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Posted by ブクログ 2016年10月06日
1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた―。香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった…。...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
解説を読んで、守田が作者の父だとわかり、上巻での疑問は吹っ飛んだ。だとすれば、作者は、父の顔も知らずに育つはずだった竜次。彼はその後、父から、何をどのように聞かされ、育ったのだろうか。全てを聞いたのではないだろう。だからこそ、作者は、小説という形で上梓しなければならなかったのではないか。父の語った...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
第二次大戦中香港で憲兵隊員として活動していた主人公。
しかし終戦と共に戦犯とされる事を受け入れられない彼は憲兵隊から逃亡し、中国そして日本、彼の過酷な逃亡生活が始まる。
主人公は憲兵ですが、よくある鬼の憲兵の物語ではなく一人の戦犯とされた日本軍人が戦後の混乱期の中をどのように生き抜いてきたかがメイ...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年03月10日
”逃亡”とは、憲兵の戦後を描いた大作である。国のために働いた彼らが戦後連合国に追われ、自国にも追われるという悲哀の物語である。プロの作家は資料を読み込むことで90%作品を完成させることができる。残りはリアリティをいかに追求するかがカギとのこと。本作品のリアリティのすごさとは、戦後の日本の農家の暮らし...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年01月31日
今まで私が読んだ帚木作品は、精神科医らしく心を病む人物の登場が多かった。
これは第二次大戦中憲兵として働き、敗戦後逃亡し続ける主人公の限界とも思える物語だ。
同時期に大陸で新聞記者として従軍した父の面影と重ね合わせた。
戦争は人を変えると言うが、随所にそれがうかがえる場面が出てくる。
しかし、極限...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年10月10日
とにかく食べ物に関する描写が多いと感じた。
追われ続ける恐怖と、潜伏し続ける孤独と飢えの中では、とにもかくも、人間は欲求が食欲に集中するのだろう。
ボロボロになりながら逃げ続け、上の息子の出産は、赤紙により出征して立ち会えず、終戦後、ボロボロになり終われ終われて帰国したのに、今度は同じ日本人である...続きを読む
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