ディレイ・エフェクト

ディレイ・エフェクト

1,324円 (税込)

6pt

いま最も注目されている宮内悠介が、時の流れをこえて、この世界の真実に迫る!
芥川賞候補作品。

いまの東京に重なって、あの戦争が見えてしまう――。
茶の間と重なりあったリビングの、ソファと重なりあった半透明のちゃぶ台に、曾祖父がいた。
その家には、まだ少女だった祖母もいる。

昭和十九年の戦時下が、2019年の日常と重なっているのだ。
大混乱に陥った東京で、静かに暮らしている主人公に、昭和二十年三月十日の下町空襲が迫っている。
少女のおかあさんである曾祖母は、もうすぐ焼け死んでしまうのだ。
わたしたちは幻の吹雪に包まれたオフィスで仕事をしながら、落ち着かない心持ちで、そのときを待っている……。

表題作「ディレイ・エフェクト」の他、「空蝉」と「阿呆神社」を収録した驚愕の短篇集。

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ディレイ・エフェクト のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年12月31日

    表題作を含む短編3編。第二次大戦最後の1年が幻のように現れている東京が舞台の話、JR大塚駅周辺を舞台にかつて活躍したバンドの話、大塚の神社の話。話の設定と展開が巧みで爽快感(?)あり。面白い作家を知れた。

    ランカウイの家の前庭にて。2019年の大晦日の午前中の読書。

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    Posted by ブクログ 2019年09月05日

    面白かったです。
    生活、を感じました。人が生きている世界。
    「ディレイ・エフェクト」の世界は体験してみたいです。幻の雪が降る中、炎上する東京……そしてこの世界、丁度今頃なのですね。
    ディレイ・エフェクトはリバース・ディレイに変化したのですが(音楽の機材?は疎いのでこれがどういうのかはいまいちわからな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年07月20日

    とてもレベルの高い文学よりの短編集。過去と重なり合う世界の中で、家族を描く表題作もいいけど、個人的には解散したバンドを追う、若干ミステリー風味の空蝉が好み。長いバンド名が連呼されて笑える。この調子なら、どこかで芥川賞を取れるかな?

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    Posted by ブクログ 2019年05月15日

    短い文章で、ここまで読ませるのは素晴らしい。
    世にも奇妙な物語みたいと言ってしまえばそれまでだが、プロット以上に語るものがある。
    ちょっと泣かせるというか、哀愁漂う一冊。

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    Posted by ブクログ 2018年09月16日

    同じ景色なのに2つの時代の風景がシンクロして見える。現代から過去へのメッセージ?それとも過去から現代への何かの警鐘?

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    Posted by ブクログ 2018年06月12日

    ある日突然太平洋戦争時代の風景が現代に重なるなんてSF的な設定が、自分の家だったらといった想像力を刺激する。物語はその過去の風景がメインではなくエッセンスとして主人公の夫婦生活や日常の出来事に添えてある。少しミステリ的な部分もあり楽しめる。
    他2作品があるが、どちらも過去を振り返る事で今を解決してい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年04月14日

    ミステリではなく、文学でもない。これがSFかぁ、と感心した。面白かったね。芥川賞の候補にもなったそうな。三篇が収められていた。どの話も良かった。表題作はディレイというSF的な現象を扱っているんだけど、読後感はむしろ家族とか夫婦間の心の交流が残ったと思う。俺としては。真ん中の『空蝉』が一番ひきこまれた...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年03月18日

    表題作は「午後の恐竜」を思わせながら、SFに音楽と技術と寂寥と哀悼で味付けをする作者らしさ。
    「空蝉」栗本薫を思わせる破滅的青春群像。
    「阿呆神社」大塚を舞台にしたノベルゲー「街」のような。

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    Posted by ブクログ 2018年02月13日

    純文の香り漂う三つの短編集。
    宮内悠介が純文学だなぁ~と感じるのは、中高時代の三学期に駆け足で名称だけ学び、読んでみなきゃ判らんじゃないかと思った安倍公房とかと似た感想を持ったから。
    シュールな純文はSFやオカルト好きでも楽しめちゃうし、文学の分野の垣根なんて低いもんだ

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    Posted by ブクログ 2018年08月08日

    表題作は芥川賞候補作品。
    太平洋戦争当時の過去が半透明に現れて現在と重なってしまった東京。こちらからは過去の出来事が見えるが、向こうからは感知されない。主人公の家には半透明なまだ幼い祖母とその両親が住んでいる。もうすぐやってくる昭和20年の下町空襲で曾祖母は焼け死んでしまうはずなのだが…
    SF的な設...続きを読む

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