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記憶や人格などの情報をコンピュータに“ダウンロード”することが可能となった21世紀なかば、ソフトウェア化された意識、“コピー”になった富豪たちは、コンピュータが止まらないかぎり死なない存在として、世界を支配していた。その“コピー”たちに、たとえ宇宙が終わろうと永遠に存在しつづけられる方法があると提案する男が現われた……。
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Posted by ブクログ
この難解な本が理解できるようなり、この本を通して自分の成長を感じる。 読まないからと売ったり捨てたりせずに残してて良かった。 はっきり言って、用語について調べながら読まなければ、面白さよりも苦しさが勝ると思う。 私がこの本を購入したのは、7年前。私はまだ高校生でした。当時放送が始まったソードア...続きを読むートオンラインをきっかけに「仮想世界」について興味をもち、この分野について調べていくうちにグレッグイーガンに辿り着きました。
うーん、とても難解だった!w それでも総体として面白かったという印象を残すのだから、やっぱりグレッグ・イーガンはすごい。 オートヴァース内の化学的な描写は、正直なところ難しくて飛ばし読みしてしまった。あと、コピーのポールが真相?に至るまでの考察も。 だけど、そんな初心者をも楽しませてくれるのだか...続きを読むら、イーガンはすごい。上級者向けの細部を披露しつつも、初心者を振り落とさない。しっかりとストーリーの道案内をしてくれる。 だから読んでいる方も必死になってしがみつくことができて、タフな読書体験を獲得できる。 話の核となるのは、人間のコピーを作成してコンピュータ上で走らせるというもの。 単なるSF的アイデアの披露に留まらないのは、話が多層的だからだ。コピーという存在について、経済・法律・哲学などの複数の視点から語られる。だから、のめり込んでしまう。 コピー以外にも、ささやかなSF的エッセンスが散りばめられている。手の込んだ迷惑メールとか、新しいライブ鑑賞のスタイルとか。それ単体で短編小説になり得るレベルのギミックが差し込まれる。SF小説として非常に贅沢。 また、上巻としての終わり方がすごくサスペンスドラマ的で下巻が気になってしまう感じ。
イーガン凄い!コピーの権利の問題やフェッセンデンの宇宙をガチに理論化した様な世界のシュミレーションや塵から生まれる意識やらそれらが量子論や哲学等多方面から検討される。ダラムやマリア、登場人物たちの議論や悩み、問題が来るべき世界を先取りしてる様で知的に刺激されます!
普通に面白い。難しいというよりも、専門用語が多いだけでそれを知らなくても内容は理解できるくらい作中で丁寧というかしつこく説明きてくれている。下巻を読まないと内容に関する感想はかけないけれども、これは期待できる。
とにかく好き。理屈じゃないんだ、理屈あっての小説だけどでも理屈じゃないんだ。「創造主が創造物に否定される」ってのはシビアながら笑いどころのような気もする。で、私の考え方は90年代生まれのママンに似ている…年上だから当たり前。
え、そんな展開!?そんな理屈!? という、意外性の連続な展開が非常に面白い。 SFって世界設定の理屈付けがどれだけしっかりしていて、なおかつ驚愕を誘うものかがひとつの面白さの基準だと思うのだが、見事にそれを満たしている一冊。
被検体の時間をスライスしてシャッフルしてシミュレートするってことは未来を予測する処理が必要だと思うけど、その結果が対照標準と一致することはありえない気がする。
SF作家の中でイーガンは特に興味があり、最初に読むものとしてこの初期作品を選んだ。イーガンは「難解」と言われたりするが、彼が作品中で設定している根本的なロジックさえ納得できれば、読み進める事はそれほど難しいとは思わなかった。この作品では主人公が「塵理論」を元に純粋な情報のレベルで世界を作るというもの...続きを読むで、線型代数学の基礎知識がある程度の私だがなんとなく理解はできた。作者が設定するロジックを面白いと感じるかどうかが好き嫌いの分け目かと思う。私はこういったロジカルな作風はSF表現の一つとしてとても面白いと思う。
分かりにくいがその世界に入れば第一部はなかなかいい 表紙 5点小阪 淳 山岸 真訳 展開 7点1994年著作 文章 6点 内容 725点 合計 743点
2016/09/07-2016/09/10 星4.5 「グレッグ・イーガンのSFがおもしろい」というのを風の噂で聞いたので読んだ。ハヤカワ文庫SFの中ではこれが最初の単行本だが、日本語訳されているイーガンの長編の中では2番目らしい。創元SF文庫から出ている『宇宙消失』が最初。Wikipediaによ...続きを読むると更にそれより前に "An Unusual Angle" というのがあるらしい。 物語の背景として主軸にあるのは、物理・情報科学・生物の知識。物理に偏ることも情報科学に偏ることもなく、基礎原理から生物的性質まで幅広く設定され考察されているのには、想像力の広さを感じた。 今まで僕はいわゆる「強いAI」の世界観に違和感を覚えていたのだが、そんな僕にでも「強いAI」が存在する世界をリアリスティックに感じられるくらいの構成だった。 また、科学を志すものとして、「オッカムの剃刀」についてちょっとした考え違いをしていたことに気づけたのも大きかった。SFを読むと自分の視野の狭さに気づけるので面白い。
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グレッグ・イーガン
山岸真
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