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近未来英国、フリーカメラマンのティボー・タラントは、トルコで反政府ゲリラの襲撃に遭い、最愛の妻を失ってしまう。本国に送還されるタラントだが、それから彼の世界は次第に歪み始めていく……。現実と虚構のあわいを巧みに描きとる、著者の集大成的物語。
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Posted by ブクログ
プリーストならではの夢幻のたゆたい感。どこに運ばれるかわからないけど、ずーっと浮かんでいたかった。ネタバレしてはいけないやつなので、何も書かないけど、今のところ今年1番じゃなかろうか。早川書房さんは立派だなあ、こんな本を次々と! 特定できない誰かが恋しく、その不在を痛く感じるのは、隣接界の私の記憶な...続きを読むのかも。
最初はとっつきにくいのだけれど、途中から読みやすくなったのは、理解するのを諦めたためかもしれない。軸になるのはトルコで妻を亡くしたカメラマンが英国に帰ってくる話なのだが、似たような名前の奇術師や飛行士が出てきて、時代も第一次と第二次の世界大戦、近未来とバラバラで、パラレルワールドを見ているようで、全...続きを読む体を把握することは諦めて、目の前の物語を楽しむことにした。プリーストの作品を読むのは初めてだったのだが、過去の作品を読んだことのある人には、別の楽しみもあるらしい。
カメラマンのティボー・タラントはトルコで野戦病院で業務に従事する看護師の妻を反政府ゲリラの攻撃で失い、海外救援局によって英国に連れもどされる。しかもその英国はわれわれの知る英国ではない、グレート・ブリテン・イスラム共和国なのだ。ロンドンを通るが、救援局は何かを隠している。それは正三角形にすべてが消...続きを読む失している敵の攻撃のあとであり、彼の妻もその兵器にやられたのだ。そしてその兵器は隣接にかかわっているらしい。タラントは現実なのか何なのかわからないカフカ的世界に引き込まれていく。 そしてそのタラントの物語に別の物語が挿入される。第一次大戦中、敵を欺いて飛行機を見えなくする作戦に駆り出された手品師は道中の列車の中でH・G・ウェルズと知り合う。隣接を発見した晩年のリートフェルト博士に取材に行く記者、同道するカメラマンは若き日のタラントだ。第二次大戦中、いわくありげなポーランド出身の女性パイロットに恋した整備兵の話。いやそれはその女性パイロットの来歴の物語でもある。そして夢幻諸島のブラチュウスで一旗揚げようとする奇術師の巻き込まれる事故、それにかかわる女性の視点からの別の現実。プリーストの多くのモティーフが放り込まれているのだが、こうした物語が隣接なのだ。 全体を覆う戦争の影、そして航空機への愛。いや、「限りなき夏」のプリーストが帰ってくるのだ。
SF的な事象で人が消えるところから始まる。本作品は8部構成になっており、それぞれ関連してはいるが異なる舞台で物語が展開される。“関連している”ところが肝要で、本書のタイトルのように“隣接”している。第二部以降しばらくは、「これってSFなのかなあ」と訝しいが、後半から隣接度が高くなると、どんどん面白く...続きを読むなる。平行世界なのかタイムスリップなのか、謎は謎であるが、ジグソーパズルのピースが上手くはまらない感じが読んでいて楽しい。何度か読み直すと、新しい発見がありそうな作品だ。
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クリストファー・プリースト
古沢嘉通
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