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行き過ぎた市場原理主義、国民を過酷な競争に駆り立てるグローバル化の波、 排外的なナショナリストたちの跋扈、改憲派の危険な動き…… 未曾有の国難に対し、わたしたちはどう処すべきなのか? 脱グローバリズム、贈与経済への回帰、 連帯の作法から「廃県置藩」論まで、 日本の未来を憂うウチダ先生が説く、国を揺るがす危機への備え方。
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Posted by ブクログ
久しぶりに本を読んだ。このところサーフィンに俺の知的リソースを注ぎ込んでいたから…そこに六十過ぎて自称プロサーファーの大学教授が出てきたのには笑ったけど。 内田先生の街場シリーズは居酒屋でちょっと知的ぶった話がしたい俺みたいな底の浅い手合には格好の書物である。でもまぁ…居酒屋でこんな話をできる...続きを読む人が増えれば、それはそれで市民社会の成熟なのかもしれない。
「国民国家は国民全員が愉快に暮らしていくことを継続していくことのみを目的とする」という一行の信念の元、あらゆる論旨が展開される。全くブレがない。ゆえにTTPには反対、護憲という立場を貫く。この一点において蒙が啓く。賛同するかしないかは別で、真摯に伝えることを心得る筆者の文章は他の評論家には出来ない芸...続きを読む当だ。
先日読んだ『呪いの時代』はどうもいまいちな感じを多く受けたのだが、この本はとても面白かった。 いろいろな短い文章を集めたもので、時期的には、震災以後・野田政権から安倍政権、維新の会の台頭といった期間にわたっている。 安倍政権に関して触れているのは最初の方に収められた 数編だけで、まだ特定秘密保護...続きを読む法案も出てきていない。アベノミクスにさえ触れていないから、せいぜい政権成立直後までの文章群かもしれない。ただ、自民党の「憲法改正案」については批判的に解読している。 内田氏によると、こういった民主政権後に復活した自民党政権の路線は、一見「復古調」に見えるものの、実は「新しい」ものだということだ。 グローバル企業が経済界を支配し肥大化していくことに伴い、何よりも短期的に利益を上げることが優先され、「国民国家」の解体が目指される。この「国民国家の解体」という思想の登場に、内田氏は驚愕している。もちろん、危機感を持って。 その後の安倍政権の動向についてはこの本ではもちろん語られていないが、内田さんの指摘をふまえて振り返ってみると、確かに、安倍政権は絶え間なく「短期的な経済的利益の追求」だけをやっている。当然、経済格差はぐんぐん広がる。しかしグローバル企業にとって、経済弱者のことなど関係ないのである。貧窮した国民が増えれば、安い労働力を買うことができるようになるわけだから、貧者はどんどん貧しくなってもらった方が都合がよい。 このような「ビジネスマインド」で利益を優先するのは企業にあっては当たり前かも知れないが、それで国の統治をやってもらっては困る、というのが内田さんの主張だ。 円安によってガソリンなどの輸入品を高騰させ、同時に消費税を上げ、さらに「能力給」を徹底し超過勤務手当も扶養控除も廃止する、と重なれば、一般的「庶民」(国民の大多数)はどんどん貧しくなるのが当たり前である。 福島原発事故による賠償や核廃棄物の処理の問題などを考えると、長期的には原発はコストがかかりすぎるので廃止した方がよい、ということになるはずだが、ビジネスマン的に見ると短期的には原発を稼働した方がもうかるんだから、そうするべきなのである。万一また原発事故が起きて取り返しの付かないことが起きても、グローバル企業はさっさと日本を出て行くから大丈夫なのだ。 英語もできず引っ越しのための資本もない庶民のことや、先々の子孫のことなんか、彼らはどうでも良いのだ。 ・・・こうした内田氏の批判にはほぼ全面的に共感できた。 著者のいう「国民国家」とは、その国の土地に住む全住民が、きちんと職にありつけて、過度な不自由を被ることなく、そこそこ幸せに暮らしていけるような条件を作っていく国家の施策のことだ。いま、それが、利益優先=「経済的強者」優先のビジネスマインドの絶対化によって、解体されようとしている。 原発推進派、安倍政権支持派が意外にも多いことに私は驚いているのだが、内田氏は彼らは主にビジネスマインドをもった人びとだろう、と推測している。 また、「アメリカを怒らせるようなことをしたらダメだ」というのが強迫観念となって日本人にひろく取り憑いている、という指摘にもなるほどと思った。実際にアメリカが何も要求していないのに、アメリカの機嫌をとるような外交政策をとらなきゃダメだ、というのが、実のところ、政治家やマスコミだけでなく、右派左派含めた国民にまんべんなく広まっている。 ここで恐れられている「アメリカ」というのは現実のアメリカではなくて、日本人がいだいているアメリカのイメージだ。 アメリカの機嫌を損ねた(ように日本人に思われた)政治家は、確かにこれまでもみんな失脚していった。 内田さんはいっそのこと、日本をアメリカの州の一つにしてみれば、とちらっと書いていたが、確かにそうだ。政治手腕もマスコミの仁義も、国民の法意識も人権感覚もいつまでたっても二流以下で、国内でぜんぜんうまく立ち行かないのだったら、いっそのこと、完全にアメリカになってしまえばいいのである。 共感するところが多く、また「そういうふうに切り込むのか」という新鮮な知の喜びも与えてくれた本書だが、もちろん、私は全面的に内田氏に賛成なのではない。 「共同体はダウンサイジングする」「すでに市場を捨てた人びとのあいだで贈与経済が始まっている」といった言説については、理想的には思うけれども、どうも現実的ではないような気がしてならない。 日本のメディアに対する批判の仕方なども、どうも私とは考えが少しちがう。 しかしちがうのはむしろ当たり前だ。内田さんが解き明かし得ていないことがまだたくさんあるのだが、それは私自身が考えていかなければならない。 考えを深めるためのひとつの参考図書として、この本を私は高く評価する。 そして、その後の安倍政権の恐るべき展開についての、著者のより新しい著書を是非読みたいと思っている。
今の日本はどこへ向かって行くのか、を考えていた時に出会った一冊。 タイトル通り、憂う一冊ではあるが要所要所に希望も見出せる。 頼るべきものはお金ではなくて、という最終章?の文章をよんで胸にストンと落ちた。 2014.07.17
行政において費用削減のみを追求するなら、究極アメリカの五十一番目の州になれば良い、というぶつけ方から公民意識の在り方を模索し、神託と憲法のあり方、大阪市の市長のこと、教育のあり方など、まさに「そんなこと書いたら干されちゃうんじゃないの」を書くところから始めることに徹するタッツン渾身のストロングスタイ...続きを読むル。 2013年の一冊。
今の日本社会に対する考え方がするすると整理されていく。 加えて、教育現場で励む人たちへの温かいエールも。
吉田兼好さんって人は きっと こんな風に 世の中を 見たり 聞いたり 感じたり 考えたり していたのだろうなぁ と (内田樹さんの本を読むたびに、前々から思っていたいたことですが) 今回 更に 強く思いました。 ここに取り上げられた「お題」は どれもこれも「今」のことであり 「これまで」のことが「...続きを読む今」に つながり、「今」のことが「これから」 をつくっていくのだなぁ を 無理なく語られているのもさすがだなぁ と 思いました。 すてきな「考える」時間を共有できました。
久々発見、内田さんの本。 ちょっと大きめの本屋さんでじっくり本棚漁る時間は至高ですが、収穫があるとなおよしですね。 「憂国論」というタイトルそのままに、現代日本の様々な問題を独特の視点から掘り下げて意見を述べている本です。 特に強い口調で何度も述べられているのが以下の3点。 ・国家のことを考える...続きを読む際にグローバリストの言うことを信じてはならない ・市場開放・自由主義を行政に適用するべきではない ・国の役目は、国民全員をいかに食わしていくか、である(下村 治著『日本は悪くない 悪いのはアメリカだ』参考) ざっくりといえば、フランスの特徴的な思想のひとつである「自然権」の影響を大きく受けた(と私は感じる)考え方+福祉国家(国民国家)思想がその根幹にあります。 他にも日米関係の特殊性や贈与経済への転換への展望などが書かれています。 著者自身も述べていますが、書籍に書かれた内容は決して一般的な意見ではないでしょう。 しかし逆に言えば、タイムリーで今風でないのに、こうして人が「なるほど」と思える文章を書くことができるということは、読者の視野を広げ、新しい考え方や行動のきっかけとなる可能性を秘めているのではないでしょうか。 個人的には、行政への自由主義的思想の介入度合がここ数年顕著である点は同感ですが、グローバル企業の意見に傾聴するか否かについては自分の知識が浅いゆえに一概に信じられないとも言えません。 また、天からの授かり物である先天的な資源(etc. 身体的特徴、才能)は他の誰かと分けあい、共有すべき、との意見について、後天的な資源(etc. 知識、能力)はどう考えていらっしゃるのか気になりました。 「この本で述べられていることはすばらしい!著者の言うとおりだ!」 というレビューばかりの本よりも、 「著者はこんな風に言っているけど他にはどんな意見があるんだろう or わたしは〇〇についてはこうだと思うなぁ」 といった「その先」につながる感想が持てる本が見つかるとうれしいですね。 こういった、手にとってよかったなぁ、と思える本に出会えるのはしあわせなことです。
読み進めるたびに目からうろこ。 いかに経済的な利得に頭が凝り固まっていたのかということに気付かされました。
面白い。著者のブログから『政治ネタ』を拾って 本にした内容なのですが。 行き過ぎた市場主義。グローバル化。贈与経済。廃県置藩 橋下・維新の会批判。教育行政批判等々。 いいようによっては屁理屈とそん色がないほどの論理と 本質によるキレッキレの批判論評。憂国からくる提案もそれも秀逸。 アンサングヒーロー...続きを読むを目指し。『自己利益よりも公共的な利益を優先させることの必要性を理解できる程度に知的であること』を目指したいと思う内容です。私よりも若い人たちに読んでほしい内容です。秀逸です。
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