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かつて「科学立国」として世界を牽引した日本の科学とハイテク産業の凋落が著しい。経済の停滞にとどまらず、原発事故のような社会への大打撃を招きかねないイノベーションの喪失。その原因は企業の基礎研究軽視にとどまらず、政策的失敗にあったことをベンチャー支援策に成功した米国との比較から解明する。さらに科学の発見からイノベーションが誕生する原理を明らかにし、日本の科学復興に向けた具体的な処方箋を示す。科学と社会を有機的に結びつける“国家再生の設計図”。
...続きを読むPosted by ブクログ 2018年06月19日
イノベーションですっかり遅れをとってしまった日本、その原因を色々な切り口から分析しています。終始一貫しているのは、日本でイノベーションの機運が衰退しているのは、日本人のメンタリティや日本企業の文化などよりも、構造的・制度的な点を強調して指摘している点。シャープが生産技術至上主義&基礎研究軽視によりい...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年06月12日
SBIR制度の話を聞いて,米国の税金の使い方が巧みであることが分かったが,日本で同様な制度を構築するのは各方面からの抵抗が大きいと予測される.特に大企業から.馬の骨のような奴に国の予算を配分するといった芸当はできないだろう.官僚たちの天下り先がなくなるのだから.やる気のある若者がサイエンス型ベンチャ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月19日
日本発信の科学技術のイノベーションが少なくなって久しい。その理由を最近のシャープなどの事例や科学技術がどのようにして発展するかの持論を展開している本。
1章では、中央研究所崩壊からイノベーションをするような場が日本から消えてしまった、「目利き」の存在がいないことを理由としている。
2章では、元は...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月24日
イノベーションと盛んに叫ばれるが、日本から失われてしまった科学的な思考とそれを育てて発揮する場をどうにかせんことには、上っ面の見えてる技術をこね回したところで仕方ない。
・シャープの没落から見る登った山から降りられない既存知識に頼った組織の弱さ
・米国SBIRの成功という科学見識の高い政府組織の価値...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年05月07日
『イノベーションはなぜ途絶えたか』というタイトルで、電機メーカーの世界的地位の凋落やインターネットの世界で日本発のイノベーションがほとんど見られなかったことについての分析と今後に対する著者からの提言をまとめたものである。著者は、東大で物理学の博士号を取得し、NTT基礎研究所に20年ほど勤務した後にフ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年05月13日
日本のイノベーションが途絶えた理由を具体的な事例検証も交えながら分析し、どうしていくべきかの提言までをまとめた一冊。表に見えている特定ジャンルの知の進化に邁進するだけではだめ。土壌の中で常に知の探索を進めていくことが重要。また、探索を探索で終わらせず、具体的な形にしていく支援の仕組みをもっと作ってい...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年04月09日
日本の大学、企業の学術論文数は90年代後半から激減。
特に物理学分野で顕著。
アメリカSBIR(スモール・ビジネス・イノベーション開発法)
政府の外部委託研究費の一定割合を拠出の法令化。
応募して採択されると3段階に賞金を授与される。
1.可能性の探索競争:15万ドル
2.具体的にビジ...続きを読む
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