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地球のさらなる荒廃『治療塔』に続くSF!地球に帰還した「選ばれた者」の朔ちゃんと、残留し「落ちこぼれ」となった私との間に子供・タイくんが生まれた。しかし、地球環境の悪化はさらに進む。世界宗教、宇宙ミドリ蟹、新しい地球、予戒、地球酸素1/4供給機構、向こう側の知性体――著者初のSFである前作『治療塔』をもしのぐ圧倒的スケールの作品。
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Posted by ブクログ
当初、「治療塔」の存在は秘密とされていたのだが 帰還者と残留者の和解事業が進む中で漏洩した情報などから 様々な噂やデマが飛び交うこととなった その結果、不法に「新しい地球」へと旅立つ者たちや 独自の「治療塔」を建設したという者が現れ 世界に再び混乱がもたらされた 一方で、実際に「治療塔」を体験した...続きを読む帰還者たちの身体からは すでにその効能が失われつつあった しかし「治療塔」の分析・再現という基本路線に変更はなく スターシップ公社も新たな調査船の派遣を決定した そしてそれが「新しい地球」における 公社側と、不法移民たちとの戦いへと発展していくことになるのだ 「治療塔」を占拠する不法移民たちは その力を用い、やすやすと死ぬこともないゲーム感覚の戦いを楽しんでいた つまり「新しい地球」は、メイトリアークの恩寵を受けて 戦士の楽園ヴァルハラと化していたわけだ 公社のエリートたちにとっては、まさに悪夢だった 「治療塔」をめぐる闘いには核兵器まで持ち出され 悲惨な結果を残した だがなおもあきらめない人々は 「宇宙マーブル・サボテン」から抽出した成分を吸引することで 別次元宇宙へのアクセスを試みようとする 「治療塔」のソフトウェア開発のためにどうしてもそれが必要なのだ 正気と狂気の区別はすでにつかなくなっており 「古い地球」で夫の帰りを待つリッチャンは もはやかつての祖母と同じく、宇宙に漂う人の魂を思う年齢だった
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