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ふと入ったカレー屋で音道は、男が店主に「こいつは俺の女房を殺した」と怒鳴る場面に遭遇する――男同士の絆が無惨に引き裂かれてゆく様子を描いた表題作。公園の砂場で保育園児が殺害され、その容疑者の素性に慄然とする音道……「聖夜」。監禁・猟奇殺人・幼児虐待など、人々の底知れぬ憎悪が音道を苛立たせる。はたして彼女は立ち直れるのか? 好評の音道シリーズ短編集第二弾!
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Posted by ブクログ
音道シリーズ4冊目。相変わらず読みやすい乃南アサさん。短編だと音道貴子が妙に身近に感じる。 回数を重ねるにつれ音道が成長してベテランになり、周囲に認められ受け入れられている所がなんだか嬉しい。 前巻からのPTSDからも立ち直って復職したおっちゃんの活躍がまた楽しみだ。
6つの短編集からなる本書。 未解決のままで終わる、続く(?)事件や、些細な酔っ払い事件もあり、凄惨な事件もあり、諸々。 章末の解説にもある通り、サスペンス・推理小説の短編ということだけを狙ったわけではない作者の意図を、ここまで連作を読んできて感じる。 しかし、「聖夜まで」は衝撃的なストーリーだった・...続きを読む・・。
『花散る頃の殺人』に継ぐ音道貴子シリーズの短編集。 約20年ぶりに再読。6話が納められている。 表題作の「未練」は、貴子の私生活が綴られ、オカマの安曇から紹介された男との交際など。 「立川古物商殺人事件」は、機動捜査隊として現場に赴く貴子と事件の顛末だが、事件は未解決のまま?ここで相棒となる島本の視...続きを読む点で綴られるのが、最後の「殺人者」 「山背吹く」は、長編『鎖』で監禁されて受けたダメージ(と思うが)を癒やすため休暇を取り、友人の旅館で過ごす貴子が、ある事件をきっかけに再生を期す話。 「聖夜まで」は、保育園児が砂場で殺害された事件を担当した貴子がその容疑者の素性に慄然とし、読者も暗澹たる面持ちに。 「よいお正月」は、実家で過ごす貴子と母親とのやり取りや買い物時に出くわした出来事。初出はわからないが、雑誌の新年号用にでも書かれた小作品か。 それぞれ短編として切れ味があるが、やはり長編の醍醐味には叶わない。次は長編を。
鎖の上下巻が決着した後に落ち着いた頃の短編集でしょうか。女性の活躍と少子化の改善がこれからの社会を支える最優先の拠り所である現世を象徴するかのような潜在的な意図を勝手ながら感じました。犯罪の犠牲になる子供を殺めたのも子供という事件にはある女性の苦難が大いに関係している。それが主人公の身近な存在という...続きを読む新たな苦悩。そして、コンビを組んだ仲間も耐え難い日々に決着をt毛用と罪を犯す決心をした。が、許されない実情を最愛の伴侶が歯止めをかける。輻輳した人間関係のそれぞれで苦悩と忍耐が難事件をクリアにしていく予感が、続編を促すつくりに脱帽である。
同シリーズ物の2冊目の短編集。 題名の「未練」、 刑事としては起きてほしくないであろう「館川古物商殺人事件」、 前作の長編「鎖」での出来事後の貴子の心情を書く「山背吹く」、 残忍に殺された幼児と犯人の背景を書く「聖夜まで」、など 読んでいて個人的には全体的に”やるせなさ”や”無力感”のようなものがテ...続きを読むーマになっていると思った。
R様オススメ本。音道刑事シリーズの短編集。 なかなかにしんどい事件の数々に読みながら眉をひそめてしまうこともしばしば。 また、機捜ということもあって、事件解決まではいたらないという話も多く、もやもやして終わる話も多い。 それなのにすごく面白かったと思えるのは、音道さんの人間性みたいなもののおかげ?と...続きを読むも思ったり。 なお、鎖を以前に読んでいて良かったと思う。 まだ音道シリーズの短編集で未読のものもあるのでそれも楽しみです。
このシリーズが好きな家内のために買ったのですが、結局家内は読まず自分で読んでしまいました。 家内は悲惨すぎという理由で読まなかったのですが、私にはさほどには感じませんでした。 ミステリーの中でもいわゆる本格ではなく、人物像で読ませるタイプの小説ですね。相変わらず、音道さんは精神的に窮地に追い込ま...続きを読むれたり、突っ張ってみたり。。。男社会の中で、時に嫌な目に会いながら、時に救われたりもしています。今回の短編には、学生時代の友人、警察に入った頃の先輩、母親など身近な人を取り上げ、音道の私生活が多く描かれているのも特徴的です。 ほとんど姿を出しませんが、昴一という彼氏も良い味を出しています。
やっぱり、「女刑事 音道貴子」は最強の女性刑事モノの一つだ。 「未練」と「嗤う闇」を続けて読み返してみた。って、ミステリーを何度も読み返すワタシって、どうヨ。 トカゲと呼ばれる機捜の隠密部隊での活躍を描いた「凍れる牙」、人質にされ、過酷な状況に陥った「鎖」の長編小説2作を経て、「未練」と「嗤う闇...続きを読む」はどちらも短編集。 さまざまな表情の音道貴子に出会える。 例えば、「鎖」で大きなダメージを負った直後から始まり、しかし、ゆっくりだが、再生を果たす「山背吹く」。幼児殺人、そして幼児虐待がテーマとなった「聖夜まで」など、事件に真摯に向き合う、立ち向かう音道の姿が生き生きと描かれている。 さらに、音道とコンビを組む刑事たちも個性的で面白い。なんといっても、「凍れる牙」でコンビとなり、「鎖」にも登場した滝沢刑事にまた会えたのが嬉しい。
衝撃的な前作の余波はどこにいった? と肩透かしを食らってしまうが、 大丈夫、ちゃんとその件は、後で出てきますから。 事件性はほとんどないが、 最初の「未練」が一番ぐっと来たかな。 おいしいカレーが食べたくなるいい話だ。 というよりは、他の話が少し辛すぎる。 「山背吹く」も話としては良かったけど、...続きを読む 音道貴子の諦観がちょっと胸が痛い。
「聖夜まで」の衝撃が心をザワザワさせられた。 なんで、誰かなんとかできなかったのか。 誰が悪いのか。 やりきれない。 短編は彼女の私生活も多々見えて長編とは違うよさがあると思った。
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女刑事音道貴子 未練
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乃南アサ
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