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Posted by ブクログ 2016年04月28日
400ページ弱、新書としては厚い方だろう。
「生きて帰ってきた」というタイトルの通り、ひと言で言えば、シベリア抑留を体験して帰国した元日本兵の一生ということになるのだが、本書はそれだけには留まらない。
地味な体裁、淡々とした語りの奥に、昭和初期以降の庶民の暮らしが詳細に活写されている。
大上段に振り...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月09日
古本屋で何気なく手にして読み始めた。
小熊英二が社会学の英知を傾けて描いた父親の『自分史』である。社会状況や経験した事実を丹念に聴き取り丁寧に書いている、視点や文調が独特で新鮮だ。
戦争に明け暮れた昭和の混乱期、逆境を這いながら地道に生きた父親の人生を口承で辿った一人息子の計らいに共感を持って読むこ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月31日
戦前・戦中・戦後を生きた一人の国民の人生を、それぞれの時代の社会背景を交えながら綴った歴史書であると言える。
記述の対象は、小熊英二先生の父親である小熊謙二氏。
先の戦争に学徒兵として徴兵され、満州にて終戦を迎える。その後、ソ連軍の捕虜となってシベリアに3年間抑留された。
帰国後もなかなか安定した...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月28日
ある一般市民がどのように戦争に巻き込まれ、戦後を生きたか記録されている。
戦時に始まり、シベリア抑留から帰国するところで終わる本だと思っていたが、彼の両親・祖父母がどのように暮らしていたかから丁寧に紐解かれ、彼がどのようにして徴兵されたか、戦後どのように生計を立て、引退後の生活をどのように過ごした...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月14日
著者の父で、「立川スポーツ」創業者・経営者でもあった小熊謙二の戦争体験・戦後の生活史体験の聞き取りの記録。1925年生まれの小熊謙二は、北海道・佐呂間に生まれ、北海道に残った父と離れて東京の祖父母のもとで育ち、早稲田実業学校卒業後に富士通信機に勤めるが、1944年に徴兵のため召集。電信第17連隊の...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月12日
面白くって2日で読んだわー!
著者の父親の聞き書きを基にした、20世紀前半に生まれた名もない日本人男性のライフヒストリー。
北海道への移住、上京、就学と就職、徴兵。シベリア抑留。帰国後の困難な再就職と結核治療。景気の上昇。結婚と仕事の成功。マイホーム。
昭和初期、小学校を出たら日銭稼ぎでも働くのが当...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年05月27日
小熊謙二の生涯の軌跡をたどっていくことで戦前から戦中、そして戦後の日本の姿を描いている。著者の小熊英二(謙二の息子)があとがきで書いているように、本書が他の戦争体験記と異なるのは次の二点。
・戦時のみならず戦前と戦後の生活史がカバーされている点
・個人的な体験記に社会科学的な視点がつけ加えられている...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年02月25日
読む前は一時期話題となったフィリピンの密林から帰ってきた日本兵の話と思っていたが、本書はシベリア抑留から帰還した方の話だった。
私の母方の祖父もシベリア抑留からの生還者であったが、今まで全く知らずに生きてきた。本書を通じてその経験者の生の体験を知ることができ、その過酷さや当時の背景を知ることができ...続きを読む
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