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人の心を操り、「思い込み」によって人を殺害する殺し屋・宇相吹正。彼の犯行は誰も証明する事はできない。人は彼を「不能犯」と呼ぶ…。子への愛、美貌への憧れ、禁じられた恋… 人間の欲望が新たな犠牲を生む。多田刑事以外に、宇相吹の能力が効かない男が現れる!?
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Posted by ブクログ
ホント、身の毛がよだつってこう言う事だな、とコミックスを閉じながら思う ひよどり祥子先生の『死人の声をきくがよい』、押切蓮介先生の『サユリ』、または市川ヒロシ先生の『どんぶり委員長』とは違った意味合いで、夜に読んじゃならない類の漫画 他の読み手に薦めるのが、第一の目的であるレビューで、こんな書くのは...続きを読む本末転倒ではあるが、正直なトコ、「平然と」までは行かないにしろ、(1)からドロップアウトせず読み続けられている私の精神は、どっかズレてるんだろう、と感じる。多分、この『不能犯』がストライクゾーンに入る人間は、漫画の好みじゃなく、人間性に歪みがある。まぁ、そもそも、その歪みが個性を生むので、まともな人間性なんてのはありもしないんだろうが、この『不能犯』のストーリーに引き込まれ続けたら戻れなくなりそう、いや、戻れなくなる、と頭じゃ判っていても、面白い漫画を吸収して自分の糧にしたいって心は抑制できない それだけの魅力が、この『不能犯』にある 宮月先生の原作に宿る何かを、ここまで漫画って形で引き出せるのは、星の数ほどいる青年漫画家の中でも、神崎裕也先生だけだろう 人間を、ここまで剥き出しにする宇相吹正の最終的な目的、それは自分の「呪言」の影響を受けない人間に自分を殺させる事。その瞬間に、彼は人間の本質を知る事が叶う。宇相吹もまた、人間としての自分の弱さに振り回されている一人か・・・・・・ そんな宇相吹に翻弄されまくりの刑事・多田 人を言葉だけで陥れ、絶望のどん底に叩き落とす宇相吹本人だけでなく、被害者を救えなかった自分への不甲斐なさに対する怒りと憎しみが綯い交ぜになった、ドス黒い感情に飲まれかけ、宇相吹へ「正義」の鉄槌を下そうとする多田 しかし、彼は越えちゃいけない一線の前にこそ立ちはしたが、踏み止まった 甘い、しかし、彼は間違ってないし、その心は弱くない、と私は思った 罪にこそ問えずとも、宇相吹の存在は悪だ。だからと言って、殺す事は正しい裁きじゃない。多田は、刑事と言う仕事を自分の意志で選んだのだ 男らしさや人間らしさでなく、刑事らしさを貫いた多田と、宇相吹の戦いはまだ終わらず、どこに向かう、いや、転げ落ちていくのか、それは誰にも分からない。神(原作者)のみぞ知る、と言いたい所だが、宮月先生も宇相吹の魔力に当てられてしまっているなら・・・・・・ 宇相吹を“殺せる”人間に、多田はなってしまうのだろうか 一方、宇相吹を、多田と同じように、けれど、異なる理由で追い続ける保坂 宇相吹の闇、それが生む死に魅了された彼は、ついに踏み外してしまう、道を 宇相吹は、凶器を手にしない殺人者だ。自分の手は、決して汚さない。そこに美学があるかどうかは置いておいて、保坂は自分の手を血で染めた、その手に人の命を終わらせる感触を覚えさせてしまった。人を死に追いやっている以上、宇相吹も保坂も最低の部類に入るが、どちらが生理的に受け付けないかと言えば、保坂である。既に狭まっていたコイツの世界は、これから完全に閉じるな、どんな形で幕引きとなるか、は分からないけれど どの話も強く記憶に刻まれ、それこそ、夢に出て来そうなレベルだが、個人的に推したいのは、第26話「顔」だ。下手をすると、性差別発言だ、と叩かれてしまいそうだが、女性の方が容姿の美しさに激しい執着を見せ、それを損なった時、復讐に駆らせるほど憎しみは燃え上がるな、と戦慄したので。女を「殺し」た宇相吹よりも、それを依頼した人間の方がよほど、おぞましい この台詞を引用に選んだのは、言葉よりも宇相吹の表情が強く印象に残ったので。何故、宇相吹はこんなにも寂しさと物欲しさが両立する顔となったのか、何故、彼はそれを知りたい、と思うようになったのだろうか。ただ、私は思う訳だ、脆さと強さ、どっちかじゃなく、両方があって人間だろう、と
読者の心を闇と病みへ誘う傑作。 1話完結から徐々に変化しつつあるが今巻の最後でもやっぱりやってくれました。 主役を含めていつ誰が死ぬか破滅するか闇に囚われるか分からないのが魅力。
「僕はただ... 知りたいだけですよ 脆さと強さ どちらが人間の本当の姿なのか...」 話のストーリー性が高まってきた巻。 探偵保坂が、やたら登場するなあ。 最後の話がいい感じにイかれてて好き。
マンネリ化を避ける
過去の登場人物が出てくるのは面白いです。
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不能犯
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神崎裕也
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