このお話は、原題の「ピグマリオン」よりも、ショーの死後、ミュージカル化、後に映画化されたバージョン、「マイ・フェア・レディ」のタイトルでの方がよく知られているだろう。
「踊り明かそう」(I Could Have Danced All Night)、「素敵じゃない?」(Wouldn't It Be Loverly?)、「ほんの少し運が良けりゃ」(With A Little Bit Of Luck)と、何せ名曲揃い。貧しい娘がぐんと垢ぬけていくさまは劇的で見せ場も多い。
きわめて上品な言葉遣いを習得する一方で、つい元の地金が出てしまう可笑しさもある。
コックニー訛りを直そうとヒギンズが考え出したフレーズ("The rain in Spain stays mainly in the plain"(イライザはaiを「エイ」ではなく「アイ」と発音する)、"In Hertford, Hereford, and Hampshire, hurricanes hardly happen"(訛りがあるとhが抜ける))も有名だが、これはミュージカルのオリジナルというのは意外なところだ。