教科書には書かれていない江戸時代

教科書には書かれていない江戸時代

1,232円 (税込)

6pt

4.0

「武士はなぜ腹を切るのか?」「赤穂浪士の討入りは主君のためだけではない!」
「参勤交代は超高速が当たり前?」「公文書偽造は江戸時代にもあった!」………
本書は、江戸時代の武士と町人たちの実像を、当時の文書(もんじょ)から蘇らせ、人々が幕藩体制という社会制度のもと、どのように暮らし、どのような課題を抱えていたかを、江戸学の第一人者山本博文東大教授が、わかりやすく解説した書籍である。
江戸時代については、家康から幕末期の慶喜まで、映画やテレビ、小説などで様々に描かれているが、どうしても現代劇的な面が強調され、嘘とまではいかないが、かなり間違いが多い。例えば、有名な忠臣蔵の討入りは主君のためだけに行われたわけではない。背景には討入りをしなければならなかった武士としての理由があった。著者はわかりやすい文章でその背景を鮮やかに導き出して見せる。また、現代の人々は参勤交代というと「下にー、下にー」という厳格な面しか思い浮かべないが、どうもそうでもないらしい、ということを著者は教えてくれる。本書の面白さはここにある。この一冊から、教科書には書かれていない江戸時代が次々と出てくる楽しさを味わってほしい。
【参考】
江戸時代、人々は武士と百姓・町人という身分に大きく分けられていた。百姓は農業従事者だけではなく、漁業、林業、手工業を生業とする職人なども含む農村居住者全般を指した。町人は、都市に居住していた商人、職人などの総称である。当時の人口構成は武士7%、町人5%、百姓85%、その他3%である。
大坂夏の陣を最後に戦乱は止み、平和な時代が続くようになる。武士は公務員化し、戦で功を立てることは不可能なため、出世コースに乗ることが大きな目標となる。町人たちの多くは、貧富の差に関係なく、日々楽しく暮らすことを第一として生きるようになる。学問の世界では、自由闊達な雰囲気のもと様々な研究が登場し、最先端の「知」が江戸に花開く。学びは庶民にまで広がり、現代に繋がる学問の基礎が築かれたのも江戸時代である。

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教科書には書かれていない江戸時代 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ドラマや小説ではわからない江戸時代の真相。
    教科書には書かれていない江戸時代の重要な側面を取り上げて解説する。(2018年刊)
    ・はじめに
    ・第1編 武家の世界
    ・第2編 庶民の世界
    ・第3編 学問の世界
    ・あとがき

    教科書を補完するような内容であるという。あとがきによると長らく教科書の編纂にかか

    0
    2021年02月21日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    江戸時代の参勤交代が、経済に与えた影響がおもしろかった。江戸暮らしの本妻などは地元に帰りたくない。また、海道の繁栄。
    実証的な学問としての儒学国学洋学。それぞれの動き。学問の力。今は現実を変える力が学問にあるのだろうか? 

    0
    2019年07月20日

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