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ユーロ危機を招いたギリシャ支援における頑なな姿勢、ロシアや中国への接近と米国離れ、学者やメディアの誤解に基づく日本批判――EUのリーダーであり、GDP世界第4位の大国が、世界にとって、そして日本にとって、最大のリスクになりつつある。ドイツは変質したのか? それとも、ドイツに内在していた何かが噴き出したのか? 気鋭のジャーナリストがドイツの危うさの正体を突き止め、根強い「ドイツ見習え論」に警鐘を鳴らす。
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Posted by ブクログ
2015年9月刊行の本だが、テーマであるドイツリスクがプーチンのウクライナ侵攻で顕在化しているので再読。 ドイツのロマン主義というか観念論的というか、テーゼに酔って突き進むという国民性は確かにある。著者は「夢見る政治」と呼ぶが、それはアングロ・サクソンの経験主義・現実主義の対極にある。 現在のプ...続きを読むーチンのウクライナ侵攻に関わる部分は、できそうにもない「原発廃止」というテーゼに突き進み、電力不足からのロシアの天然ガスへの依存。親プーチンな人物も多く、十分な制裁ができないのは多分にドイツの事情である。 ドイツは元来、親中国であり第一大戦後にドイツの軍事顧問団が蒋介石の国民党軍を指導し、さらに大量の武器を輸出(戦間期ドイツの復興の原資は中国の武器購入も大きかった)、そのため上海事変で日本軍がかなりの損害を受けた。 明治政府がビスマルク時代のドイツの立憲君主制が日本に近い制度と考え、帝国憲法や軍隊(陸軍)や教育(大学制度)にドイツ式を採用したためドイツに親近感を覚える日本人は過去に多かっただろうし、第二次大戦では同盟関係にあったことから戦後生まれの自分にも親ドイツの感情が子供のことからある。メッシャーシュミットやパンサー戦車のプラモデルは人気だった。 ところが、このわずかな時期をのぞき、特に現代はドイツは基本的に親ロシア、親中国と考えた方がよい。日本人のドイツびいきはとっくに時代遅れになっている。 本書にも書かれているがナチスドイツのホロコーストという最大級の負い目を持つドイツ人は歴史認識問題などで日本人に対し常に道徳性な優越性を見せたいと思っており、日韓、日中の問題で日本を非難することが多い。 それ以外にもドイツ人について多くの示唆が得られる良書。
ドイツの人々が、いろいろな機会にあらぬ方向に暴走することを、事例によって教えてくれる。理想を追い求める「夢見る人」であるが、何かおかしい。 顕著に表れたのが、福島原発時の反応。英国と対比されて、eccentric さを思い出した。 日本を振り返って似た香りを感じざるを得ないのだが、反面教師としなけれ...続きを読むば。
日本人のドイツに対する印象は、概ね良いと思う。私自身もそうだった。しかし来日したメルケル首相の歴史認識についての発言には少し戸惑いを感じた。完全に中韓擁護だったからだ。 知っているようで知らないドイツの実際を知ることが出来る一冊。おすすめ。
思ったより骨太な1冊でした。本当のドイツを知らずに親近感を抱く日本人。マスコミがいかに表層的で偏っているかを、再認識させられました。ドイツの中国への傾倒、肩入れは早くもあちこちで軋轢を生んでいるようですが。
戦後ドイツは世界の優等生という評価が一般的となっているが、根底には200年続くロマン主義への傾倒があり、実利的・合理的というよりも理想論的・観念的な行動様式が重要な意思決定に際して顔を出す、という著者の主張。 アフリカ難民問題しかり、反・脱原発しかり、親中国的心情しかり。 何ごともイメージだけに...続きを読む頼り、手放しで称賛するべきではない、ということか。
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