戦争と読書 水木しげる出征前手記

戦争と読書 水木しげる出征前手記

880円 (税込)

4pt

4.2

水木しげるが徴兵される直前、人生の一大事に臨んで綴った「覚悟の表明」たる手記。そこから浮かびあがるのは、これまで見たことがない懊悩する水木しげるの姿。太平洋戦争下の若者の苦悩と絶望、そして救いとは。

【目次】
第1章 水木しげる出征前手記
新発見された水木しげるの出征前手記を、できるだけ原本に忠実なまま完全収録。

第2章 青春と戦争――水木しげる出征前手記の背景
荒俣宏による縦横無尽の解読解題により、知的な芸術家志望の若者だった水木しげるの、思想と実像が浮かび上がる。戦時下の若者の絶望と救いが読み解かれる。

第3章 水木しげるの戦中書簡
全て書籍初収録の貴重な書簡集。特に復員後、母へと宛てた手紙からは、出征前と復員後でぶれない水木しげるの思想哲学が読みとれる。

第4章 年表 水木しげると社会情勢

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戦争と読書 水木しげる出征前手記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年12月17日

     水木先生、大変なインテリ読書家である。
     第1章の出征前手記は難解かつ送り仮名の使い方が変で読みにくい。常々「なまけものになりなさい」と説いていた先生が二十歳の時点では「怠惰」を厳に戒めている。どういうことだ?と思ったら、それについて弟子 荒俣宏による解説があった。
     第2章は、戦前の読書事情、日...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年09月13日

    水木しげるが20歳やそこらの青年であり、
    戦地へ赴く直前の手記に荒俣氏が解説を加えた一冊。
    世間一般に知られたる水木氏のどこかとぼけたような達観は感じられず、
    日々自分の価値観が変わっていっているような葛藤がそのまま記されている。
    それにしても現代視点で見たときには、とても20歳が書き記したとは思え...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年10月06日

    その飄々としたお人柄に加えて"両親が心配して一年遅らせて小学校に入れた"などのエピソードから想像しがちなのんびりした少年時代、でもそれは水木サン一流の照れ隠しであり実の姿は凄まじい天才少年であったことを裏付ける貴重な書簡集。
    その出征を前に懊悩たる思いを書き綴った手記や戦地からの...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年12月27日

    ――――――――――――――――――――――――――――――
    仏教もやる。博物もやる……いじけるな、自分を小さくするな、俺は哲学者になる。21
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    自分と言ふものにびつくりした。俺なる実在は、俺の思考がとうてい及びもつかない程、複雑怪奇だ。ひ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年10月08日

    戦時、若者の心の拠り所として、読書があった。宮沢賢治やゲーテを持ち歩いていたという。死と隣り合わせの環境下、死ぬ事を強制され、権力に服従せざるを得なかった時代。どのように事態を昇華し、気持ちを落ち着かせたのだろうか。服従を奉仕という思想に置き換えたり、哲学や物語りに夢想したり。水木しげるも、その一人...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年05月07日

    まとまりがなくて面白い。
    人の日記を覗き見するような楽しさがある。
    手記から滲む当時の時代の雰囲気もよい。
    後に名を上げる作家の無名のころの手記ってのもまた面白い。

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