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離婚した妻が引き取り、もう15年も会っていない娘から突然連絡があった。それは結婚の報告のためで、披露宴に呼べないことを涙ながらに告げるが……「いちばん新しい思い出」。大好評、森浩美の家族シリーズ第三弾、待望の文庫化!
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Posted by ブクログ
日常に潜む側から見たらなんてことないことかもしれないけど、その人にとっては大事な生きる糧になっているものを描いた物語。 重要なのは、日常に潜んでいることだったと思う。 何も非日常で、まるでドラマや映画のように予想外の出来事ではなくて、日常のほんの些細なことが私たちにとっては生きる糧になるだなと感じた...続きを読む。 特に1話目のいちばん新しい思い出は、離婚し、離れ離れになった父娘のお互いを思う温かさに涙した。 家庭の事情で結婚式には呼ぶことはできないけれど、それでも大事な存在であった父親に宛てて書いた手紙が胸に響いた。 大人になればなるほど、自分の理想とは異なる予期せぬ出来事が起こる。 離婚、家族の死、リストラ… それでも前を向いて折り合いをつけて、生きていかなくてはいけない。 そんな時に支えとなる小さな理由、私も日常を大事にして感謝して生きていきたいと感じた。
殺人事件や派手な出来事が起こるわけでもなく、あくまで「家族の日常」をテーマに書き綴られていますが、毎回飽きずに楽しく読めるのは、自分のすぐそばにある日常、作者曰く「これってあるよね」と思えるエピソードばかりだからだと思います。 優しい文章、そして人物が浮かび上がって来る様なテンポの良い会話で気持ち...続きを読む良く読むことが出来ました。 色々あるけど、やっぱり家族って良いなぁ、と読後感も爽やかな気持ちになれる作品です。
心にしみる8編の家族の物語。 読んだあと自分の家族に感謝する気持ちになる小説でした。 印象に残った文章 ⒈ 逃げてばかりじゃこの先、何も変わらないよ。 ⒉ 人生というのは、気まぐれな神様が、見えない天秤の上に、良いことと悪いことの重りを載せてバランスを保っているのだろう。 ⒊ 寒い玄関先に置かれるの...続きを読むが厭なら必死で頑張りなさい。
今回もどの話も響いたけれど、最も心に染みたのは、あとがきの一文。「厄介な出来事が次々に降りかかる中で、小さな幸せを見出せるバランス感覚を持つことが大人ということなのかもしれない」多くのことはバランス感覚が重要かな。
家族をテーマにした短編集。 暖まる面もあれば切ない面もあり、家族の形は色々なんだなあと考えさせられる部分もある。 自分に家族が出来たら、どんな家族になるんだろう。
森さんの家族小説はこれで三冊目。 ありふれた日常を優しい文体で描かれている。 短編一つ一つに楽しいこと悲しいこと、辛いこと嬉しいことが詰まっていて、歳を重ねてわかるその理由が心地よい。 この本の最初。 その短い文にこの本の意味がある。
森浩美さんの家族シリーズ3作目。 どの作品も家族をテーマにした物語になっていますが 本作品は父がメインとなったお話が詰まっていました。 この家族シリーズは「日常」が綴られているのですが、 読んでいて飽きが来ないのは 物語のどこかで「そうだよねぇ」と共感してしまう部分があるから。 このシリーズを...続きを読む読むと、 何で小さいときにあんなことしちゃったんだろう」と 自分の家族への態度に後悔??したり、 「これからはこうしよう」と今後の自分と家族のことを考えたりしてしまう。 読んでいて暖かくなり、切なくなり、そしてちょっと心がきゅっとなる。 私がいいなぁ、と思ったのは 「いちばん新しい思い出」と「黒たまご」。 ゆっくりと落ち着ける場所で読むことをお勧めします☆
家族シリーズ 第三弾 *いちばん新しい思い出...離婚後15年振りの娘との再会間もなく結婚する娘との会話 *夜の鯉のぼり...離婚決定後母方の実家で暮らす息子。今後しばらく会えなくなるであろう実家への訪問 *皿を洗う父...無口な父が黙々と皿洗いをする訳。 *手のひらが覚えてる...突然田舎から出て...続きを読む来た母。そんな母をつい疎ましく思う自分... *黒たまご...夫に先立たれアップアップの毎日でつい息子に言 ってしまった一言。 *玄関先の犬 *渡り廊下の向こう...コンサートに行っても良いかとねだる娘 に高校の自分が重なる。 *桜散らず...老夫婦の病室にて
家族の、特に父親に焦点をあてた短編集。大きな事件はないけど、日常の父親の視点で書かれた作品は興味深い。当たり前だけど、父親は家族に愛情があり、うまく表現できないものなんだなーと。もちろん、興味がそもそもない人だっているだろうからある意味理想的ななのかもしれないけど、それでも多くの父親とは娘を息子をそ...続きを読むして妻を愛しているんだと思える小説だった。
家族の別れの物語が、あたたかく描かれています 悲しい物語が多いですが、読み終わった後、ほんわりと優しい気持ちになれました 自分の家族について今一度、考えさせられる短編集でした。
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