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『本の雑誌』が選ぶ 2014年ベスト10(ノンジャンル)の第1位 獲得! ! 終戦から10年、主人公・左織(さおり)は22歳の時、銀座で女に声をかけられる。風美子(ふみこ)と名乗る女は、左織と疎開先が一緒だったという。風美子は、あの時皆でいじめた女の子?「仕返し」のために現れたのか。欲しいものは何でも手に入れるという風美子はやがて左織の「家族」となり、その存在が左織の日常をおびやかし始める。うしろめたい記憶に縛られたまま手に入れた「幸福な人生」の結末は――。激動の戦後を生き抜いた女たちの〈人生の真実〉に迫る角田文学の最新長編。あの時代を生きたすべての日本人に贈る感動大作!
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年04月09日
自分を正当化してしまう、無意識のうちに他人を妬んでそのことに戸惑うなど、場面ごとの繊細な心理描写に引き込まれた。
章を追うごとに過去の出来事が詳細に描かれていく流れがあり、続きが気になって読み進めてしまったが、それだけでなく主人公から見た「風美子」の印象がコロコロと変わっていくのが良い意味で特徴的だ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年01月06日
疎開先が一緒だった佐織と風美子は、夫が兄弟の義姉妹。
性格のまるで違う二人、戦後から現代へ、女の友情と家族の物語。
疎開先での生活が根っこだと、風美子は言っていましたが、佐織にとっても同じだったのでしょう。
風美子は、そこからの反骨精神で強くたくましく生き、佐織はその記憶に振り回され、不安を感じな...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年12月17日
左織に全然感情移入ができず、途中イライラしながら読み進めた。ただきっと、左織はあの時代の中の「普通」の人で、いつのまにか周りに置いてきぼりにされ、「普通」をアップデートできないまま、ずっと鬱屈していってしまう人もたくさんいるんだろうな…と思った。
風美子のことを「主人公」にするのではなく、左織のよう...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月17日
敗戦からの復興、高度成長期真っ只中の日本。
めまぐるしく変わっていく激動の時代を生きた二人の女性の話。
時代の変化に対応できず、
疎開先でのつらく寂しい記憶にいつまでも心を囚われ、いろんなことを他人のせいにして自分の人生をうまく歩けない左織。
自分の力で運命を切り開く風美子。
疎開先で一緒だった二...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年04月22日
戦前、戦後、平成初期を生きてきた中流女性の独白。
中盤までは少々退屈。娘との確執が顕在化したあたりから、ぐっと引き込まれていった。
(時代背景を考えたらごく一般的な感覚ではあろうが)あまり視野が広く賢いとは言えない主人公が様々な困難に直面するも、その後明確な解決やカタルシスは無いまま物語は終焉に向...続きを読む
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