なヒロイン、心を通わせた優しき隣人、微妙な距離...続きを読むを保つ義理の父親・・・ 誰一人としてその変貌からは逃れられない。 一人残らず、独善的な災厄の一端に化してゆく。 呆然としながら、憤然としながら、 それでもページを繰る手を止められない。 いつしか 生きろ、生きろ、どんなに傷ついても、どんなに傷つけても 私自身がそう呪言を吐いている。
ダーク、Dark。村野ミロシリーズは、この本以降書かれていないと思うので、いちおう、シリーズでは最新刊。村野善三が全くしまらない方法で死に、トモさんは人間が変わったように卑しくなってしまい、鄭はかなりヤキの回った老人になっていて、成瀬は獄中で自殺をしていて、それを知ったミロはきれてしまい、周囲にトラ...続きを読むブルをまき散らし始めると共に自分自身も泥沼のようなトラブルに落ち込んでしまう。小説は、そのように始まり、村野ミロシリーズになじんでいた人は、当然私も含め、これまでのシリーズ中での人物設定や人間関係が全く異なるものになってしまっていることに気がつき、とまどってしまう。とまどってしまいはするが、でも、この小説の迫力に気おされて、そんなことはどうでもよくなり、Storyにひきこまれてしまった。これまでの村野ミロファンには、決して面白く読める小説ではないけれども、でも、最後は、これも村野ミロだということを、力づくで納得させられてしまう、そのような小説だった。
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