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Posted by ブクログ 2016年12月14日
淡々とした筆致で、日本史の暗部を描いたノンフィクションに近い小説。
細菌兵器。
命を大切にするという常識的な道徳・倫理感よりも、資源のない日本のために、細菌兵器という科学技術開発に、心血を注いだ天才的な医学者の戦争参加。
日本的な、あまりに日本的な組織の動き方に慄然とした。
細菌兵器の開発か...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年10月08日
これまで吉村昭の小説の中に731部隊に関するものがあることを知らずにいた。この小説が世に出たのは昭和45年頃で「細菌」というタイトルだった。
私が読んだのは4版目で今年の4月に出されたものである。私が最初に731部隊を知ったのは、森村誠一の「悪魔の飽食」(昭和58年)からだったが、その14年前に出て...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年04月27日
「時代の狂気」というのか、「狂気の時代」というのか、恐るべき企みに「大変に優秀な科学者」が熱中していく様が、何やら怖い…
“曾根二郎”とは、実在の人物をモデルとはしているが、飽くまでも「小説の主人公」である。そして本作は、「具体的な個人名」で語られる劇中人物は“曾根二郎”のみという印象である…そう...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月21日
第二次世界大戦中、満州で行われていた捕虜を使った細菌の人体実験や戦争で使用された細菌兵器の製造などが行われてたとされる731部隊(関東軍防疫給水部)について描かれている。京都大学医学部出身の曾根二郎(人物はフィクション)は細菌学者として細菌兵器の開発を満州にて行う。コレラやチフスなどの菌を蚤を使って...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年10月09日
太平洋戦争の際に日本軍部が取り組んでいた細菌兵器を開発していた「731部隊」に関する歴史小説。
吉村昭の作風らしく、事実を淡々と伝えるアプローチで、却って迫ってくる恐怖を感じる。
ナチスの残忍な行為もそうだが、人間が人間性を失っていく、これが「戦争」の狂気、そして愚かなところ。この部隊を率いる石井四...続きを読む
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