鎌倉仏教

鎌倉仏教

935円 (税込)

4pt

4.0

法然、栄西、親鸞、道元、日蓮、一遍―彼らを開祖として鎌倉時代に相次いで勃興した新たな宗教運動は、日本思想史上の頂点をなすと広くみなされている。「鎌倉(新)仏教」と呼ばれるこの潮流は、民衆を救済対象に据えたという点において、とりわけ高く評価されてきた。だが、新仏教の意義は、はたしてこの民衆的性格に言い尽くされるのか? 本書では、旧仏教との異同を深く掘り下げて考察することで、鎌倉仏教の宗教的特質の核心をあざやかに浮き彫りにする。思想家である前につねに実践の人であった偉大な宗教者たちの苦悩と思索の足跡をたどり、中世仏教の生きた姿をとらえた好著。

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鎌倉仏教 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年01月05日

    善行を積む、ということがイコール「寺への土地の寄進」を意味した平安末期において、「財を積むという努力する必要なし、他力でよい」と訴えたことが貧しい人々にどれほどインパクトがあったか、同時に、律令制が崩壊、公権力による鎮護国家仏教の庇護が縮小し、寺が自ら荘園を経営せざるを得なくなっていた時代に「寄進無...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年01月15日

    これまでの仏教研究の成果を踏まえて、著者が独自の解釈を加えて鎌倉仏教の祖師たちについて考察している。この本を読むと、鎌倉時代を民衆と友に生きた法然や、親鸞、日蓮のことを生き生きとしたイメージがわいてくる。

    宗教のクオリティは、その宗教を信奉する人の生き方によって変わる。
    自分がどう生きて行きたいの...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年09月14日

    仏教が民衆支配の強力なイデオロギー装置として機能していた中世にあって、法然、日蓮の思想とそれを引き継ぐ弟子たちに権力に対峙できる信仰を見出すことができることを論証した本。好著。室町時代に至る記述も分かりやすい。

    ・〈選択〉主義を捨てて伝統仏教との融和を目指すという方向は,日蓮や道元の教団でも全く同...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年02月16日

    1994年に刊行された、著者の鎌倉仏教にかんする解説書の文庫版です。

    いわゆる鎌倉新仏教による専修の主張は、民衆にとって荘園支配を支える仏神的なイデオロギーを否定する意義をもっていたと著者は論じています。こうした見方は、田川建三のイエス論を連想させる内容ですが、こうした視点からの研究は、いまではや...続きを読む

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