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天才洋画家、辻堂環が死んだ。天衣無縫の彼の生涯は、無邪気に、奔放に、女たちの心と身体を求めることに費やされた。恭子、弥生、杳子、志保子、千里、美和子……かつては環との蜜月に溺れた、さまざまな境遇の女たち。訃報を聞いた彼女たちは、それぞれの記憶の襞に刻まれた、狂おしいまでの恋心を甦らせるのだった――。無垢な欲望に身をゆだねた、六人の女の六つの恋のかたち。
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Posted by ブクログ
環が魅力に溢れてます。ヴィジュアル的に、なぜか若い頃の藤田さんを当て嵌めてしまったのですが・・・。とにかく恋に溺れてしまいたくなります。
天才洋画家・辻堂環の訃報をきっかけに、彼を愛した6人の女性が思い起こすかつての『蜜月』と現在の物語。 タイトルに惹かれ衝動買い。しかし、タイトルのように濃密な表現ではなく、洗練されたエロスを感じる。 私も辻堂環に出会ったら、間違いなく惹かれてしまうだろう。 終わってしまった過去の恋を描いた切ない...続きを読む一冊。
天才洋画家・辻堂環の訃報を知り、彼との昔の関係を思い出す女性六人の物語。 辻堂環は光源氏そのもの! 数多の女性と関係しながら、二人同時ということはなく一人の女性を激しい情熱で愛し求める。でも必ず関係には終わりが来て、彼はまた別の女性(時に男性?)を求める。 かつての環に思いを馳せる女性たちが皆、憎し...続きを読むみや怒りの感情を抱くことなく彼に思いを馳せるのが何となく理解できる。彼のように、恥も外聞も捨て命をかけて女を愛する男なんてそうはいないからだ。ほんの一時期でもそういう愛を受けた女たちは彼を憎むどころか、美しい愛の思い出として彼を思い出すんだろう。 ただ彼の底知れぬ孤独や苦悩はきっと死ぬまで癒されなかったのかもしれない。
誕生日にプレゼントしてもらった本。ニシノユキヒコも素敵だけど、辻堂環も、激しい素敵さ。いろんなことに捉われてしまうのって、本当は必要ないのかもしれない、と思います。
何もかもお洒落だったし、この短編集のテーマというかシチュエーションが最高だった。 辻堂環はクズだしそれにホイホイついてく女たちもどうかしてるけど、圧倒的魅力のある男性を前に人間性を捨てていく女たちの様子が楽しかった。 似たような作りの話何作でも読みたい。 一番最初の恭子が一番傷が浅くて健全な失恋体験...続きを読むなのかなと思った。 千里と知美の関係がとても良かった。 こういう女同士の傷の舐め合いみたいなのすごい好き。
天才画家、辻堂環が死亡したというニュースをきっかけに、環に関わった女性達が環との思い出を語るといったスタイル。 小池版「ニシノユキヒコ~」みたいな感じでした(どちらが先に書かれたのかは知りませんが)。 個人的に環みたいな人に魅力を感じないので、その強烈な個性に惹かれる女性達も「ふーん」という感想しか...続きを読む持てなかった。 文章はいつもの小池さんらしく綺麗でしたが、ところどころ下品な表現があって、敢えて挑戦してみたのかなあと思いましたが、その点もあまり好きになれなかった。
辻堂環という一人の男性と、ほんの短期間関わりあった女性たちの話。 環さんは、とんだプレイボーイだ!と、最初の方は思うんだけど、読み進めていくうちに、彼の孤独の深さや、刹那的に深い愛情をもつそのやり方に、なんだか可哀そうになってきてしまった。 私はでも、こんな生き方をする人は好きではない。 環さんが...続きを読む好きになった、この話の主人公たちは、もともとは、他に大切な人がきちんといたり、自分をちゃんともっていた人たちだった。 環さんが好きになるのはそういう人たちばかりで、彼が関わることで、彼女たちは何かしらを失った。 失わせることでしか、愛せないなんて、なんて哀しいんだろう。
芸術家の感受性の強い男性の、恋愛模様。 一般人とは違う、実家の芸術家やアーティストと呼ばれるような人種の人は、こうゆう人生を歩んでいるんだろうな。
小池真理子さん、好きな作家さんです。小説でミステリーを読む様になったのはこの方がきっかけでした。この本はまたちょっと独特。激しい恋愛ストーリー。
個人的にかなり久し振りの小池さん&恋愛小説でした。 女性の書く男性、という事で現実味は皆無、ですが目の前に現れたら必ず惹かれてしまう。 6人の女性が皆穏やかに年を取り、平凡な生活を過ごしているのに較べ、環の何と孤独な事か。現れては自ら去って行く女性達を追う事もせず、ただただ流されていく彼の痛みが最後...続きを読むまで切なかった。 そして私は、彼にではなく知美に癒されたいと思ってしまった。。。
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