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一枚の絵が、ふたりの止まった時間を動かし始める。たかむら画廊の青年専務・篁一輝(たかむら・かずき)と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、出産を控えて東京を離れ、京都に長期逗留していた。妊婦としての生活に鬱々とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗の画廊で、一枚の絵に心を奪われる。画廊の奥で、強い磁力を放つその絵を描いたのは、まだ無名の若き女性画家。深く、冷たい瞳を持つ彼女は、声を失くしていた――。京都の移ろう四季を背景に描かれる、若き画家の才能をめぐる人々の「業」。『楽園のカンヴァス』の著者、新境地の衝撃作。
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年01月29日
マハさんの知識量の多さに、また感心させられた。題材が京都というところが興味深く面白かった。
読み始めた時、あれ?男性が主人公か、珍しいのでは?と思ったけれど、すぐに男女両方の語りで物語が展開するようになり、結局最後も男性で締めたけれど女性の物語として終わった感じだった。
もう少し先まで知りたいけれど...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月05日
いい意味で裏切られた。
マハさんはこんな作品も書くのかと驚いた。
登場人物がそれぞれ一癖も二癖もあって、キャラクターが濃かった。
京都の移りゆく風景と守られ続ける伝統も感じることができた。
菜穂はただの美術に魅せられた、わがままなお嬢様ではなかった。
どこまでも美術を愛し、祖父、いや父の意志を...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月12日
NHKの料理番組で京都の料理人さんが
「西京味噌」という呼び方に物申していた。
東京から見たら西の味噌ということなんでしょうけど、私らは西京味噌という呼び方は絶対に、絶対にしません、白味噌です。との事だった。やっと言ってやった、と お雑煮を丁寧に拵えながら。お味噌を何度も裏ごしする。京都の人のプライ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月17日
なんと残酷で 美しい作品だろう。
一枚の絵が発端で繰り広げられる、京都の画壇を揺さぶる物語。
時空をさまよいながら、陶酔にも似た気持ちを抱きながら読んだ。
この作品では、絵画だけでなく、千二百年以上に及んで
京都が守ってきた文化や、人々の暮らしに対する矜持のようなものが描かれている。
行事、建物、...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月04日
暑くなって来ましたねw
ってな事で原田マハの『異邦人 いりびと』
マハさんらしく美術色全開の内容w
お嬢様育ちで家族が経営する会社の美術品を集めた美術館の副館長として働く有吉奈穂。
その旦那で美術画廊の専務の篁一輝。
その二人を取り巻く家族、美術、原発、新たな新人画家との複雑で熱い絡みがな...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月02日
原田さんのアートもの・・・ではあるのですが、いつものようなアート主軸というより、どちらかというと“人の業”が渦巻く様を描いた作品となっております。
資産家の娘で実家が所有する美術館の副館長・菜穂の視点と、彼女の夫で銀座の画廊の経営者の息子・一輝の視点が交互に綴れていく構成です。
原田さんの小説の登...続きを読む
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