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楚漢の天下争いは勝負がつかない。圧倒的な項羽軍の前に、穀倉のある山にのぼってこれと対峙する劉邦軍。やがて和議成って故郷に帰る項羽軍を劉邦は追撃し垓下に囲む。ある夜、包囲軍の中から楚の国の歌が湧き上がるのを聞いた項羽は、楚人はことごとく漢に降伏したかと嘆き、天が我を滅ぼしたことを知る。あらゆる人物の典型を描出しながら、絢爛たる史記の世界を甦らせた歴史大作。
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Posted by ブクログ
紀元前の話がこれだけの逸話と共に残っていて言葉や教訓としても現在まで伝わっていることに感銘を受けた。あとがきにあった、この後のアジア地域の停滞の背景が気になる。
物語の終わりが項羽の最期、壮絶だったけれど、締めくくりには良かった。覇王別姫のシーンも読むことが出来ました.人間味のある魅力的な人物が多く描かれていて引き込まれる。印象に残るシーンが多いです。 劉邦に仕える韓信の強さが際立っていて、独立心があれば「項羽と劉邦と韓信」もあったのでは、と想像してしまう。...続きを読む 人間の魅力とはなにか、この長編を読みながら終始考えさせられました。
局面での戦闘においてあれだけ強い項羽が、劉邦を悉く追い詰めながらも、突如として転がり落ちるように没落して、最終的には劉邦が勝つという、その流れや理由をきちんと知ることができて良かった。また、あまりに有名な四面楚歌や項羽の詩を全体の文脈の中で読むことができ、当時の項羽の心境に肉薄することが出来たように...続きを読む思う。この辺りは筆者の筆致のなすところであった。また、莫大な褒賞が掛けられた項羽の死体をちぎりあった話も人の欲望の逸話として、あるいは劉邦の性質を示す逸話として、非常に興味深かった。
武のカリスマ項羽と究極の凡人劉邦の苛烈な戦争譚だった。これで何で劉邦が天下を取るのかも不思議にも感じるくらい。 項羽と虞姫の話や無欲な張良、劉邦の部下であろうとする韓信など、人柄が分かるエピソードもこの物語を肉付けしていて、結末を胸に迫るものにしている。 これはもう再読必須ですわ。
年末年始休暇を使い読破。 項羽と劉邦という全く異なる2人のリーダーを軸に始皇帝亡き後の楚漢戦争を描いた司馬遼太郎の大作。 中国のスケールの大きさに圧倒されます。 歴史の勉強にもなります。 項羽の壮絶な最期は、司馬遼太郎の筆が冴え渡り。情景が浮かんできました。
上、中、下巻あるけれど是非。 10年以上前に初めて読んで、2、3年前にもう1回読んで普通に面白かった。 たぶんいつか、また読みそう。
筆に勢いのある司馬遼太郎。項羽と劉邦の人格の違いが魅力の本作ですが、その違いは中国の風土・文化への丁寧な分析と構成のなせる技。特に食うに困った「流民」の概念が全体のベースになっているのは、なるほどと。各所で良い味を出している諸子百家の士や客たちも戦国期の農業生産性の向上による自立農の増加から生まれた...続きを読むことや、そうした思想に加えて民族的にも多様な層がおり混ざる坩堝的なカオス、その中でも共通基盤となる中国的文化などなど、中国の魅力がこれでもかと練られ項羽と劉邦に集約された名作。
負け続けた劉邦が何故勝つことができたのか。 「賢者は自分のすぐれた思考力がそのまま限界になるが、袋ならばその賢者を中へ放り込んで用いることができる。」 劉邦は愛すべき愚者、大きな袋だったと言う話に、勇気付けられる。
将の将たる人と将たる人の違い。でもやっぱり将として優れていないと、将の将たる人にはなれないということもあるし、常に変わり続けるしかないのだなと。
ついに「項羽と劉邦」完結。 下巻に入っても途中まで全く劉邦に勝つ要素が見受けられなかったのですが、気がついたらあれよあれよと逆転していました。 結局、劉邦の勝因は何だったのか。やっぱり何もかもを飲み込む寛容さなのかな。項羽は身内以外にはあまりに冷た過ぎた。 背水の陣や四面楚歌といった有名な故事...続きを読む成語もこのときのものだったんですね。萌えました。 てか、項羽って31歳だったんだ…若っ!! この時代の濃密さを感じます。。
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