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水守響呼は、妖怪や幽霊の姿を見ることが出来る不思議な力の持主。「竜宮ホテル」で猫耳のひなぎくと生活をスタートさせた。穏やかなクリスマスをむかえる竜宮ホテルに、またも珍客が? 街角の歌うたい愛理と、謎のたびをする魔法使い佐伯老人の物語!
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Posted by ブクログ
本当に村山さんの本は読んでてあったかい本です。読んだあとほっこりします。主人公の水守響呼さんなど、風早の人々はまやかしが生活にないと寂しい状態になっているのかなあと思いました。あまりに妖怪とかそういうものが日常にありすぎて。楽しそうでいいですね!クリスマスの時期が中心となっているのでなんだかわくわく...続きを読むしながら読めました。愛理さんの話とか、キャシーちゃんの章とか、最後泣きそうになりました…。ひなぎくちゃんの「さんたさんは、きしょうかちのある、てんねんきねんぶつみたいなおじいさん」っていうのがすごい好きでした!
前作に引き続き、ふんわり優しくて、暖かい。でも少し寂しさもあるような素敵な作品でした。 クリスマスの時期に読みたかったな、と思います。 愛理を束縛する母親の生き霊の問題が解決されるかな、と思ったらされなかったのでそこだけ少しもやもや。
第一話 死神の箱/第二話 雪の歌 星の声/エピローグ 魔法の夜 優しい人達の世界にも苦しい事や哀しい事があって、それでも優しい心を前面に持ち続けられる人が本当に優しい人なのかもしれない。 「みんながみんな、幸せならいいなあ、と。」 ふとした時にそう思える自分でいたいなぁ
「竜宮ホテル」の続編です。 主人公の水守響呼に村山先生の姿を重ねつつ読みました。 クリスマスの時期に読むと、しっくりくるかもしれません 相変わらず妖怪猫耳少女ひなぎくちゃんは可愛いです。 ゆっくりと流れる時間の中で、ファンタジーな世界が広がる感じに、ほっとします。 誰もが幸せでありますように。...続きを読む 作者の思いが込められている気がしました。
雰囲気は良い。前巻からの惰性な感じ。表紙は良い。表紙の女の子誰だ。と考えてよく見たら羽の生えた猫抱いてるということは、彼女ね。主人公は描いてもらえないの?
第2弾 今回はクリスマスをテーマにしたお話だったのですが…真逆の季節に読んでしまったので、またクリスマスの時期に再読したいと思います。 今作もひなぎくちゃんがとっても可愛くて癒されました(*´꒳`*)
『きっと人間たちは…魔法なんてない、全部科学で説明できることだって思ってる』 科学技術が進んだ現代社会。『人間の世界には魔法はないんだよ』と言い切れるくらいに、この世のことは次々と科学の力で説明されるようになってきました。もしタイムマシンがあって、例えば江戸時代の人が現代社会に現れたとしたら、鉄の...続きを読む塊が空を飛ぶのを見上げ、天守よりも高く聳え立つビル群を目にし、そして江戸の屋敷にいる人が京の都にいる人と画面を通じて気軽に会話できる、そんな光景を目にしたとしたら、それは妖術の為せる技だと思うかもしれません。もちろん、現代社会にだって解明されていない事ごとは沢山存在します。しかし、それは単に私たちが江戸の世から来た人と同じであって、遠い未来社会には、全てが科学の力で説明される、そんな時代が来るのかもしれません。 …とすらっと美しくまとめたこの出だしの文章。しかし、本当にそうなのでしょうか?科学技術が発達した現代社会にあっても、この世には不思議な事ごとがあまりに多すぎるように思います。そもそも科学の力で説明できているように感じる事ごとだって、本当にその説明は正しいのでしょうか?一見、説明できていると感じる事ごと。『ほんとうは、人間の世界には、人間に紛れて暮らしている魔法使いや魔女がたくさんいて、そういうひとたちが機械を動かしたり、夜の街に明かりを灯したりしている』。それこそが真実ということはないのでしょうか? …と叫んだら、恐らく私は危険人物と見做されるだけでしょう。現実の世界とは味気ないものです。しかし、私たちは小説を読むことができます。そこでは、いろんな”もしも”を経験することができます。そこでは、『魔法や奇跡』が当たり前に起こっても構わないのです。『一瞬でも笑いや幸福がそこにある、それが大事なのだ』と、小説が存在する意味を語るこの作品の主人公・響呼。そんな響呼は『妖精から授かった祝福の力によって、異界の住人たちを左の目で見ることができる』力を持ちながら、一方で作家を生業としています。そんな風に不思議な力を持つ作家が主人公となるこの作品。そんな作品の中に展開するまさかの事ごとを目にした時、それでもあなたはこの世に魔法なんてないと言い切れるでしょうか? さて、「竜宮ホテル」の続編として刊行されたこの作品。『今回は丸ごと一冊クリスマスです』と語る村山早紀さん。『冬のひととき、あのホテルにつかの間滞在して、登場人物たちと同じ時を楽しむような、そんな気持ちになっていただけたらな、と思って描きました』とおっしゃる通り、全編に渡ってクリスマス色に彩られた非常にカラフルな色彩が目に浮かぶような作品に仕上がっています。そんなこの作品は異なる主人公に光が当てられる〈第一話〉と〈第二話〉、そして最後に〈エピローグ〉が作品をまとめる連作短編の形式をとっています。 村山早紀さんの作品というと、なんと言っても『風早(かざはや)の街』が舞台となります。その中でも「竜宮ホテル」は、不思議な出来事の度合いの強い作品でした。そんなこの続編の第一話は〈死神の箱〉という短編。読者は「竜宮ホテル」の雰囲気感へ一気に入っていくことになります。 『十二月初めのある早朝、数晩続けての徹夜の末、ついに物語は書き上がった』と担当編集者にメールで原稿を送ったのは主人公の水守響呼(みもり きょうこ)。『終わったあ…』とのびをしながらベッドの上に目をやると『猫耳の少女と二匹のくだぎつねたちの』姿がそこにありました。『ひなぎくを起こさないように、音を立てないように、そっと、カーテンを開ける』と『真珠めいた色の薄明かりに包まれている』『霧の朝』がそこに見えます。『海のそばに建つこのホテル』から何度も見た夜明け。『魔法や不思議なことが始まりそうな、そんな予感さえ感じさせる、謎めいた、深く美しい霧だった』といつもより濃い霧の景色を見てそう響呼は感じます。そんな響呼は遅めのお昼をホテルの『コーヒーハウス「玉手箱」』のカウンター席でとりました。『響呼先生、出席するんでしょ?』と隣に座った『売れっ子少女漫画家の月村満ちる先生』が訊きます。『ホテル風早での、クリスマスパーティーですか?』、『あら、忘れてたの?響呼先生、出席するんでしょ?…忘れちゃった?』、『ええといまいち、記憶になくて…あのう、パーティっていつでしたっけ?』、『だから今夜』という二人の会話。『ひなぎくちゃんと今夜は街にご飯でも食べに行こうかと思って』いた響呼は戸惑います。しかし、『出欠の葉書に、「連れ一名」って自分で書き込んでたわよ?』と続ける 満ちる。そんな二人のやりとりを聞いて『うんうん、とカウンターの中にいる愛理が楽しげにうなず』きました。ホテルのオーナーから『店を任されている』愛理。『足下からかわいらしく包装された、大きな包みを取り出し』ました。『小公女みたいな天鵞絨のワンピース』をひなぎくにプレゼントするという愛理。『靴はわたしが』と言う 満ちるに、結局響呼はパーティへ行く準備を始めることになりました。そして愛理にも手伝ってもらいながらの身支度中、『元旅の魔法使いこと、佐伯老人』が『古い大きなトランクを提げ』て現れました。『パーティにいいような首飾りやブローチ』を持ってきたと言う佐伯は、トランクを開けて愛らしいブローチを取り出します。『こんな高価そうな物』と言う響呼に『昔、わたしの妻が舞台に立つときに胸元にかざっていた物です』と言う佐伯は『もう一度光に当ててやってください。その方がネックレスも、そしてきっと妻も、喜びます』と続けます。そのブローチを『うっとりとして』見入る ひなぎく。そんな時『あら、これは?』と 満ちるがトランクに手を伸ばしました。『まるで血でも滲んだように、脂染みて赤い液体がしみこんだような色をした、どこかまがまがしい、古く小さな木彫りの箱』を見て響呼は寒気を感じます。『箱から部屋の中へと立ち上る、邪気を放つ妖気のようなものを感じた』響呼。そして『ぴん、と黒い耳を二つ真上にあげて、気味悪そうに、箱の方を見つめ』る ひなぎく。『寄せ木細工ね…なかなか…開かないわねえ』と箱を開けようとする 満ちる。そんな 満ちるから『箱を受け取り、そっとトランクにしまい込』んだ佐伯は『開ける必要と定めにあるものだけが、この箱を開けられるのだそうですよ』と語ります。『箱の中に「いる」ものがそれをきめる』と続ける佐伯。思わず『中に ー この箱の中には、いったい何が入っているんですか?』と訊く響呼に『死神です。この箱には、死神が入っています』と答える佐伯は『昔、東欧のある街の夜市で、わたしはこれを手に入れました』とその箱について語ります。『代々の持ち主に死を呼ぶ箱だという』その話に『なんで、そんな箱を…?』と訊く響呼。佐伯は『面白い、と思ってしまったんです。ほんとうにそんなことがあるのなら、それもまたいいかな、と』、そう言うと『疲れたような顔をして』佐伯は出て行きました。そして、クリスマスパーティへと赴く響呼と ひなぎく。そんな夜に、『不吉ナモノガアラワレタヨ』と寄せ木細工の『箱』が巻き起こす、まさかの出来事に二人は巻き込まれていきます…というこの短編〈死神の箱〉。「竜宮ホテル」の主要な面々が顔を覗かせながら、クリスマス色に満ち溢れたファンタジー世界が展開する好編でした。 前作「竜宮ホテル」から一貫して主人公となるのは作家の水守響呼です。『きれいでかわいらしいメルヘンや癒し系のファンタジーを書いている作家』というその設定はどこかこの作品の作者である村山早紀さんを思わせるところがあります。この続編「魔法の夜」では、そんな響呼がますます村山さんご本人なのではないか?と思わせるような描写が多々登場します。小説に登場する主人公を作家とする場合、かつ、その主人公を第一人称として作品を展開する場合、そこにはどの程度、作者本人の考え方、生き方が投影されるものなのでしょうか?この作品はそんな視点からもとても興味深いものを感じさせてくれます。それは冒頭の記述から始まります。『十二月初めのある早朝、数晩続けての徹夜の末、ついに物語は書き上がった』という瞬間、『死闘は甘美な勝利に終わり、わたしは口元に笑みを浮かべつつ、原稿をメールに添付して、担当編集者あてに送った』という表現は、作家のリアルな作品完成の瞬間の感情をまさしく言い表していると思います。全ての作家さんが徹夜、徹夜での作業ということもないと思いますが、村山さんは夜に取り組むことに拘られてこんな表現も盛り込まれます。『自分の経験からして、一日と半、三十五時間くらいなら寝なくてもなんとかなるとわかっている』というその表現。『いやそれを推奨するわけではないけれど、たとえば〆切り前に寝ないで元気に小説を書いていられる時間が大体それくらい』という記述は、そこに響呼ではなくて村山さんご本人の姿が浮かび上がります。また、村山さんの作風と重ねる響呼の台詞を通して、こんな表現も登場します。『わたしはかわいい癒やしの世界だけを描きたい作家じゃないですよ』と語る響呼は、『ときどき自分が、癒やし製造機みたいに思われてるんじゃないかと思うときもありますけど』と自身の作風をネタに会話を続けます。この辺り、これはまるで村山さんのエッセイを読んでいるのではないか、そんな風に不思議な気分にもなるほどに、この「魔法の夜」という作品は作家・水守響呼、そして、その後ろにいる村山早紀さんの存在を色濃く感じさせる作品だと思いました。 そんな作家を感じる作品とはいえ、それ以上にこの作品は『魔法や奇跡』が身近に存在する『風早の街』を舞台にした物語です。『先祖から受け継いだ、あやかしを見る』左目を持つ響呼。そして『妖怪の隠れ里から来た』と猫耳を持つ ひなぎくなど、『風早の街』を舞台にした作品の中でも、不思議感が色濃いこのシリーズ。この「魔法の夜」に収められた二編も、不思議色は満載です。『この箱には、死神が入っています』という寄せ木細工の箱が登場する〈死神の箱〉では、『ああ、なるほど、ひなぎくはモンスターだから、その特殊能力でアポロが見えるのか』と『光のらいおん』というまさかのライオンの霊までもが登場します。また、〈雪の歌 星の声〉では、『幽霊としてあちこちさすらいながら自由に暮らしている』という元アイドルタレントの桃原ことりが登場します。『街を歩いていると、大概みんな見えないか、見えてもぎょっとした顔をする』ことに『幽霊だからってそこまで嫌がることないのにねえ』と口を尖らせる ことり。『ちょっと死んで化けて出てるだけじゃない?ねえ、先生?』と親しく語る様は、もう幽霊という次元で説明する域を超えています。こんな風にレビューで抜き出して書くと、”意味わかんない!”と普通はなるはずです。私だって初めて村山さんの作品を読んだ際には、そのファンタジー度の強さに面食らいました。しかし、今はそんな思いも吹き飛んだ、というより『風早の街』という世界ではもうなんでもあり!と感じさせる包容力の大きさにすっかり魅せられていることに改めて気づきました。 そして、このエッセイが入り混じったかのような作品で村山さんが語るのは、ファンタジー世界を綴られていくご自身の小説執筆への強い想いでした。『マジックを見せても、ピエロの芝居で笑わせても、それは永遠に残るものじゃない』というエンターテインメントの現実。しかし『一瞬でも笑いや幸福がそこにある、それが大事なのだ』と語る響呼は『永遠でないということは、宇宙に一度も存在しないのと同じではない』と続けます。『小説もそんなものかも知れない』と言う響呼。『わたしが物語を書いて、それで読んでいる間幸せになったり、笑ったりしてくれるひとたち。その気持ちはきっと永遠ではないし、本を閉じれば忘れてしまうものかも知れない。けれど、その本を読んだ時間に意味がなかった、そんなことはないのだ』と続ける響呼の台詞の向こうには、村山さんの姿がふっと浮かび上がるのを感じました。私は村山さんの作品と出会って、小説の中に現実には存在しえないもの、現実には起こりえないことが、普通に存在し、起こる瞬間を見てきました。日常経験できないそのことは普段、私が使わない脳の領域を刺激する事で、それは驚きとなり、喜びとなり、そして涙という物理的な存在となって姿を現します。読書は趣味の世界です。嫌いな作品を無理して読む必要などありません。ファンタジーなんて…とおっしゃる方もいらっしゃると思います。でも、もしそんな思いを抱いていらっしゃる方の中に、それに触れずして、いわば食わず嫌いでそうおっしゃっている方がいるとしたら、それはあまりにもったいないことだと思います。村山さんの『風早の街』を舞台にした作品群は、そこに魔法や奇跡を見るものです。そんな世界にはいっ時でもあなたを幸せにする、そんな魔法の世界がきっと待っていると思います。 『人間は、魔法を使えないかもしれない。けれどきっと、ささやかな願いや、美しい祈りを未来に伝えていくことは出来る』。私たちはファンタジー世界から離れた現実の中に生きています。しかしそんな現実世界には様々な言葉が溢れています。『言葉は、傷を覆う薬になり、凍える体をふんわりと包む、優しい羽毛になるのかも知れない』というその言葉の力。そんな言葉が魔法や奇跡を作り出してくれるこの作品。クリスマスの夜には奇跡が起こる、それはまさしく私たちになくてはならない言葉というものが現実世界に見せてくれるいっ時のファンタジーの世界なのだと思いました。 同じ舞台設定にも関わらず、前作「竜宮ホテル」に比べて、かなり雰囲気感を異にするこの作品。幾分あっさりと展開するその内容が、逆に村山さんのエッセイを読んでいるような、そんな気にもさせてくれた作品でした。
竜宮ホテルシリーズ2巻目。 少し陰鬱な印象から始まった1巻に比べて随分雰囲気が軽やかになったのは、響呼の心が軽くなったからなんだろう。 響呼がホテルやひなぎくの存在に救われたように、今回で佐伯さんの願いが叶ったように、愛理の問題にも救いがあると良いと思う。 満ちる先生のあっけらかんとした強さを感じる...続きを読む女性、結構好き。
今回はクリスマス前後で起きる話。ひなぎくを色々クリスマスにちなんで連れて行きたい主人公は、休みが取れたもののなかなか一緒にどこかに行ったりできず、パーティではひなぎくを見失い、事件も起きてなかなか大変です。でもこういうマンションとか憧れるし、楽しそうで羨ましいです。
竜宮ホテル続編。 相変わらず、優しい雰囲気、温かい世界観で、そしてちょっと切ない。 何とも言えず、心地よいお話です。 サンタとの接触を試みるひなぎくがとっても可愛い!! キャシーのお話もとってもよかった! 安斎先生もスパイシーで愉快なキャラクターで好き クリスマスという時期とイベン...続きを読むト感が、風早の神秘的な雰囲気と相まって、キラキラしてていい感じだった。 ほっこりする〜
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