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粋なやつ、不器用なやつ、土地っ子、よそ者……、色とりどりの人間模様が見られる東京浅草。その奥深さに、作家自らも吸い寄せられてゆくかのように書かれた連作小説全12話。SFから時代小説まで幅広い作品を残した半村良。彼が愛した昭和末年の浅草を舞台に、なさけ、酒、色恋を実際の風物を織り交ぜながら描いた人情小説の最高傑作。
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Posted by ブクログ
コレよかったなぁ。 空気感が伝わる。 浅草に歩いていける(がんばれば) 下町暮らしを始めて10年以上。 お祭のあり方。 島内⁉︎村内のおじさま方々。 美味しそぉ。 いとうせいこうの解説もよかった。
サラリーマン一家で育ち自分も会社勤めで、まして転勤族な上に海外でも暮らしたような人(僕とか)には、実はこういうのって一種、SFのような神話性がある気もする小説です。 # 半村良、というとSF小説家だという偏見がありましたが(素直な意味での)、これはなんというか、「山口瞳風の正統派人情現代劇(書かれた...続きを読む当時の)」。 山口瞳さんの小説が分からない人も多いと思いますが・・・。 ある時期以降は椎名誠さんもこういう人情モノ書いてたかなあ・・・。 1988年の本だそうで、まあバブル時代ということなのでしょうか。 語り部の「私」が浅草に引っ越してきます。小説家で、中年の男性、独身。 浅草の近くで育ったけど、浅草の人間では無い、みたいな距離感。 で、本の作りは連作短編で、「私」は、お金はあるし独身、小説家として浅草を取材しようという意思もある。そして時代はまだネットなんかなくて、携帯もない。つまり足を運んで人と会うより他に無い時代なんですね。 この「私」の背中越しに、ちょっとしたディープ地元系の浅草というか、そういう「浅草 で自営みたいに、水商売みたいに、働いている男女の体臭みたいなもの」とでも言うか、そういうものが味わえる一冊。 「だからなんなのよ」と言えば突っ込みどころは満載で、居酒屋、酒、男女、下町、歳月、水商売、みたいなことへのロマンチズムが、臭いと言えば臭いとも言えます。 でも、こういうことを書きたくて、こういう風に一冊になる。そういう意味では小説家としての技術は確かだなあ、と思いました。あと、時代というか・・・風俗の移り変わりを期せずして楽しめるのも、小説というカタチの愉しみ。そういう意味では深い味わい。
この空気感。いいな〜 浅草の人情もグタグタ感もひっくるめて愛すべき町、愛すべき人が描かれた傑作。浅草に、そして故郷に帰って古い友に会って、町にがんじがらめにつかまりたい衝動にかられた。
半村良さん、初読み。 浅草の住人たちの日常を描いた、古きよき昭和の臭いのする小説。 実在のお店などもたくさん登場し、浅草に土地勘がある人にはより楽しめると思う。
古き良き昭和の浅草。 表を歩けば誰かに声を掛けられ、飲み屋に入れば必ず知り合いがいる。 そんな下町情緒溢れた浅草を半村良が案内してくれる。 ノスタルジーを感じさせてくれる1冊。
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