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涙は見せられない。それがどんなに辛くてひどい死体であろうと。しかし、現場を離れて時間がたった今、思い出すと自然に涙がこぼれてくる検死のドラマがある。殺された幼い子どもが最後に見た光景、布団の中で凍死してしまった老人の孤独、自分を盾にした母の愛――。監察医として30年間、約2万体の死体を検死し、生を死の側から見てきた著者が語る命の尊厳と、生と死のドラマ。
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Posted by ブクログ
死体監察医としてテレビ等でも拝見する機会が多い著者の新刊です。タイトル通り、読むと切なくなる話ばかりでした。印象的なのは「今までで印象に残っているものを3つ」といわれて、著者があげた3つの死体の話です。犯人を最後まで追い詰めようと殉職した刑事の話や、交通事故で子どもを亡くした母親の話などあげられてい...続きを読むたと思います。
他の著書では、法医学者の立場から淡々と死体について語っている著者ですが、この本では、時折一人の人間、一人の親としての心情を綴っています。 身を挺して子を守ろうとする母親の話や、強盗に襲われたおばあさん、精神に異常をきたした母親が死んだ子供を抱えて離さない話など、涙が出てしまいそうな体験談が書かれて...続きを読むいます。 また、阿部定事件の真相や、映画のラストシーンの矛盾点など、「へ〜」と感心する話も織り交ぜてあり、楽しめる内容だと思います。
元解剖医上野氏の2冊目 普通は死ぬと穏やかな死に顔になるが、死ぬ瞬間に強い怒りやらがあるとそのままの形相で死ぬということくらいしか覚えていない。
死体というのは、その人の人生を現しているようだ。 たとえ、表面上鬼畜な殺人と思われていても、実際にはそこまでに至った経緯やなぜそのようなことになったかを紐解いていくことで、納得の得られる解がある。 子への無償の愛、孤独に死を迎える老人など、その死体が語るものから上野さんの思いや、事件背景を説明して...続きを読むいるので、興味深く、すらすら読めた。
死体に対し、監察医の目線だけでなく、その背景にまで気を配られた内容。 ドラマを感じ、読みやすかったです。 親、子供、大切な人を亡くして悲しくない人はいない。
作者は、元東京都監察医。 今までに2万体の死体を検視したそうである。 そこで、さまざまな死体に出会い、 その中で、忘れられない出来事を綴っている。 殺人なのに、自殺ということで片付けられてしまった死体、 必死で子供を守りぬいた母親の無念の死、 凍死なのに汗をかいていた死体。。。などなど、 親子愛、...続きを読む純愛、悲しみ、怒り、誤解、不条理。。。 さまざまな、感動的な出来事や、不思議な事件が語られていて、 死体の声に耳を傾けようとする作者の温かい気持ちが伝わって来ます。 そういえば、そんな事件もあった。。。と思い出させてくれたりして、 興味深く読めますし、読みやすい本です。 そして、あの話題の映画「タイタニック」のラストトシーンについて、 法医学的な立場から見ると、 デカプリオのあの死に方は、ありえない。。。とか。 タイタニック号が沈没して、 氷河のある冷たい海の中へ投げ出された彼が、凍え死んでしまい、 海に沈んでいく。。。あの悲しいシーンです。 なぜか。。。? 気になる方は、この本を読んでみてくださいませ。
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上野正彦
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