消えゆく「限界大学」:私立大学定員割れの構造

消えゆく「限界大学」:私立大学定員割れの構造

1,760円 (税込)

8pt

限界大学――恒常的な定員割れを引き起こし、人材的にも財力的にも大学を経営するだけの能力に欠ける、文字どおり弱くて小規模な弱小私大を、本書ではそう名づけた。
しばらく横ばいだった18歳人口が再び減少傾向に入る2018年以降、私立大学の定員割れが加速し、経営困難校の公立移管や統合、閉校が相次ぐのは避けられないと見られている。本書は、戦後の教育行政の変遷や生徒を送り出す高校側の事情などを踏まえたうえで、統計データを駆使しながら、弱小私大のさらなる弱体化の背景と、定員割れの実態、そのメカニズムを明らかにしていく。
18歳人口の再減少が目前に迫るなか、市場主義的な競争原理が導入され、いま「負け組」増加の条件が整いつつある。その結果もし大学が破綻したら、周囲に及ぼす影響は当の学生や教職員だけにとどまらない。本書には、そうした限界大学への道を避けるべく、組織改革や財務健全化に取り組み、成功した事例も紹介されている。教育行政学・教育社会学の蓄積による実証性と、高校・大学教育に長年携わってきた著者の経験が融合し、説得力に富んだ画期的書。オクスフォード大学教授(教育社会学)苅谷剛彦氏推薦!

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消えゆく「限界大学」:私立大学定員割れの構造 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    大学経営論としては秀逸、類書ない 吉見俊哉氏推薦
    歴史とデータの裏付け 論理の軸ぶれない

    91年にピークが来る第二次ベビーブーム人口が巨大なインパクトをもたらした
    行政は新設・定員増加・臨時増加で対応したが、
    人口増加に加えて進学率アップのW効果で、
    「混乱」を引き起こし
    その後の反動減とバブル崩

    0
    2021年08月16日

    Posted by ブクログ

    学校教育、主として高校、大学教育についての研究者による私立大学論。学術的な分析研究がなされており、データが詳しく論拠が明確で説得力がある。記述が正確で、極めて興味深い内容であった。消えゆくであろう限界私立大学の実態の一面を理解できた。
    「私立大学がすでに過剰になっているのは明らかで、99年から定員

    0
    2018年10月21日

    Posted by ブクログ

     サブタイトルが「私立大学定員割れの構造」だ。メディアでも私立大学の定員割れで経営が苦しい学校があるのを見聞きするのでさもありなん。どこかの学園のように「忖度」してくれる人がいると安心していられるがそんな都合の良い「お友達」はなかなかいないのが現実なので、他の手段で何とかするしかない。



    0
    2018年01月03日

    Posted by ブクログ

    限界大学の中でも「短大」に焦点を当てた稀有な本。しかし、短大に個人的な恨みでもあるのか、かなり厳しい指摘が目立つ。

    0
    2017年06月22日

    Posted by ブクログ

    まあ業界人としては想定範囲内で新たな発見等は意外となかった。
    著者は短大を四大化した大学に恨みでもあるのかな、何となく目の敵にしている感が端々に見受けられる。
    確かにこれらが今の大学界(中位層以下)を酷くしたというのは私もそう思うが。

    0
    2017年09月02日

    Posted by ブクログ

    定員割れ私立大学は99年以降急増、08年以降は半分近い。18歳人口半減。学部・学科構成の見直しやキャンパス整備を怠った経営者の限界でもある。

    今は大学多すぎ感がありますが、過去に、莫大な収入源だった時期があったのだと、時代の変遷を思い出しました。

    0
    2017年07月16日

    Posted by ブクログ

    <目次>
    はじめに
    第1章  試練に立たされる弱小私大
    第2章  どのような大学が定員割れしているか
    第3章  混乱の「ゴールデンセブン」とその後
    第4章  短期大学とはなにか
    第5章  短大以上・大学未満
    第6章  新たな大学像
    第7章  弱小私大と高校
    第8章  弱小私大の生き残る条件
    第9章 

    0
    2017年05月18日

    Posted by ブクログ

    少子化・18歳人口の減少に伴う大学全入時代を迎え、大学の淘汰・消滅という事例もちらほら目にするが、これからますます大学の廃校が増えていくようだ。今でも、将来に展望が見えず、消滅予備軍の大学は多くあるということで、本書は、これを限界集落ならぬ限界大学と呼んでいる。
    著者は、各種のデータを基に、これらの

    0
    2017年03月19日

    Posted by ブクログ

    ぜんぶゴールデンセブンのせいだってのが限界大学の本音なんでしょう。もっと速く退場すべき大学がゴールデンセブンというバブルで延命したけど、頑張らなくちゃ消えるよって本でした。真っ当な結論ではある。

    0
    2017年02月26日

    Posted by ブクログ

    安心して学ぶ環境を大学は提供する=社会的使命
    公器である大学として不適切なら退場もやむなし。
    その淘汰の波を渡っていくだけの力を備えておこう。

    0
    2017年02月15日

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