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こんな世界史なら、学生時代に読みたかった――。歴史に国境なし、わからないのは「各国史」だったから! 元来グローバルだった世界の歴史は「一望」することで徹夜一気読み必至の一大エンターテイメントになる。ルネサンスから宗教改革、フランス革命からイスラム国まで。わかったようでわからなかった世界史の最重要トピックスが、手にとるように理解できる。『「全世界史」講義II』改題。
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Posted by ブクログ
主要国のGDPを時代を追ってなぞっていく手法、凄く分かりやすいですね。気候や人口のフレームワークの変化、経済力の推移、そして文化、人。「善悪や好悪を超えてそれなりに安定していたものを壊してしまうことの恐ろしさ」納得。「個々の歪さ、ではなく、全体として見たときに、比較的丸く収まっているかどうか」。。。...続きを読むこれですよね。これだけの歴史をこれだけ簡潔に書けるとは凄い。そういう事だったんだー、と頭の中で繋がった喜びも頂きました。
上巻に引き続き、下巻においても歴史はつながっていることを説明してくれる内容になっている。 ただ事象を記載するだけでなく、なぜそうなったかという原因まで触れているので、様々な気づきを得ることができた。
文字の誕生から始まる人類5000年の歴史をまとめた本。下巻は15世紀から現代まで。 数多くの成功例と失敗例が歴史の中にあります。歴史から成功例と失敗例を学び、これからの時代を生きる中で役立てること。これが歴史を学ぶ意義だと思います。そのことを本書は教えてくれます。
単に歴史的な事実をなぞるのなら、高校世界史の教科書や参考書でも事足りる。それはある時代に起きていた事実を「点」として捉えるということだろう。だから、教科書に書かれている歴史は、つまらないし、退屈で、本当に知りたいことが書かれていない。 歴史とは、全世界(地球規模と言ってもいい)で起きていた出来事とそ...続きを読むれらの関係性が網羅され、例えばある時代にヨーロッパで起きた歴史的な出来事が、同時代の、あるいはその後の中国やアジアにどのような影響を与えたのかという関連を知ることだと考えていた。だからそうした本を読んでみたかった。そして、ようやくその希望を叶えてくれた一冊に巡り会ったのである。ゆえに、この本との出会いは、私にとって「歴史的」な快哉である。 さらには著者である出口氏の、鋭く合理性にあふれた史観に基づく考えもほどよくちりばめられており、古代、中世、近世、近代、そして現代へと続く人の営みの総体としての歴史が、すっと入ってくるのである。それらが織りなす綾が、縦糸にも横糸にもなり、それぞれに関連し合って、これまで「点」の知識としてあった事柄が、見事に因果を形成する。すると断片でしかなかった歴史的知識は、それらをつなぐ線となり、さらには面となり、最終的には単なる「歴史」という範疇を越えて、歴史的事実の背景にある人間の考え方といったものまで見えてくるのである。 自身がリアルタイムで見聞してきた大事件も、その時々にメディアを通じて知っていた気になっていたけれども、実は歴史の教科書に書いてあったある出来事が伏線となり発生したのだと知ったとき、その事実に興奮さえ覚えた。 歴史とは、ヨーロッパ、アジアなどと地域を区切ったり、あるいは特定の時代だけを見ていたのでは、近視眼的になって分からないことがたくさんあるということを本書は教えてくれる。歴史を学ぶということは、まず本書のような通史的に全体を俯瞰する本で学び、それから一つひとつの歴史的な出来事を掘り下げる方が合理的ではあるまいか。「木を見て森を見ず」という言葉のとおりである。 その意味では「日本史」もまた、世界史のごく小さな一部である。本書を読めば、日本史的に大々的な扱いをされている「ペリーの黒船来航」にしても、ペリー(のいるアメリカ)にもそれなりの事情と理由があって来航したことが理解できる。 上下巻に分かれているが、通史的に俯瞰するという意味で、上巻から読むことが推奨されるだろう。近代や現代の方が、比較的知識量もあるのでとっつきやすいけれども、関連性を知るためには紀元前に発生した四大文明から始まった「人間の歴史」を辿るべきであり、その経験はいささか大変ではあるけれども知的な楽しみに溢れている。
「全世界史」という、膨大な記録を限られた紙幅に収めないといけないためか、全般的に駆け足という印象がある。特に現代史はこの傾向が顕著。 それでも、本書を通読すると世界の歴史を俯瞰できる。しかも読みやすく、スラスラ読める。 おそらく筆者の言いたいことは終章に集約されていて、それをいうためにその前の膨...続きを読む大な話があるのだろう。 それにしても、巻末の参考文献を見て驚いた。ここに挙げられている文献を、筆者はきちんと読んでいるのだろう。しかも、ライフネット生命のCEOという激務をこなしながらである。 感服せざるを得ない。
上巻に比べて、起こったことの情報の粒度、スピード感が早い。事実の羅列のようなパートも多かったが、概観するには良かった。 世界全体の安定には、必ずしも悪を倒すことでは無い。そもそも、悪は誰にとって、なのかは、千差万別なのだから。だか、それを超越した、歴史に残るリーダーというものはいるものだ。ビスマルク...続きを読むしかり、吉田茂しかり、ルーズベルトしかり。
毎回、横のつながりを意識した執筆には、非常に助かり楽しく読ませてもらった。ビスマルクやルーズベルトがもう少し長生きしていたら、この世界はどう変わっていたのだろう。GDPでの戦力分析はさもありなんと感じ、この本の出版後に日本がインド、さらにドイツにも抜かれようとは、なんとも寂しい話だ。
かなり勉強になります。新たな発見。読みやすいのが良いです。 難易度 中 感動★☆☆☆☆ 涙線☆☆☆☆☆ 興奮★★☆☆☆ 感心★★★☆☆ 伏線☆☆☆☆☆
驚きと納得の連続である。私が学生の頃、歴史は暗記科目だと思っていた。だが今なら分かる。歴史はただの暗記科目ではない。本書では、どういう出来事が発端になって、誰がどこでどのような行動をとったのかを分かりやすく教えてくれる。時折挟まれる出口氏の見解が、また一段と歴史を面白くしている。 以下、本書よりお...続きを読む気に入りの箇所。 「僕はよく『接線思考』と呼んでいるのですが、円に接している直線は、ほんの少し円が回転するだけで大きくその傾き(報告)を変えます。そうすると直線の動きに目を奪われて、円の動きという本質を見逃します。これと同じで、人間はどうしても目先のことを過大視しがちです。」 「問題点を指摘することは、比較的たやすいことです。どの世界にも、歪なかけらが山ほどあるからです。しかし大事なことは、全体としてのシステムの安定性です。」 「したがって、どのようなシステムや制度であっても、『個々の歪さ』ではなく、『全体として見たときに、比較的丸く収まっているかどうか』が決定的に重要です。」
所々で挟まれる雑学が読み物としての楽しさを加えてくれている。著者の価値観も押し付けがましくなくてよい。
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