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幼い息子を虐待して殺した母親を逮捕──残酷な事件のニュースが、人々の心に起こした波紋。離婚、不妊、予定外の妊娠、親子の確執、嫁姑問題……悩める8組の家族の人生の転換期を、鮮やかな手法で描いた感動の短編集。
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Posted by ブクログ
家族の形はそれぞれ。一緒に過ごせる時間を大切にしたいと感じた短編集。『ひとごと』ではあるが、『ひとごと』ではない。
ひとごと、というタイトルではあるが、現実にも十分あり得る内容だ。 本当に、森さんは「家族」をテーマにした小説を巧みに描いてくださる。 とても心に響いたのは、かたくなな結び目、に書かれていた、「どうすることが最善の選択なのか分からない。どんな道を選んでも、きっと悔いは残るはずだ。」
この家族のシリーズを読むとほっとするのは、皆なんらか上手くいかない事を抱えながら日々を過ごしているのが普通だと思えるから。 嫌な事から目を背けたり、逃げようとせず、図太く、したたかに、臨機応変に向き合う。 これ、本当に大事。
あらすじ(背表紙より) 交通事故で幼い息子を失って以来、亀裂のできた夫婦の縁を描いた「桜ひらひら」。妻が娘を残して家出。イクメンとして有名な夫だったが、実際は何もできず…「仮面パパ」。一見バラバラな8つの物語は、幼い息子を虐待して殺してしまった母親のニュースに触れる8組の人々を巡っていく―。それは“...続きを読むひとごと”と言い切れるのか。それぞれの人生の一片を、温かくも鋭い眼差しで切り取り、家族の絆を描く感動の号泣小説。
著者の作品らしく安心感、安定感があります。 設定、描写が細かくリアルで「ひとごと」ではありませんでした。
夫婦や家族を描いた短編。 事故で子供を失った夫婦。 事情を抱えた妊婦。 外面のいい夫(父親)。 父と息子と孫。 養子を迎えた夫婦。 母と息子。 捨て犬。 嫁姑問題。 それらは、どこかで子供を虐待して殺した母親のニュースに触れているという形になっているらしいし、確かにそうなんだけど…そういうのがなくて...続きを読むも、それぞれの話は良かった。 2017.2.23
想像より仰々しくなくて日常のような。 少しずつ毒があるけど、優しさでつながると信じたい。 よくもわるくも、片意地張ってられないのが親子なのかな。
家族をテーマにした短編集。それぞれがじんわりときて良い。どんな人だろうが家族という関わりはあり、また一寸先にどうなるかわからない。近しいからこそ様々な感情が絡み合う存在。 そこに見る家族像は果たして『他人事』なのだろうか。 どの短編にも同じ内容のニュースの一文を入れており、どの章の結果にも左右し...続きを読むないが、一つの本としての完成度を高めていてうまいなぁと思う。
仮面パパ、のなんとも言えない読後感。 ひとごとだと思ってニュースを見てしまう、世の中がすごくリアル。
あとがきにあるとおり、『問題を抱えていても、それでも歩みを進め、解決には至らなくても、すっきりとしたハッピーエンドではないにせよ、ラストには小さな光』を残されておられる作品でした。 個人的には、スカッとする、または、ハッピーエンドやバッドエンドでもいいのではっきりとした結末となる作品が好きです。 な...続きを読むので、本作品を読み始めたときは、正直すっきりしない結末だなと思いました。 ただ、森浩美さんの作品は、我が身に降りかかってきそうなこと、それらを丁寧に優しく、たしかなハッピーエンドとはいえないけれども、リアルに書かれておられました。そこがこの作家さんの魅力だと思います。
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